注目の台湾総統選挙は、「対中融和姿勢や、経済振興策」の国民党馬英九氏が再選された。
「格差是正」など「分配の公平」を掲げた民進党蔡英文氏の猛追をかわした。
「格差是正」など「分配の公平」を掲げた民進党蔡英文氏の猛追をかわした。
【台湾総統選】馬英九総統が勝利宣言 2012.1.14 21:23
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120114/chn12011421240009-n1.htm
【台北=吉村剛史】台湾の総統選が14日行われ、中国国民党主席の馬英九総統(61)は同日夜、「われわれが勝った」と勝利宣言した。最大野党・民主進歩党の蔡英文主席(55)の猛追をかわし、再選を確実にした。馬氏は、選挙期間中「両岸(中台)の平和を実現した」と地域の安定を掲げ、「台湾はさらに発展する」などと訴えてきた。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/120114/chn12011421240009-n1.htm
【台北=吉村剛史】台湾の総統選が14日行われ、中国国民党主席の馬英九総統(61)は同日夜、「われわれが勝った」と勝利宣言した。最大野党・民主進歩党の蔡英文主席(55)の猛追をかわし、再選を確実にした。馬氏は、選挙期間中「両岸(中台)の平和を実現した」と地域の安定を掲げ、「台湾はさらに発展する」などと訴えてきた。
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【主張】
馬英九総統再選 日米との連携強化を望む 2012.1.15 03:30 [主張]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120115/chn12011503300005-n1.htm
台湾の総統・立法委員(国会議員)同日選挙で、馬英九総統(中国国民党主席)が最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文候補を破り、再選された。世界金融危機からの早期経済回復や対中関係改善などの実績が、相応の支持を得た。
だが、馬政権4年間の中台急接近には、中国の台湾併合につながるとの内外の懸念も強い。2期目は「民主台湾」の現状を守り、日米との連携をより強化するよう望みたい。
馬英九氏は2008年総統選では、民進党の謝長廷候補に220万票もの大差をつけ当選した。その票差は今回、かなり縮小した。国民党と協力関係にあった親民党の宋楚瑜主席が出馬したこともあったとはいえ、台湾選挙民の幅広い支持を得たとは言い難い。
最大の原因は、馬総統の親中路線が行き過ぎ、中国が目指す台湾統一(併合)の動きを加速すると台湾住民が案じた点にある。大多数の民意は対中関係の安定と同時に、事実上の独立状態にある「民主台湾」を維持することだ。
馬総統も、中国とは、「統一せず、独立せず、戦争せず」という現状維持政策を掲げて、経済を中心に交流を拡大してきた。しかし、今回の選挙戦では、「中国は一つ」との前提の下で「中国と平和協定を結ぶ」考えを表明して、支持率の急落を招いた。
中国にとっての平和協定とは、前世紀前半からの中国大陸での共産党と国民党の内戦を終結し、双方が将来の中台統一に合意することを意味する。平和協定という名目の政治協定である。
馬総統はその後、「協定締結の可否は住民投票で決める」と発言を修正したものの、選挙民は「終局的な中台統一」を否定しない同総統への不安感をぬぐえない。
台湾海峡の平和と安定を維持することは、日米韓をはじめとする周辺国にとっても極めて重要だ。そのためには、海洋覇権を求めて急速な軍拡を続ける中国に対し、アジア太平洋地域の民主主義諸国・地域が政治、安全保障面での連携を強めることが不可欠だ。
一方、中国は中台統一で海洋覇権確立の突破口を開こうとしている。そうなれば、日本は尖閣諸島など東シナ海の領土や領海の維持も危うくなる。馬英九政権に日米同盟との一層の関係強化を期待するとともに、日米もそのためにより積極的に努力してほしい。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120115/chn12011503300005-n1.htm
台湾の総統・立法委員(国会議員)同日選挙で、馬英九総統(中国国民党主席)が最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文候補を破り、再選された。世界金融危機からの早期経済回復や対中関係改善などの実績が、相応の支持を得た。
だが、馬政権4年間の中台急接近には、中国の台湾併合につながるとの内外の懸念も強い。2期目は「民主台湾」の現状を守り、日米との連携をより強化するよう望みたい。
馬英九氏は2008年総統選では、民進党の謝長廷候補に220万票もの大差をつけ当選した。その票差は今回、かなり縮小した。国民党と協力関係にあった親民党の宋楚瑜主席が出馬したこともあったとはいえ、台湾選挙民の幅広い支持を得たとは言い難い。
最大の原因は、馬総統の親中路線が行き過ぎ、中国が目指す台湾統一(併合)の動きを加速すると台湾住民が案じた点にある。大多数の民意は対中関係の安定と同時に、事実上の独立状態にある「民主台湾」を維持することだ。
馬総統も、中国とは、「統一せず、独立せず、戦争せず」という現状維持政策を掲げて、経済を中心に交流を拡大してきた。しかし、今回の選挙戦では、「中国は一つ」との前提の下で「中国と平和協定を結ぶ」考えを表明して、支持率の急落を招いた。
中国にとっての平和協定とは、前世紀前半からの中国大陸での共産党と国民党の内戦を終結し、双方が将来の中台統一に合意することを意味する。平和協定という名目の政治協定である。
馬総統はその後、「協定締結の可否は住民投票で決める」と発言を修正したものの、選挙民は「終局的な中台統一」を否定しない同総統への不安感をぬぐえない。
台湾海峡の平和と安定を維持することは、日米韓をはじめとする周辺国にとっても極めて重要だ。そのためには、海洋覇権を求めて急速な軍拡を続ける中国に対し、アジア太平洋地域の民主主義諸国・地域が政治、安全保障面での連携を強めることが不可欠だ。
一方、中国は中台統一で海洋覇権確立の突破口を開こうとしている。そうなれば、日本は尖閣諸島など東シナ海の領土や領海の維持も危うくなる。馬英九政権に日米同盟との一層の関係強化を期待するとともに、日米もそのためにより積極的に努力してほしい。
[AC通信:No.380]Andy Chang (2012/01/11)メルマガより
http://www.melma.com/backnumber_53999/
[AC論説] No.380 勝負の後の心構え
台湾で選挙状況を観察している。選挙の三日前で民衆は大騒ぎして いるが、選挙は国民党のイカサマ博打だと思っているので、勝ち負 けよりも勝負がついた後、民進党の蔡英文が勝ったら政治家や民衆 はどうするか、負けたらどうするか、勝負の後の心構えと戦略のプ ランが大切だと思う。
アメリカの政治は勝っても負けてもその後どうなる、どうすると言 うPlan Bを作る。台湾の政治家や評論家がどれほどの長期的視点が あるかわからない。しかし台湾で民衆や友人の意見を聞いて見ると 誰もが選挙の後の心構え、Plan B が欠如しているように見える。
アメリカから台湾の選挙に興味を持ってやって来た政治家と台湾人 が共同で設置した「選挙観察団」の共同発言で、彭明敏氏が私と同 じように選挙後の心構えが大切だと発言していた。
●候補者の優劣
今回の選挙は台湾の将来にとって大切な「関が原の戦い」であると 言われている。関が原の戦いでは洞ヶ峠の小早川秀秋という裏切り がでたが、今回の選挙で民党がどんな悪辣な手段を出してくるか、 裏切り者が出るか、いろいろな人が心配している。
今回の選挙は国民党、民進党と親民党の三つ巴の戦いで、国民党の 選挙前に出してきたいくつかの卑劣な手段が逆効果を招いて、国民 党が負け気味となっている。馬英九政府は三年間の執政でたいした 業績を上げなかった上に公約はみんな実現していない上に、政府の 乱費が目だち、馬英九に対する不信が目立っている。
候補者の評価を見ると、民間評では民進党の蔡英文がA、親民党の 宋楚諭がB,大きく離れて馬英九がFである。だが民間の評価とは あまり影響がないかもしれない。大切なのは国民党が選挙マシーン を掌握しているので、冷静な予測は難しい。
インターネットでは民進党の応援団がいろいろな記事を発表して、 毎日50通以上の蔡英文礼賛と馬英九攻撃メールが入ってくるが、 このようなメールは仲間同士のメールのやり取りで気勢を上げてい るだけである。これら大量のメールが民間に影響することはない。
なぜならメールの読者はお互いに知り合った同士だから、誰に投票 するかすでに決まっているはずで、メールを読まない人たちに影響 を与えることはない。
●勝負のあとの心構えが大切
多くの人は馬英九が勝てば中国の影響が加速することを懸念し、蔡 英文が勝てば現状維持が長引くだろうと見ている。
大切なのは総統選挙だけでなく、立法委員の選挙で国会において本 土派が過半数を制しなければ蔡英文が総統になっても国会では国民 党のコントロールを逃れることが出来ず、ねじれ政権になる恐れが ある。今のところ国会議員選挙は国民党議員が地方の選挙民を抑え ているので民進党の過半数は難しい。
蔡英文この難関を突破するため、当選すれば親民党と共同で「大連合 政府」を作ると発表した。しかし政党連合は賛否こもごも、問題も多 い。政党連合は利権の分配で揉めると思われる。
それより大切なのは勝ち負けの決まった後の民衆の心の持ちようと 思う。勝ってもすぐに政治がよくなると思って舞い上がってはなら ない。負けて失望のあまり闘志を失ってはならない。
私の考えでは蔡英文が勝てば、独裁をなくし、汚職政治を一掃し、 正義と真の民主を推進することが大切だと思う。
蔡英文が落選すれば民衆はどう反応するだろうか。
負けても失望してはならない。負けてこそ国民党のイカサマ選挙で 台湾建国を推進することは不可能と悟る絶好のチャンスである。
負けたときこそ本気で中華民国を倒して独立を推進する時である。
http://www.melma.com/backnumber_53999/
[AC論説] No.380 勝負の後の心構え
台湾で選挙状況を観察している。選挙の三日前で民衆は大騒ぎして いるが、選挙は国民党のイカサマ博打だと思っているので、勝ち負 けよりも勝負がついた後、民進党の蔡英文が勝ったら政治家や民衆 はどうするか、負けたらどうするか、勝負の後の心構えと戦略のプ ランが大切だと思う。
アメリカの政治は勝っても負けてもその後どうなる、どうすると言 うPlan Bを作る。台湾の政治家や評論家がどれほどの長期的視点が あるかわからない。しかし台湾で民衆や友人の意見を聞いて見ると 誰もが選挙の後の心構え、Plan B が欠如しているように見える。
アメリカから台湾の選挙に興味を持ってやって来た政治家と台湾人 が共同で設置した「選挙観察団」の共同発言で、彭明敏氏が私と同 じように選挙後の心構えが大切だと発言していた。
●候補者の優劣
今回の選挙は台湾の将来にとって大切な「関が原の戦い」であると 言われている。関が原の戦いでは洞ヶ峠の小早川秀秋という裏切り がでたが、今回の選挙で民党がどんな悪辣な手段を出してくるか、 裏切り者が出るか、いろいろな人が心配している。
今回の選挙は国民党、民進党と親民党の三つ巴の戦いで、国民党の 選挙前に出してきたいくつかの卑劣な手段が逆効果を招いて、国民 党が負け気味となっている。馬英九政府は三年間の執政でたいした 業績を上げなかった上に公約はみんな実現していない上に、政府の 乱費が目だち、馬英九に対する不信が目立っている。
候補者の評価を見ると、民間評では民進党の蔡英文がA、親民党の 宋楚諭がB,大きく離れて馬英九がFである。だが民間の評価とは あまり影響がないかもしれない。大切なのは国民党が選挙マシーン を掌握しているので、冷静な予測は難しい。
インターネットでは民進党の応援団がいろいろな記事を発表して、 毎日50通以上の蔡英文礼賛と馬英九攻撃メールが入ってくるが、 このようなメールは仲間同士のメールのやり取りで気勢を上げてい るだけである。これら大量のメールが民間に影響することはない。
なぜならメールの読者はお互いに知り合った同士だから、誰に投票 するかすでに決まっているはずで、メールを読まない人たちに影響 を与えることはない。
●勝負のあとの心構えが大切
多くの人は馬英九が勝てば中国の影響が加速することを懸念し、蔡 英文が勝てば現状維持が長引くだろうと見ている。
大切なのは総統選挙だけでなく、立法委員の選挙で国会において本 土派が過半数を制しなければ蔡英文が総統になっても国会では国民 党のコントロールを逃れることが出来ず、ねじれ政権になる恐れが ある。今のところ国会議員選挙は国民党議員が地方の選挙民を抑え ているので民進党の過半数は難しい。
蔡英文この難関を突破するため、当選すれば親民党と共同で「大連合 政府」を作ると発表した。しかし政党連合は賛否こもごも、問題も多 い。政党連合は利権の分配で揉めると思われる。
それより大切なのは勝ち負けの決まった後の民衆の心の持ちようと 思う。勝ってもすぐに政治がよくなると思って舞い上がってはなら ない。負けて失望のあまり闘志を失ってはならない。
私の考えでは蔡英文が勝てば、独裁をなくし、汚職政治を一掃し、 正義と真の民主を推進することが大切だと思う。
蔡英文が落選すれば民衆はどう反応するだろうか。
負けても失望してはならない。負けてこそ国民党のイカサマ選挙で 台湾建国を推進することは不可能と悟る絶好のチャンスである。
負けたときこそ本気で中華民国を倒して独立を推進する時である。