落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

歴史戦敗北

2015年07月06日 | 政治・外交
「明治産業革命」世界遺産に決定。
韓国が反対を取り下げたのもやはり条件付きだった。
戦時中の昭和19~20年の間に朝鮮半島出身者に対する「強制徴用が行われた」ことを事実とし遺産施設の展示案内板などに掲示せよという。
この強制性の表現を条件としている。あの慰安婦問題と同じ。
これが事実ならば、「人類共通の遺産」にはふさわしくない。
世界遺産に決定しても「嘘」を掲示させられるのでは歴史戦に敗北している。
一部とは云え誤った歴史を後世に伝えることになり、努力された先人は嬉しくないのではなかろうか。

世界遺産は国連のユネスコの審査を必要とする。
韓国は、その結果を政治や賠償問題に利用しようとして歴史戦を挑み、言い分を通した。
日本には「歴史戦」の意識はあっただろうか。
「施設」展示の文言、日韓の火種に? 「強制徴用」めぐる表記、今後の焦点【世界遺産登録】2015.7.6 06:15更新
http://www.sankei.com/life/news/150706/lif1507060004-n1.html

写真:「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録が決定し、笑顔を見せる佐藤地・ユネスコ政府代表部大使(前列中央)ら=5日、ドイツ・ボン(共同)

 ドイツで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で5日、世界文化遺産への登録が決定した「明治日本の産業革命遺産」。審議の場で、日本政府は、韓国側が主張する一部施設での朝鮮半島出身者の「強制徴用」をめぐり、犠牲を記憶するための施設を設ける考えを表明した。具体的な展示の文言が今後の焦点となるが、表現次第では韓国側が再び強硬姿勢を打ち出してくる可能性もあり、くすぶった火種を抱えたままの門出となりそうだ。

 韓国側は、産業革命遺産を構成する官営八幡製鉄所(北九州市)など7施設で、戦時中の昭和19~20年の間に朝鮮半島出身者に対する「強制徴用が行われた」と主張。韓国側が固執する強制性の表現が日韓の交渉難航の原因となった。

 議場では、日本政府代表側は焦点になった歴史的な事実関係について、「自らの意思に反して連れてこられ、厳しい条件で労働を強いられた」と表現した。

 外務省によると、朝鮮半島出身者の徴用問題について、政府見解や公式文書に「強制」の文言が使用されたケースはない。政府関係者は「徴用は国内法に基づき、朝鮮人だけでなく日本人や台湾人など当時の『日本国民』に等しく適用されたからだ」と説明する。

 政府は昭和14年に国民徴用令を制定。当初は朝鮮半島出身者は除外されたが、戦況悪化に伴う労働力不足から19年9月以降は適用された。法令には給与の支払いも明記されていた。

 戦後、一部の徴用工への賃金未払い問題が浮上したが、40年の日韓基本条約により解決済みとなっている。
 政府は、一部施設の展示案内板や自治体などが運営するホームページ(HP)、発行冊子などに朝鮮半島出身者が徴用された歴史を記載する方向で調整しており、具体的な記述内容は今後検討される。

 自治体側にも具体的な方向性は示されておらず、各施設の説明にどの程度強制性に関する文言が盛り込まれるのかは不透明だ。日本側の対応次第では、韓国などによる反発が広がる恐れもある。

岸田外相「強制労働を意味するものでない」 財産請求権で韓国にクギ刺したが…【世界遺産登録】2015.7.6 01:51更新
http://www.sankei.com/politics/news/150706/plt1507060007-n1.html

写真:「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録が決まり、報道陣の質問に答える岸田外相=5日夜、外務省

 安倍晋三首相は5日夜、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録が決まったことを受け、「心からうれしく思う。海外の科学技術と自国の伝統の技を融合し、産業化を成し遂げた姿は世界でも稀有(けう)で、人類共通の遺産としてふさわしい」とのコメントを発表した。
 岸田文雄外相も5日夜、外務省内で記者団に「遺産群の果たした世界的な役割が広く世界に知られる契機になることを期待する」と述べた。

 日本政府は5日の委員会発言で、韓国側がこだわった「強制労働」に関し「forced to work(働かされた)」との表現を使用。岸田氏はこの表現について「『強制労働』を意味するものでない」と説明した。さらに、財産請求権の問題は完全に解決済みとする従来の日本政府の立場に変わりがないことを強調した。

 外務省筋によると、日本政府は、委員会での日本側の発言を裁判で使わないという確約を韓国政府に何度も確認したという。外務省関係者は「韓国内に(遺産の説明における強制労働の明記を主張する)いろいろな世論がある。ボンの現場での確認とともに、ハイレベル(閣僚級)でも確認した」と審議を1日先送りした背景を説明している。

 このため、岸田氏は記者団に「今回の日本政府の発言を日韓間の財産請求権において(韓国政府が)利用する意図はないと理解している」と述べ、韓国政府に冷静な対応を続けるようクギを刺した。

 ただ、韓国の趙兌烈外務第2次官は委員会で「今日の決定は(徴用の)被害者の苦痛を記憶に残し、歴史の傷を癒やすための重要な一歩だ」と発言した。さらに、記者団に対して「日本政府が朝鮮半島出身者の労働に強制性があったと認めた。交渉で合意した結果なので満足して受け入れる」と強調している。

 岸田氏は「韓国側の発言も事前に調整を行ったので問題ない」としているが、韓国政府の対応次第で再び日韓間の溝が広がる可能性は否定できない。



「台湾独立行動党」

2015年07月05日 | 政治・外交
台湾が中共に併呑されるか否かは、日本にとっては重要な問題。
日台「運命共同体」と云われており、台湾人には台湾の「領土主権」はまだ日本が保有していると主張する人もいる。 http://www.taiwan.gr/index.html
台湾には政党が231がある。その台湾で新たな新党「台湾独立行動党」が誕生した。

 つづき


徴兵制

2015年07月01日 | 政治・外交
中共の軍事脅威に対応するため安保法制が検討されている。
中共はこれを「安倍政権の右傾化」と宣伝している。
野党は確たる対案もなく、安保法制に言及もされていない「徴兵制」を持ち出して国民の不安を煽り、親中反日メディアはこれを後押し・・・というのが現在の図式ではないだろうか。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第193号(6月23日)
http://melma.com/backnumber_190875/

*徴兵制は必要か?

 「解釈改憲が許されるなら徴兵制の導入も可能になる」との主張があるが、左翼の本質をよく示した主張である。というのも、そもそも自衛隊は解釈改憲によって合憲と見なされているのであり、解釈改憲が許されないとするなら自衛隊そのものが違憲の存在となる。
 つまり、この主張は現在の安保関連法案に反対しているだけではなくて、自衛隊の存在自体に反対している訳だ。左翼の本来の主張は自衛隊違憲論だ。しかし今どき、そんな主張は一般の支持を得られない。そこで自衛隊を徴兵制に置き換えて反対論を形成している訳だ。
 だが現在審議されている安保法案のどこにも徴兵制への言及はない。政府は戦後一貫して徴兵制の導入を否定してきており、徴兵制を検討した形跡すらない。徴兵制導入の意思が皆無であることは明らかだ。では何故左翼は徴兵制にこだわるのか?

 私は10年以上前だが、左翼の勉強会で軍隊と徴兵制の関係について講演したことがある。無論、彼らから依頼されてのことである。そこで気付いたのは、左翼は「自衛隊を含めて軍隊は兵士を強制的に集めなければ成立する筈がない」と思い込んでいる点である。
 だが現在、米軍も英軍も仏軍も独軍も徴兵していない。また歴史的に見ても英国が徴兵制を採用したのは第一次世界大戦から1960年の間だけである。英国は17世紀から19世紀までに世界の4分の1の面積を支配するに至る大英帝国を構築したが、その帝国は徴兵制なしで築かれたのである。
 いうなれば徴兵制は軍隊にとって必要不可欠な制度ではない。そもそも近代徴兵制はフランス革命とともに始まった。革命政権を防衛し革命を推進する目的で制定された。だからフランスでは左翼が徴兵制賛成であり保守派は徴兵制反対なのだ。

 ちなみにフランスは1990年代半ばに200年近く続いた徴兵を停止した。停止を命じたのは保守派のシラク大統領である。もっとも停止を命じた理由は革命原理を否定したからではなく、徴兵制が現代の軍隊にとって非効率だからだ。
 現代の軍隊は科学技術の進歩に伴い、ハイテク化されている。当然兵士も高度な技術の習得が必要となり、1~2年の徴兵期間ではとても習得できないのである。長期勤務を希望して志願してくる人を採用する志願兵制の方が効率的なのである。
 自衛隊でも事情は同じ事で、「徴兵しなければ自衛隊は維持されない」などという自衛官は一人もいない。将来、憲法が改正されて自衛隊が国防軍になったとしても、フランスの例を見れば明らかな様に徴兵制が施行される可能性はゼロである。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
著書:
「領土の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
「国防の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
共著:「総図解よくわかる第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/301310010411/
監修:
「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html
「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
インターネット動画配信中:
「現代戦闘機ファイル」
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
「よくわかる!ミサイル白書」
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409