かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『山口理々子さん』

2015-08-01 22:58:16 | 番外

今までずっと片手袋に魅かれるのなんて僕だけだと思って生きてきた訳ですが、研究活動が徐々に広まるにつれそれは間違いであった事に気付かされました。

「確かに片手袋って気になるよね!」という感想は沢山頂きましたし、海外で片手袋写真を撮っていらっしゃる方とも繋がる事が出来ました。また、映画や絵画の中に片手袋を見付ける事もあり、片手袋によって創作意欲が刺激される人達もまた、僕だけではない事を知りました。

昨日、詩や童謡を創作していらっしゃる山口理々子さんよりメールを頂きました。山口さんは物心付いた時から片手袋に注目しており、タモリ倶楽部で僕を見た時は驚いたそうです。

山口さんは何年か前に片手袋についての詩を書き、それはやなせたかしさん編集の雑誌で賞をとったのだそうです!選評の時にやなせさんが、詩にメロディをつけて歌ってくれる、という嬉しいハプニングもあったそうです。その作品がこちら。

_1_

片手袋を何かに象徴させた詩ではなく、純粋に片手袋そのものについて書きたかった、という事なのですが、まずそれが片手袋愛好家として素晴らしいと思いました。そして詩の内容もまさに日頃僕がブログで書いているような気持ちを鮮やかに描写してあって、感動しましたよ。

さらに山口さんは、「まいごの世界」という童謡で金子みすずのコンクールでも受賞なさっているのですが、こちらも片手袋に関係した作品なのです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『まいごの世界』

この世の どこかに あるんだよ
まいごの世界が あるんだよ

ハモニカ トランプ 麦わら帽子

まいごになった ものたちが
なかよく あそんで くらしてる

この世の どこかに あるんだよ
片っぽの世界が あるんだよ

てぶくろ ながぐつ 耳飾り

なかまをなくした 片っぽが
いっしょになって くらしてる

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こちらの童謡もなのですが、山口さんの作品は“片手袋を見ている誰かの気持ち”ではなく、“片手袋自身の気持ち”を描写しているのが特徴だと思います。

この世界観、以前当ブログでもご紹介した『カタッポ』という絵本を思い出しました。

これは片手袋の背後にいる人間達のドラマを想像する場合もそうなのですが、やはり片手袋って様々な物語を夢想させる力を秘めているんですよね。少数であっても片手袋に魅かれる人達が存在するのは、ここが一番大きなポイントなんだと思います。

山口さん、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!