かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『五年』

2016-03-11 19:50:00 | 雑感

あれから五年。毎年この日は、震災直後に書いた記事を再掲載しています。

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これは僕が“介入型”と呼んでいるタイプの片手袋です。

落ちている片手袋に気付き、見つかりやすい場所に移動してあげた誰かが存在する。

そうして生まれるのがこの“介入型”の片手袋なのです。

我々には有事ではなく普段から、このようなちょっとした、でもとても重要な心の優しさが備わっています。そう信じています。

ましてや過去最大級の有事が起きている今この時。

批判や言い争いや怒りはひとまず置いておいて、正確な情報や落ち着いた行動に基づく優しさを発揮しましょう。

僕自信、自分に出来る事は何か、冷静に考えてみます。

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風化には良い面と悪い面の二つあると思います。

「もう立ち直れない」と思う程大きな絶望を味わっても、時と共に心の痛みから解放されていく。“忘却”というのは時に人間にとって大きな力になりますよね。

しかし「二度と同じ過ちを犯してはいけない」という教訓を得ても、また同じ過ちを繰り返してしまう、というのも人類の歴史です。

忘れて良い事といけない事。五年経ってもそのコンセンサスが得られず、様々な分断が起きてしまっていますが、とにかくあの日、上に書いたような事を強く意識したのだけは忘れないようにしたいと思います。

東日本大震災でお亡くなりになった方々やご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。