かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『わたしを離さないで』

2013-10-19 20:39:30 | 写真

今回、神戸ビエンナーレに出品した『まちに咲く五本指』は、片手袋を通じて人が人を思いやる気持ちや、人と人との見えない繋がりなどを表現しました。

しかし勿論、コンテナ内に並べた大量の片手袋写真は、“おかしみ”だったり“間抜けさ”だったり“笑い”だったり、様々な感情を想起させると思います。

そして片手袋は、最初に書いた“優しさ”や“繋がり”とは正反対の、“悲しさ”や“寂しさ”を象徴してもいますよね。

何しろ、このブログの(「ブログ始めます」的な挨拶を除いた)最初の記事のタイトルは『悲しい』だったんですから。

こんなに様々な感情を刺激する片手袋。やっぱり凄いです。

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潰れてしまったのか、資材が撤収されて雑然とした店舗跡。そこに取り残されていた片手袋。久しぶりに片手袋の背負う悲しみに想いを馳せました。


『良い話』

2013-10-18 21:45:44 | 写真

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なんですか、最近の天候は。異常な暑さがようやく終わったと思ったら、今度は連続して台風。

おかげで最近は片手袋もビチョビチョの“ドブネズミ系”ばかりですよ。

今日の写真なんて、上にたばこの吸い殻まで乗ってて…。こういうのを見ると、「やっぱり僕だけはコイツらを記録してやらなきゃ!」という気になるんですよね。

「…という気になるんですよね」って、なんか良い話かのように書いてますが、そんな気になる事自体、若干頭が心配な状態である事を認識出来るくらいの客観性は、まだ少し残ってます。

…多分。


『さらなる飛躍の為に』

2013-10-16 23:14:58 | 雑感

僕の小さな世界での話でしかなかった片手袋が、信じられないほどの広がりを見せた今年。

よく“どんな事でもやり続ければいつかはチャンスが来る”と言いますが、片手袋ですら来たんだからあれは本当の事みたいですよ、皆さん。

片手袋の存在自体に気付いている人って、かなり多いと思います。事実ネットで“手袋 片方”なんてキーワード検索してみると、かなりヒットしますし、中には写真を撮ってる人もいます。

まあ、だから「手袋って何故か片方だけ落ちてるよね~」というのは所謂、“あるあるネタ”でしかないと思うんです。だから僕がやってる事って、人によっては「ありがちじゃん」と思うかもしれないです。

でも、「手袋が片方だけ落ちてる」という事を“何故・どのようにして・どんな風に…”と突き詰めていき、自分の私生活に支障が出てくるくらいまで圧倒的な枚数撮り続けていくと、それは“あるある”から“ないない”の世界に突入していくんだと思います。

僕の尊敬する大山顕さんという方が、「写真は「アイディア」じゃないんで、最初に誰が撮ったかじゃなくて、いちばん冴えた撮り方したのは誰か、なんだ」というような事をおっしゃってたのを思い出します。

片手袋がまちのいたる所に溢れる時期がいよいよやってきます。今一度初心に帰り、片手袋を冴えた撮り方で、冴えた切り口で紹介し、もっともっと多くの方に届くよう、頑張りたいと思います。

(とは言え、こういう真面目な事を真剣に書けば書くほど、「お前、片手袋で何熱くなってんだよ!」という間抜けさが出てきてしまうのが片手袋の良い所だと思う)

大飛躍となった今年。先日家族が用意してくれた誕生日ケーキのプレートは、当たり前のようにコイツでした。

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『神戸ビエンナーレへの道~三連休~』

2013-10-15 22:41:53 | 神戸ビエンナーレ2013

昨日は知り合いが何組か作品を見に来てくださる為、神戸にいました。

三連休、メリケンパークは無料開放な上、神戸ビエンナーレと同時開催で大規模なインドのお祭りもあったので物凄い人出でした。

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せっかくの機会ですので、僕は“出展者”というカードを隠し、鑑賞者に紛れてダイレクトな反応を窺ってました。笑う人あり、自分の手袋喪失体験を語る人ありで、概ね楽しんでもらってるようでした。

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「これは全部作者がわざと手袋を置いてるのよ。こんなに落ちてるわけないでしょ!」と言い張るお母さんに、「違うよ!全部本当に落ちてた、ってちゃんと書いてあったよ!」と食い下がる子供がいて面白かったです。

喉元まで「女の子よ、君が正しいんだよ!」と出掛けましたが、誤解も含め受け入れる事にしたのでやめました。

でも皆さん、コンテナ内にある写真、というか今まで僕が撮ってきた片手袋写真は全て路上のありのままの光景。僕は一切手袋に触ってませんよ!<o:p></o:p>

さて昨日は、実はまだゆっくり見ていなかった他の作品も楽しむ事が出来ました。遊覧船に乗って神戸港に点在する巨大な作品を見る“海上アート部門”も天気が良くて面白かったです。<o:p></o:p>

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メリケンパークではこの作品が良かったです。<o:p></o:p>

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真っ白な本を持ってコンテナの中を歩くと、その本に映像が投影されるという、歩くと変化していく絵本です。シンプルだけど、コンセプトと技術が幸福な融合を果たしている好例だと思いました。

それにしても、こんなに沢山の人達が遠く離れた神戸で僕の作品を見てくれている、というのは貴重で不思議な経験だと思います。

まだ見ていない人は勿論、無料開放でたまたま入った方達がもう一度見に来てくれたら嬉しいですね。