風のBLOG

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2018年秋 「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」西日本・東日本ツアー[第8周目]

2018-11-15 10:55:34 | 全国巡回公演
 
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演も富山県で迎えた初日から、西日本地域、東日本地域を駆け回り、ついに千秋楽を迎えました。
千秋楽である31回目を迎えたのは、徳島北高校での公演です。
私たちは、一度東京へ戻り、11月10日から始まる文化庁の『星の王子さま』の稽古を終え、徳島県へ向かいました。

11月5日(月) 【徳島県】徳島北高校 同校体育館

徳島北高校
 

千秋楽を迎えた徳島北高校での公演は、2009年に公演した(現在九州地域で公演中の)『Touch』から9年ぶり2回目になりました。
徳島北高校では、人権学習行事として、人権演劇鑑賞会として公演が行われました。
また、担当の先生方が「公演の日を楽しみにしていました。私たちの徳島北高校の公演が千秋楽であることを、ぜひ、最後の挨拶で生徒たちに伝えてほしい。」と、おっしゃって下さり、皆さんが、公演の日をとても楽しみにしてくれていたことが伝わってきました。

徳島北高校の体育館は、2階の為、前日の日曜日に搬入が行われました。
日曜日にも関わらず、多くの部活動の生徒さんも学校に来ていたようで、風の11tトラックを見て、「明日の演劇のやつだ!」、「明日楽しみにしています!」と掛けてくれる声に、私たちも明日の公演で、彼らと一体どんな出会いが待っているのだろうかと、とても楽しみになりました。

そして迎えた本番当日。
劇場となった体育館には、先生方、保護者の方々も含めて、約1000人の客席はとても濃密な空間を生み出していました。
また、開演前には、担当の先生が『ヘレン・ケラー』の作品について語り、「ヘレンとアニーの出会いの中から、皆さんはいったい何をみるのでしょうか。」と、生徒さん方にメッセージを送り、先生の想いのバトンを受け取るように、大きな拍手で本番が始まりました。

本番が始まると、体育館いっぱいに座る客席からは、後ろの方まで、しっかりと存在を感じ、時には笑ったり、驚いたり、ふと静かな視線を向けたりと、ひとりひとりが舞台や人の存在を感じ合う客席を捉え通して、発見したり、探求しながら、しっかりと自分の身体で向き合っている姿勢に、私たちも支えられながら共に公演を創ることが出来たように感じる時間となりました。
 

カーテンコールでは、人権委員長の生徒さんから「人と人との繋がりの大切さを改めて感じました。」と、とても素敵な言葉を頂きました。
 
 
 
 
 
終演後には、バックステージツアーが行われました。
 


また、アニー・サリバン役の高階ひかりと共に希望者の生徒さん方との座談会も行われました。
なんと、座談会には、今回の公演をとても楽しみにしていらっしゃった、校長先生も参加されていたそうです。
 


後片付けのお手伝いも、バスケットボール部や前日の搬入作業で声を掛けてくれた野球部の生徒さん方、また、様々な部活動の生徒さん方がたくさん駆けつけてくれました。
皆さんの溢れんばかりの生き生きとした姿と力に助けられ、あっという間に劇場から皆さんの馴染みの体育館に戻っていきました。
本当にありがとうございました!!

そして、担当の先生からは、徳島の特産品であるすだちを頂きました。
劇団員皆んなで、美味しく頂きました!
 
日々、友人や家族や先生たちと共に、たくさんの経験や出会いを積み重ねて、未知なる可能性と未来をその身体に秘め、“今”をしっかりと生きる若い観客たちの姿、そして、そんな生徒さん方の姿を信じ、温かく見守り、彼らに公演の時間を通して、何かを伝えたい、残したいという先生方の力強い想いに支えられ、共に創ることの出来た時間となりました。
本当にありがとうございました。
 
私たちは、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の千秋楽を迎えた後、11月10日から始まる『星の王子さま』、そして、9月19日から始まっている『Touch〜孤独から愛へ』の九州ツアーへ合流し、新たな旅公演が始まります。
公演で出会った皆様の想いと姿を原動力に、まだまだ私たちの出会いの旅は続きます!
 
文:倉八ほなみ(ヘレン・ケラー)