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2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第2週目

2017-06-05 10:44:28 | 全国巡回公演
トップの写真は、岡山県立玉野高等学校の演劇部のみなさんとの一枚です。


『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演ツアーの2週目は、


5月30日[火] (京都府)京都橘中学校・高等学校/同校講堂
5月31日[水] (岡山県)玉野高等学校/同校体育館
6月 1日[木] (岡山県)井原高等学校/井原市民会館
 での公演でした。

橘中学校・高等学校



京都橘中学校・高等学校の講堂に、前日から舞台設営を行いました。
迎えた本番当日は午前と午後の2ステージ。
午前中は、中学生と高校3年生が観劇。大きな笑い声や、「マジかよ!?」と驚く声、関心のあることを声に出して隣りの人と話す生き生きした様子が舞台上からも感じられました。また、芝居がクライマックスへと向かう頃のみなさんの熱い視線も印象深かったです。
午後は、高校1・2年生の観劇で、大きな講堂の客席は満席です。
始まりから終わりまで、みなさんは講堂の中に、凝縮した空間をつくりだしていたのではないでしょうか。集中した視線と息遣いが、舞台のリズムを生みだしていったと思います。




公演後は、高校2年生のクラス代表のみなさんと、舞台見学と座談会を行いました。
2年生のみなさんは2学期にクラスで演劇発表を行うそうです。
さっきまでの集中した空気が一変、興味のあるところ、知りたいこと、見たい、聞きたい、触りたいの思いが爆発するかのように、ステージで多くの発見をしてもらえたようです。



京都橘高校のヘレンとアニー


音響にも聞きたいことが山ほどあります!オペレーターの渡辺雄亮に質問中


素敵な1枚、いただきました!

京都橘中学・高校での公演の担当をしてくださった先生が、生徒さんたちが公演後に書いた感想文を読んで、こんなことを感じていたんだという驚きがあったこと、芝居を見ている生徒さんの姿を見て、いつもとは少し違った発見が先生自身にあったことを話してくれました。生徒さんたちを温かく、愛情を持って接していることが強く伝わってきました。
2年生のみなさんにとって、クラス全員でつくる演劇発表が、この学校での思い出のひとつとなったり、“何か”と出会うきっかけとなることを願っています。



玉野高等学校




京都での公演を終えて、旅班は岡山県にバスを走らせました。
玉野高校での公演は、嬉しい再会、驚きの再会の連続でした!

朝早くから演劇部のみなさん、顧問の先生、担当の先生、教頭先生が搬入を手伝ってくれました。
そして何と、教頭先生は2002年に、ここ、玉野高校で『星の王子さま』を上演した時の担当の先生だったのです。また20年以上前になりますが、同じ岡山県の他の高校で『星の王子さま』を上演した際、担当だった先生が、今は玉野高校にいらして、「驚きの再会です」と、体育館まで会いに来てくれました!演劇部のみなさんとの交流や、驚きの再会に、旅班の仕込みにも熱が入ります。




入場時から元気な声が劇場となった体育館に響き渡っていましたが、芝居が始まると、すっと舞台に入り込むかのように、会場の空気が変化していきました。
暑い体育館の中でも、みなさんの真っ直ぐな姿勢は揺らぐことはありません。みなさんの目で見て、感じたことを大切にしてもらえたら、と思えるような2時間をともにつくりあげたと感じられる舞台となりました。






終演後は、演劇部のみなさんが舞台見学とヘレン役の稲葉との座談会を行いました。発表を近々に控えた演劇部のみなさんには、聞きたいことがたくさんあったり、悩みがあったりなど、座談会は真剣そのものでした。座談会後は「話せてよかった」という言葉からもわかるように、さらにパワフルになったみなさんが片づけを最後まで手伝ってくれました。みなさん、ありがとうございました!

バスが学校を出る時、校内・グランドで部活をしている生徒さんたち、そして先生方が、大きく手を振って見送ってくれました。人と人の出会いが、再会、繋がりを生んでいくことを実感した公演でした。


井原高等学校



学校から会場となった井原市民会館にやってくる生徒さんたち

開演前、賑やかな会場の様子が舞台袖に伝わってきました。井原高校は、三年に一度の芸術鑑賞を行っている学校です。どんな出会いになるか、と、胸が高鳴ります。

幕が開くと、会場は深い静けさに包まれました。その中で生徒さんが、思いきり笑う瞬間があったり、舞台から何かを捉えて空気が動く瞬間がありました。客席と舞台、お互いに密度の濃い時間を過ごせたのでは、と感じました。

カーテンコールより 





終演後は先生の呼びかけで、多くの生徒さんが舞台見学に来てくれました。舞台の隅々まで動き回る生徒さん。あちらこちらで俳優と話もしたり、舞台上はとても活気づいていました。また楽屋を訪ねてくれた生徒さんもいました。そこでは、俳優がどのように演劇に向き合っているかを話しました。
盛り上がった舞台見学の流れで、急きょ座談会も開催。声の出し方、役作りはどうしているかといった質問から、ヘレンの動きが気になった、なぜ劇団へ入ろうと思ったのか、という俳優自身に関心を持ってくれた質問、また『リアル』と言われるモノとは違った『リアル』をこの芝居から感じたと語ってくれた生徒さんもいました。座談会にも多くの生徒さんが参加してくれて、先生方も喜こんでいました。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本ツアー、あっという間の2週目でした。
今週の公演では、先生の言葉で生徒さんを想う気持ちを語ってくれる場が多くありました。話を聞いていると、先生自身が生徒さんとの関係を、常に振り返っているんだと感じました。そしてそこには、生徒さんに生き生きといてほしいと強く願う先生方がいました。生徒さんの話をする時の先生の嬉しそうな、輝いた表情は忘れません。


旅はまだ始まったばかり。
これからの出会いにたくさんの期待を込めて、舞台をつくり続けていきます。


渋谷愛(アニー・サリバン役)

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