娘が暮らす杉並区永福町をハンナと散歩した。大宮八幡宮では七五三のお参りの家族連れで賑わっていた。晴れ着に身を包んだ子供たちの健やかな成長を願うおじいちゃんやおばあちゃんの優しい眼差しが印象的だった。
大宮八幡宮から和田堀公園に向かう。曇り空だったけど気持ちよく散歩を続けて、緑溢れる公園に入っていった。警告文が目に入った。犬を園内に連れて入ってはいけない。皆が迷惑をしているからという理由まで添えられてある。何度読み返してもこの警告内容が信じられなかった。
僕が暮らす岡山では見たこともない独断と冷たく切り捨てる偏見に満ちた決めつけの警告だ。和田堀公園は都立公園のはず。犬は入るべからずなんて公園を管理する職員の心の貧しさを感じる。
確かにフンの始末をしない人や犬を園内で放し飼いにする不心得者もいるのだろうけど、だからといって犬を連れて歩く人を一括りにして一方的に悪と決めつけて排除する考え方はあまりにも冷血で心が貧しすぎる。警告する意図は、犬を連れて入る人はフンの始末をしてねと優しい文章で十分に通じるはずだ。不心得者はそんな警告文の有る無しにかかわらず汚すし、放し飼いにするのだから。そんな一部の不心得者と同じようにすべての愛犬家に向けて発するのは失礼千万であるし、皆が迷惑しているとまで悪と決めつけられるのではたまったものではない。よくこのような警告文を愛犬家の都民が黙っておくのか不思議でもあった。
気持ちのいい散歩だったけど、心ない警告文で一気にテンションが下がり、この大都市東京の心の貧困さに悲しい気持ちになって娘のマンションに引き返した。動物と暮らすのは地方の田舎に限る。岡山がいい。