先週末の山行で宿泊した船窪小屋の食事は感激ものだった。
若い頃はテント泊ばかりしていたが、体力の衰えもあり、ここ20年ほどは山小屋を利用する山行が増えた。山小屋といえば食事の不味さや寝場所の狭さはどこの山小屋でも同じだと思っていたが、船窪小屋は違っていた。
七倉岳の稜線、標高2450mに立つ船窪小屋は絶景の地にある。
船窪小屋の夕食は町の食堂と遜色ない。いや町の食堂よりも健康的で山菜の天ぷらなど品数も多くてどれも美味しかった。味付けがお母さんの素朴な味だ。あまりの美味しさで一気に全部平らげた。
船窪小屋には頑固なこだわりがある。発電機で電気をおこすこともせず、食材として冷凍食品を全く使わない。新鮮な山の恵みを食材に使っている。
日没とともに小屋にはランプの淡い灯りがともると心まで自然と安らいだ。ほっこりする灯りだ。
人気の山小屋であることは聞いていたが、噂に違わず素晴らしい山小屋だった。癖になりそうな魅力のある山小屋だ。
朝5時に烏帽子岳に向かって出発する時、山小屋のお母さんが外に出て鐘を鳴らして笑顔で見送ってくれた。
またぜひいつか、この小屋を訪ねる日がくることを願っている。