小豆島の星ケ城山に登り、ロープウェイ乗り場の紅雲亭まで下ってからロープウェイでバイクを止めてある山頂駅まで戻った後、瀬戸内国際芸術祭を見て回った。会期が明日、日曜日までということもあり、各会場で多くの人と出会った。
今回、7〜8箇所見て回った中で一番印象に残ったのは、インドのサヘジ・ラハールさんの「Revenants」という作品。薄暗い納屋に置かれた作品は土と藁を練り固めた素材を使った作品だけど妙に存在感があり力強さがあった。
岸本真之さんの「つぎつぎきんつぎ」もすごかった。金継ぎの修復技法で、使わなくなった陶磁器をつなぎ合わせて立体的な作品に蘇らせている。生活の匂いのする古い食器が金継ぎの技で息を吹き返したかのように躍動感があった。
土庄港に戻ると岡山行きのフェリーが入船していた。すぐに乗船。早速、フェリーのデッキに上がり、旅の余韻ひ浸っていた。しばらくすると夕陽が輝きだした。ハンナと夕陽をずっと海の彼方に沈むまで眺めていた。この時、一つのかけがえのない命が消え入ろうとしていた。翌朝電話で深夜1時過ぎに黄泉の国に旅立った報せを受けた。Revenantsという作品を見た後だったので、改めてRevenantsの生死の深淵を思った。