驚いた。まさかのトランプ米国大統領候補の勝利だった。政治家の経験も軍人の経験もない不動産業の一実業家が過激な暴言を吐き、保護主義的な政策を訴えたが、およそ論理性に欠けた煽動的なアジテーションのパフォーマンスに過ぎないと感じていたので、選挙戦の敗北を固く信じていた。ところがまさかの結果だ。
アメリカの一番の問題は貧富の格差の拡大であって、移民や宗教の問題ではない。Make America Great Again ! と鼓舞して、保護主義的な政策をとっても解決できることではない。EU離脱を決した英国の人々と同じで、深く考えずに耳障りのいい過激なアジテーションに惑わされて投票した人々がやがて痛恨の思いで深く後悔することになるのではないかと思う。安倍政権の日米同盟の舵取りが一段と難しくなった。それにしても米国が、そして世界が誤った道に迷い込んでしまっていると思えてならない。