『生きぬくことは冒険だよ』を読み終えた。長谷川恒男が
ウルタル峰で遭難死する最期の記録だ。古書だけど内容は新
鮮だ。ヨーロッパアルプスのアイガー、グランドジョラス、
マッターホルンの三大北壁を冬期単独登攀を成し遂げた後、
ヒマラヤに目を向けるが、天候に恵まれず運も味方せず、ピ
ークに立つことなく、ことごとく敗退を余儀なくされる。彼
の実力をもってして登れなかったのは、運命のいたずらとし
か言いようがない。
そして二度目のウルタル2峰で非業の死を遂げる。ベース
キャンプで帰りを待つ妻の悲しみも痛ましい。
日本で偉大な登山家・冒険家を挙げろと言われたら、ため
らわずに植村直己と長谷川恒男の名前を挙げる。二人を超え
る人物は永遠に出てこないかもしれない。
近所の居酒屋『成田屋』に妻と歩いて行く。いつも真っ先
に、欠かさず注文するのは、湯豆腐、鳥酢、白魚の天ぷら。
今日は旬のベカの刺身とホタルイカも美味しかった。生ビー
ルのあと、日本酒『加茂五葉』を呑む。燗酒の『加茂五葉』
は癖がなくて飽きることがない。成田屋に足を運ぶ大きな理
由はこの県北作州が生む旨い酒にある。二回おかわりして、
ほどよい加減で引き上げた。
4連休の初日、長船町の『須恵古代まつり』に行った。爽
やかな薫風に誘われて、会場は大勢の人で賑わっていた。
ちょうど和太鼓をしていたので、しばらく見る。屋外でも
迫力があり、お腹まで太鼓の振動が伝わってきた。太鼓のよ
うな素朴な楽器がこの古代まつりのコンセプトに似合ってい
る。武久顕也瀬戸内市長と会場ですれ違った。こんにちわと
挨拶を交わす。僕はテレビで何度もお目にかかっているので
つい親しみを込めて挨拶してしまったけど、ちょっと変。ま
あ、いいっかあ。