上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

ウゴジククを知っていますか

2010-02-03 | 動詞
外国語を習いたての頃というのは,とにかく誰でもいいから捕まえて言葉が通じるかどうか使ってみたくなるものです。

私も学生時代,生意気にも,韓国から交換教授で来られた先生の通訳を買って出たことがありますが,この先生が日本生活もひと月ほどたち,そろそろ韓国料理が懐かしくなる時期だったんでしょうね。わたしに“국물이 있는 것을 먹고 싶은데요.”と言ったのです。

当時は,いまのように韓国料理を食べさせる食堂なんか,あたりを見渡してもあるはずがありません。
’국물이 있는 것’ とは,きっと「汁物」だろうと自分勝手に判断して,近所のそば屋に連れて行ったことがあります。
いま思うと’국물이 있는 것’というのは찌개のようなものか탕のたぐいだったんですね。
韓国の人は「汁物」が好きですからね。

「汁物」と言えば,みなさんは우거지국というのを食べたことがありますか。
簡単に言えば菜っ葉の味噌汁のことです。
しかし最近は韓国でも本物の우거지국にはほとんどお目にかかれません。

우거지とは,白菜やダイコンなどの茎や外側の葉,または甕につけた漬物や,塩辛の漬かっていない上の方の部分のことです,

우거지はもともと上にある物を取り出すという意味の語,웃걷이が変化してできた言葉だと言います。

みなさん,キムチの甕の中を覗いたことがありますか。
キムチをつけるとき,甕の中にきちんと積み上げて入れ,その上に大根や白菜の茎や外側の葉を適当な厚みに乗せて,ぎゅーっと押しておくんですね。
このようにすると甕のキムチがほどよく熟しておいしく漬かるんだそうです。

この,甕の中のキムチの味を引き立てる大切な役割をするのが,その上に載せた우거지なんですね。
우거지は外の冷たい空気を防いでキムチが甕の中でよく発酵するのを助ける役割をするんです。

この우거지はキムチを全部食べ終わるまで甕の中にそのまま残しておいて,最後には捨ててしまうわけですが,食べ物のなかった昔はこれも重宝がられていたそうです。
葉っぱについたカビを水で何回か洗い流した後,腐ったような匂いを消して味噌,ニンニク,辛子などに味付けして,煮込んだり,山菜のようにあえて食べたりしていたのです。
そして今も,昔のことを知っている人たちは,貧しかったその頃によく食べたこの味を忘れることができず,懐かしい味を求めて飲食店にやって来るのだそうです。

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