「…人は呼ぶ。タチマワ・リーと!」
いやぁ~、シビレるね。この大時代的な台詞まわし、そしてあの“ゆうたろう”に似た濃い顔つき。ついに鑑賞しましたよ!!個人的期待度が高かった韓国映画No.2の(1番は『奴奴奴』だ!)『タチマワ・リー 悪人よ、地獄行き急行列車に乗れ』(08)を。
この手のレトロテイストあふれる作品を作るには、観客に監督の映画的記憶力とそれを調理するセンスの良さが問われる。古くはメル・ブルックスの『ヤング・フランケンシュタイン』、ここ近年ではマイク・マイヤーズの『オースティン・パワーズ』シリーズ、チャウ・シンチーの『カンフー・ハッスル』など、監督の「このジャンルにかける熱き想い」が感じられていずれも映画史に残るような傑作に仕上がっている。
じゃあ、本作はどうか?監督のリュ・スンワンは韓国アクション映画の新世代の旗手でいずれの作品も新しい感覚であふれているが、実は大のアクション映画マニアで『相棒 シティ・オブ・バイオレンス』の殴り込みシーンには香港ショウ・ブラザースのクンフー・武侠映画の大御所、チャン・チェー(張徹)監督の作品の影響が見受けられるように、自分の大好きだった映画の記憶を再構築する術に長けているのだ。
『タチマワ・リー』はかつて自分が幼いころに観た60~70年代の韓国製アクション映画を発想のモチーフにし、『007』ばりのスケール感で作り上げた「大ホラ話」なのだ。
『007』ばりのスケールと書いたが、ネットムービーのみで公開したオリジナル『タチマワLee』(98)は向こう三軒両隣的なスケールだったのに対し、予算も格段にアップしたこの劇場版は北京、東京、上海、アメリカ、満州、スイスと世界狭しとタチマワ・リーが飛び回るのだ。やっぱりウソをつくならここまで派手にやらないと。こういう所はまだ日本のエンタテインメント映画はできないよね、真面目な国民性だから。
また、監督の“アクション映画好き”の顔も映画の中に登場いていて、なんとチウ・マンチェク(趙文卓)主演『ブレード 刀』(92)の長めのパロディ場面があるので、香港映画ファンにもぜひ見てもらいたいところだ。
見た目はダサいが観ているとそのクサさがクセになるオールドスタイルな新感覚ムービー『タチマワ・リー』劇場版、一人でも多くの人がこの映画を楽しめる日が来ることを熱望する!
観ないやつは地獄行き急行列車に乗れっ!
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>普通に楽しむのであれば『アラハンARAHAN』なんかが取っ掛かりにはもってこいです。観てたらゴメンね。
実はこれもまだ未見です(汗)
題名もカッコいいですよねぇ~、中古でもいいから探してみようかと思います(笑)
>来年は試しに『相棒 シティ・オブ・バイオレンス』を観てみようかと思います!
この作品もいいんですけどバイオレンス度が高めなので好き嫌いが分かれると思いますね。普通に楽しむのであれば『アラハンARAHAN』なんかが取っ掛かりにはもってこいです。観てたらゴメンね。
いやぁ~このDVDをコピーして送ってくれるなんて素晴らしいです(神!笑)
最近の韓国アクション映画は観ないのですが、来年は試しに『相棒 シティ・オブ・バイオレンス』を観てみようかと思います!
今後はリュ・スンワン監督にも目をつけておきますね~