人は誰しも、諍いや争いなどのトラブルを嫌うのではないでしょうか。
そのトラブルの多くは、ちょっとした言動が原因であったり、それが契機となって人間関係がこじれたりしているようです。
かねてより、【心 de 経営】ということを基本に、永年コンサルティングをして参りました。「de」は、フランス語の前置詞で、英語にしますと「of」に近い意味合いであり用法であると認識しています。
「de」を、英語の「of」の意味で用いますと「心 of 経営」、すなわち「経営”の”心」となります。「de」を、そのまま、日本語の「で」に置き換えますと「心で経営」となります。
ここでは、後者の「心で経営」に重点をおいて、経営に限らず、人間関係における「心づかいのあり方」を、平素の体験から感じるがままにを徒然に記述してまいります。それにしても、他人に優しくするには、自分に厳しくなければならないことを痛感しています。
期せずして日本経営士協会理事長の藤原久子先生も、心を大切にすることを常々口にされています。理事長とお話している中で出てきたことを中心にまとめています。ある意味では、藤原理事長との合作といえるブログです。
物事や人の心には多面性があります。お届けするブログが正論であるか否かは、皆様のご判断にお任せしますが、参考にして下さいますと幸いです。
マーケティングに「ユウ・アティテュード」という用語があります。「あなた好みの」といいましても、奥村チヨの「女になりたい」とは異なります。<笑い>
相手の立場に立って、すなわちマーケティングでは「ユーザーさん」「消費者」の立場に立って、商品開発をするとよいというような意味合いで使われることが多いです。
一方で、「自己中」という言葉があります。「利己主義」とも多少ニュアンスが異なるようですね。
「俺が・・・」というような、自分の視点での価値判断を相手に押しつける人を、私は、ユウ・アティテュードをもじりまして、「アイ・アティテュードな人」といいます。
アイ・アティテュードは、自己中や利己主義とも、少し異なります。アイ・アティテュードの人は、相手の人のことも考えて判断するのですが、「アイ(I)」が基本なのです。
出張の帰りに、飛行機が空港に着陸して、飛行機の出口から出るときに、ずらりと並んでしまいます。出口付近では、左側のアレイから来る人と、右側のアレイから来る人がぶつかりますので、滞留してしまうことは専門家のご意見を聞かなくてもわかります。
私が、出口近くに来たときに、私の前にいた女性が、左手からの流れの人に順番を譲りました。「なんと思いやりのある人・・・」と思ったのですが、ぞれを続けていますので、私は飛行機から降りることができません。
おそらく、その方は、相手に出る順番を譲るという優しい気持ちで、続けているのでしょうが、その女性の後ろにいる私だけではなく、その後ろの人は、その女性のために外に出ることができなおのです。
この様な人のことを、私は「アイ・アティテュードな人」と言うのです。
「左からの人に順番を譲る」という考えは、素晴らしいことですが、その人の後ろにいる人に対しては、失礼なことです。
交互に出口から出るというのが暗黙の了解ですので、「人に譲る」ということに固執しすぎますと、別の視点で見た場合には、他人に迷惑をかけていることに、その女性は気がつかないのです。
このように、一見しますと、相手のことを思う、ユウ・アティテュードのように見えますが、他方では、他の人に迷惑をかけていることに気がつかないのです。
自分の基準で、こうした方が良いだろうと思い込むことは、好ましいことではありません。他の人への気遣いが、別の人にとっては迷惑行為なのです。
自分の価値観に固執するのではなく、自分とは、異なる価値観を有する人とも積極的につきあうことから、いろいろな価値観を感じ取れるようになるのではないでしょうか。
自分の価値観に固執しすぎますと、世間を狭くしてしまうことも知っておくべきです。
(ドアノブ)