大山、自己最高の5位=20歳チョン・インジ初優勝―全米女子オープンゴルフ
2015全米女子オープンゴルフ最終日は、3日目で首位に5打差の4位で最終組のひと組前で
スタートをした大山志保だったが、前日の好調さを保ちバーディスタートという期待を抱か
せる最高の出だしを切った。
2番でも連続バーディを奪い、4番のボギーにめげず、再び6番、7番で連続バーディ。
彼女の気合の入ったガッツポーズと笑顔には、首位を捉える勢いさえ見られたのだが・・・。
TV解説の岡本綾子も日本選手に初日からレポーターとして付いて回っていた村口史子も
「もしかしたら・・」という熱が入った解説に力が入っていた。
TVを観ていた私も世界ランク50位で滑り込んだ大山の運を信じて、「これはあるかも」と
思ったが、その期待は11番のグリーン脇からのパターによるアプローチは2.5Mオーバーに
なりこのホールをボギーとしたことで夢は潰えることになった。
パターを持ったことには、解説の岡本綾子も村口史子も疑問の言葉を発していたが、やはり
私を含め誰もが危惧したように、失敗をしてしまう。
そのミスを悔やみながら12番ショートホールのTGに立ったのだろうか、このホールでは
ミスを取り返すべくPWでのショットは、無情にも手前の池に吸い込まれてしまう。
最終組のエイミー・ヤンもステーシー・ルイスもこのホールは9Iで打っていただけに、
最も危険な罠が潜んでいたあのホールでは、やはり正常心を失っていたのだろう。
11番のボギーと12番のWボギーで3打を失った時点で、優勝への可能性は非常に難しく
なってしまったが、何とも惜しい2ホールだった。
そうはいっても最終的にはスタート時点での3アンダーで周り、日本選手最年長でありながら
5位Tは来年の出場権を得る結果となり、あのガッツポーズを来年も見せて欲しいものだ。
優勝は大山と同組でまわった3位スタートのチョン・インジが逆転優勝を飾ったが、彼女は
5月に行われた国内ツアーのワールドレディスチャンピオンシップ (サロンパスカップ)で
国内ツアー初挑戦で上田桃子などを退け、初優勝をした20歳の大学生プロ(高麗大学在学中)。
身長は175cmという恵まれた体格に加え、キュートな美人ゴルファーの誕生は、日米でも
多くのゴルフファンを魅了するだろう。
いま世界では韓国の女子ゴルファーが、アメリカでも日本国内でも常に上位に進出し
世界の女子ゴルフ界をリードしているが、いつも韓国人選手を見ていて思うのはメンタル
面と体幹の強さだろう。
これだけ国内でも全米でも常に上位に顔を覗かさし、メジャー優勝を果たす土壌はどこに
あるのかを日本ゴルフ界をあげて検討すべきだと思う。
日本人プレーヤーは、未だ樋口久子の全米女子プロ(1977)優勝以来メージャー獲得は
成されていない。
とは言っても今年の全米女子オープンでは、過去に例を見ない12名の日本人選手が出場し、
そのうち7名が予選を突破するという好結果を出した。
なかでも初出場の葭葉ルミ、鈴木愛、菊池絵理香は大いに健闘をしたと言えるだろう。
長らく岡本綾子以来メジャーでの優勝争いは見られなかったが、今回の大山志保の活躍は、
今後の日本人プレーヤーに勇気を与えたことだろう。
私が応援をしている藤田光里をはじめとして、将来有望なアマチュアゴルファーも育って
いるだけに、いずれ近い将来には「メージャー制覇」朗報が得られるだろう。