田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

柳川で川下りをしました

2017年08月06日 | 柳川

 炎暑の中、柳川の川下りを楽しんできました。ここの川下りは掘割巡りです。現在川下りの業者は5社ありますが、この日は一番老舗の船に乗ることにしました。乗船場は北原白秋ゆかりの松月文人館です。

 この建物は白秋の詩「立秋」や、明治40年に与謝野鉄幹、吉井勇らと天草・阿蘇などを旅した紀行文「五足の靴」にも登場します。当初は懐月楼という遊郭で、その後氷屋、医院、料亭などの変遷を経て、今は乗船場事務所と文学記念館になっています。(下の写真一枚は一昨年11月に撮ったものです)

 向こうに見えるのは三柱神社参道の太鼓橋です。地元では欄干橋といいます。どんこ船は1時間10分ほどかけて沖端まで下ります。人が歩く速さです。逆に沖端から乗船する川上り船もあります。

 少し下って柳川城堀水門へ来ました。毎年2月にはこの水門が締め切られ、水を落として掘割の清掃が行われます。掘割の水は濁っていて緑がかっています。

 水門橋をくぐります。

  木が覆い繁っている所は渡る風が涼しく感じられます。

  昔は掘割の水は澄んでいて、多くの家で利用されてきました。今でもこうした階段が残されています。私が大学生の頃までは、乗船場の近くの堀で子ども達が泳いだり水遊びをしていました。

  柳川らしい風景です。掘割は人々の生活とともにありました。

  川下りはこうした風景が続きます。都会ではないので堀沿いの景色に大きな変化はありません。

 

 船は市街地の中心部近くまで来ました。 

  掘割が枝分かれしています。以前はこうした小水路が町の中まで入り込んでいました。

 煉瓦造りの建物は並倉です。大正期に鶴味噌醸造さんの麹室として建てられました。国の登録有形文化財になっています。その向こうは壇平橋。掘割を真っ直ぐ行くと外堀コースです。私達はここから右に折れて内堀を下ります。

  内掘りコースも半ばまで差しかかってきました。

 こういう景色は懐かしく感じます。もともと筑後平野は農業用水路のクリークが縦横に張り巡らされていました。

 内陸部の仄暗い泥質のイメージです。海のように外に開かれた明るさはありませんが、心が落ち着きます。大林宜彦監督の映画「廃市」は全編柳川で撮影されました。あの映画は少し暗かったですね。

 川を上る船が近づいてきました。暑さのせいか、掘割を行く船は少ないです。船頭が言っていましたが、やはり3月、4月が一番のシーズンだそうです。左手は椛島菖蒲園。この辺りは市役所や裁判所、商工会議所などがある官庁街で、城址も近いです。

 川下り乗船客のための水上売店です。先ほどの船も皆氷菓子を手にしていましたから、ハイシーズンには結構売り上げがあるのでしょう。客にとっても思い出のイベントになります。手前の石碑は鰻の供養碑です。

 私達も立ち寄って氷菓子を買いました。この日は暑くて、船頭からは保冷剤が客に手渡されました。船の乗客は私達を入れて7人。船は30分ごとに出発しますが、客が多ければ増発されるようです。

 船が舫ってある右手は日吉神社です。日吉神社で挙式し、新郎新婦と親族はここから船に乗って披露宴会場まで掘割を遡ります。柳川在住の私の従弟も昔ここで式を挙げ、船に乗りました。観光パンフレットでよく使われる情景です。

  向こうから空船が来ます。

 

  内堀コースで一番狭い弥兵衛門橋です。

 くもで網(四手網)があります。満潮時に網を下ろして、魚が入るのを待つのんびりとした漁法です。これは実際に使われているのでしょうか。

 堀端に白秋が作詞した童謡「まちぼうけ」の碑があります。川下りコースにはこうした碑や像があちこちにあります。

 中国か台湾の団体客です。川下りは外国人の団体が多いですね。皆さん賑やかです。どの船も、船頭さんは観光案内や自慢ののどを披露するなどサービスに努めています。

 もう少し行くと、今日の終着地である立花家の「御花」に着くのですが、ここでカメラの電池容量がなくなりました。残量を確かめずにきたのが残念です。小学生の孫を連れて行きましたが、「御花」で下船すると、冷房の効いたところで涼みたいと言って土産売り場に駆けこんでいきました。

  盆前には東京の長男家族が帰省して来ます。長男は子ども達に都会では味わえない経験をさせたいと言っているので、ぶどう狩りや渓流遊びなどを計画しています。川下りもその積りで下見を兼ねて来たのですが、この暑さでは止めた方がよさそうです。

 筑後地方はこのところ気温が37度の日が続いていて、いささかうんざりしています。毎日外には出ていますが、車にいるか施設の中にいるかで、外を歩くと消耗します。気持ちもバテ気味で、秋の訪れが待ち遠しいです。

 

 

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2 コメント

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柳川の川下り (takezii)
2017-08-06 11:31:55
下見・・、
なかなか 詳しいレポートで 魅力が伝わってきます。
いいですね。風情、情緒、好きです。
今度 九州を訪ねる機会が出来たら 柳川は外せない・・と 思っているところです。
有難うございます。
返信する
takezii様 (九州より)
2017-08-06 17:56:10
こんにちは。
久し振りにどんこ船に乗りました。
柳川の川下りは情緒があります。
景色に変化が少ないので、人によっては退屈だと感じるかもしれません。
柳川の観光は川下りと御花と北原白秋です。
久留米から車で30分の距離なので、時々訪問しています。
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