田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

東京で「はとバス」に乗る

2016年11月07日 | 日々の出来事

 先月、東京に行きました。夫婦で旅行するのは久し振りです。

 初日は家内のリクエストで高輪の泉岳寺に行きました。彼女は忠臣蔵のファンなのです。以前は年末になると恒例のように忠臣蔵がテレビ放映されていましたが、よく私もお付き合いをさせられたものです。

 まだ午後4時頃なのに日差しが弱く、夕方の気配が漂っています。東京は日が暮れるのが随分と早いです。 

 この奥が義士の墓所になります。墓前に供える線香などの販売はもう閉まっていました。墓所では高校生かとも思える青年が年配の夫婦に歴史の講釈をしています。ご主人は、若いのに詳しくて感心だねと褒めていました。東京にはいろんな人がいるものです。

 泉岳寺を後にする頃には周りは薄暗くなっていました。もうホテルに戻ります。 

 宿泊したホテルは歌舞伎町の真ん中にありました。そのホテルには何とゴジラがいました。まだ若い頃、出張の折に日暮れの歌舞伎町を歩いたことがありますが、ここに来るのはそれ以来です。

 夜の歌舞伎町は物凄い人出でした。満員電車の乗客がそのまま街を歩いているようなものです。家内は人ごみが苦手で、この町は好きになれないようです。

 警察署の街頭スピーカーが歩行者に注意を呼び掛けています。飲食店の案内所もありましたが、そこには路上の客引きは全てぼったくりの店ですという注意書きがありました。外国人も多いですね。その多くは旅行者のようで、スーツケースを手にした人びとが行き交っています。

 今回の東京行きは長男の家族に会うためでした。二日目の夜、嫁方のご両親や姉を交えて新宿で夕食を共にしました。私がご両親とお会いするのは二回目で、前回は長男が結婚する前にご挨拶に伺った時ですから、随分久し振りになります。話が弾んで楽しいひと時になりました。

 私達が泊まったホテルはビジネスタイプですが、まだ新しくロビーも広くて快適でした。週末という事もあってか外国人が多く、日本人客は少なかったですね。レストランで朝食をとっていると、現役の頃の出張時の気分が甦ってきました。たまには旅をするのも良いものです。

 出発するためカードキーを返却しようとフロントに行きましたが、どの窓口も外国人の先客がいてなかなか空きません。いらいらして、ふと横の方を見るとカードリーダーのような機械が並んでいます。試しにカードキーを入れると機械に取り込まれて清算終わりです。そういえばチェックインの時もフロントに行こうとしたら、係員が来て別の機械で手続きをしてくれました。今は出張することもないので浦島太郎になりつつあります。

 部屋から見た歌舞伎町周辺です。新宿ゴールデン街がすぐ近くです。久方振りに見る大都会の夜景でした。

 話は戻りますが二日目は終日、東京観光です。以前に二人で来た時は、鉄道や地下鉄を乗り継いでお目当ての場所へ行きました。しかし今回は家内の体調も考えて、はとバスに乗ることにしました。東京での移動は歩くことが多く、結構疲れます。

 はとバスに乗るのは初めての経験です。点から点へ、座ったままの移動は年寄りには優しいです。しかも家内が選んだバスは「懐かしの昭和浪漫」コース。靖国神社や皇居二重橋など典型的なお上りさんコースです。家内の亡父が生前に足跡を残した所を回りたいという事でした。

 この日は薄曇りで、暑くもなく寒くもなく観光日和です。私達は新宿駅前から乗りましたが、わずか数組で後方の席でした。怪訝に思っていると、東京駅で満席になるとの事です。丸の内口のはとバスセンターに着くと、多くの人々でごった返していました。はとバスはいま大人気なのだそうです。

 東京駅からは正規のバスガイドのほかに、昭和時代に活躍した元バスガイドが添乗しました。昔取った杵柄で懐メロを歌ったり、名所を紹介したり。昭和浪漫の雰囲気を盛り上げる、はとバスのサービスでした。乗客は私達と同世代のカップルや女性グループが多かったですね。はとバスの写真を撮り損ねたのが残念です。

 靖国神社に来ました。家内の伯父が祀られています。 

 そして皇居の二重橋です。ここも多くの観光客で賑わっています。前を通ったことはありますが、近くで見るのは初めてです。皇居周辺は大都会の喧騒が 嘘のように落ち着いた雰囲気です。

 皇居前広場から丸の内方面を見たところです。広場には芝生と松林がありますが、松は品があり上質な景観をつくります。私は東京は美しい街であるとは思いませんが、この辺りはビルの高さが抑えられ、建物に付き物の袖看板もなくて整然としています。猥雑な街中に比べると異空間のようです。

 また永田町、麹町、番町付近を歩くと業界団体の名前をよく見かけます。大きな団体になると自前のビルを持っています。千代田区だけをとってみても相当の数になるでしょう。民間だけではなく行政や公共的団体も同じです。市町村から都道府県、そして全国組織がある東京へと人や情報、金が集まる仕組みが良く分かります。

 私はいつも霞が関の省庁の建物を見ると、権力とは何だろうと考え込みます。過去にも権力を求めて歴史が動いてきました。私は権力とは空気のようなものではないかと思っています。

 はとバス観光も終わりに来ました。東京タワーから見下ろしています。地上150メートルの大展望台の通路に「ルックダウンウインドウ」というガラス張りの(?)場所があるのです。高所が苦手な私は恐る恐る写真を撮りました。もちろん上には乗りません。

 スカイツリーをはじめ、今はここより高い展望台が各所にあります。それでも昭和の記念碑的な東京タワーを訪れる人は多く、エレベーターには行列が出来ています。 

 時間はまだ早かったのですが、この日は長男達と食事の予定があったのでホテルで一休みです。家内は翌日から長男のマンション宅に世話になりました。

 私は別行動で京都散策です。結婚してからというもの、仕事以外で一人旅をするのは初めてのような気がします。

 

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 終盤を迎えたキリン花園のコ... | トップ | 懐かしの京都東山を歩く(上) »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (takezii)
2016-11-07 08:46:52
ご夫婦でご旅行、東京では はとバスで観光されたんですね。首都圏在住の私等も 東京へは なかなか出掛けることが無く 行ったことがない所、知らない所だらけです。はとバス利用、いいですね。
その内いつかなんて言ってられない齢になって 最近は たわいも無い旅行にも 出来るだけ出掛けようという気持ちだけは有るのですが 気力体力減退。
いい情報、有難うございました。
返信する
今日は (九州より)
2016-11-07 17:28:46
はとバスのホームページを見てパンフレットを取り寄せました。
無料で送ってくれます。
自分の行きたい所ばかりではありませんが、こういう観光も良いものだと思いました。
返信する
はとバス (tango)
2016-11-07 17:35:09
私も4回利用して市内回りを楽しみました
2回目は午前中だけ靖国神社を回るコース
3回目は富士山5合目に行くコースでした
あるときは東京駅から歌舞伎座・有楽町・今すしざんまいで
有名な食域どころ・・・あるきました
22000歩歩いて笑われました
山手線を一周して田舎者と笑われましたよ
ご夫妻でいい旅をされましたね(^◇^)
旅は大好き
私も人の多い所は好きでないんですよ
返信する
tango様 (九州より)
2016-11-07 17:45:12
はとバスのパンフを見ると色々なコースがありました。
私自身は自分で鉄道などを使って行くのが好きです。
でもはとバスは効率的にポイントを回れるので、使い勝手がありそうです。
返信する
東京生まれの東京知らず (ろこ)
2016-11-08 22:31:11
こんにちは。
 ご夫妻ではとバス観光はいい記念になったようですね。
 亡き母は、東京育ちなのですが、はとバスに乗って東京をぐるっと見てみたいと言い続けていました。
 かなわずに逝ってしまいました。
 そういう私も東京育ちの東京知らずです。
 田舎育ちの夫に東京を案内してもらっているありさまです。
 ご夫婦で、あるいはお一人で、あちこち旅をしてくださいませ。
 私たち夫婦も、リュックを担いで、世界中旅をして回ったものです。日本国内も知らないところが多いです。
 なんて言っても東京を知らないのですから!
返信する
ろこ様へ (九州より)
2016-11-09 09:23:01
おはようございます。
東京へは仕事で何度も行きましたが、場所はどうしても偏ってしまいます。
仕事で少し時間に余裕ができると、あちこち行ったものです。
ご夫婦で世界を旅されたとは羨ましいですね。若い頃はそんな事も夢みたことがあります。
今回は久し振りに旅をしました。
返信する

コメントを投稿

日々の出来事」カテゴリの最新記事