田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

都会の喧騒を堪能するとは

2015年12月10日 | 話の小箱

 新聞の投書欄を読んで、思わず苦笑いをした。

 その方は私と同年輩で、会社を退職された方である。毎日、家にいると気が滅入る。そういう時は駅まで車を飛ばし、電車に乗って大都市の繁華街に行くそうである。人ごみの中をあてもなく歩いていると、気持ちがシャキッとする。そうして都会の喧騒を堪能し、帰宅するということである。

 そうだよなと声を掛けたい。退職して仕事の軛から解放された嬉しさもそこそこに、趣味でもなければ今度は無聊をかこつ毎日がある。自営業の方は体が許す限り仕事ができるが、サラリーマンは何時かは身を退かなければならない。

 現役の頃は時々東京へ出張した。東京にいる時は雑踏の中を歩いたり地下鉄での移動など、どこかしら緊張している。福岡空港に帰り着いた時は、ほっとして気持ちが落ちついたものである。我が町へ戻ると更に神経が緩む。田舎はいいなと思う時である。

 ただ神経が緩みっぱなしでは、精神衛生上よろしくない。下手をすると早くに呆けの症状が出て来かねない。今度は都会が恋しくなる。

 若い時分、職場の先輩と老人ホームの話になったことがある。私が田舎の自然豊かな所が良いと言うと、先輩は呆けないためには町の真ん中に作った方が良いと言う。確かに町中の方が賑やかで刺激が多い。

 ある西洋の歴史家は、遊びは人間の本質であると言った。生きがいなどという高尚な観念も、根はそういう所にあるのかも知れない

 

   石橋文化センターのバラ

 

  

 

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2 コメント

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こんばんは (tango)
2015-12-10 19:18:06
私の弟も某金融の役員をしていました
63歳くらいに完全にリタイアして今はまったく
仕事をしていません。
(暇じゃない?)という私ですが毎朝歩いているとか
言っておりました。仕事の鬼から解放されて
自由奔放に日ごろ出来なかった、したいこと…
携帯電話の矛盾している仕組み・パソコンのこと
ゴルフ・こんなことを調べているの??と思うくらい
仕事と無関係だったことに挑戦しているようです
以前が固すぎる仕事で企業戦士はもう嫌だと
言っていました。音楽もよく聞いているようです
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こんばんは (九州より)
2015-12-10 19:44:22
tangoさんは現役で忙しい毎日を過ごしてありますね。
私の周りでは、地域のお世話をしている人が多いです。
私も好奇心にまかせて調べ物をしたりしています。
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