福岡県立美術館で「没後40年 髙島野十郎展」が開催されているので出掛けました。
県立美術館です。中学か高校の時にここで「ツタンカーメン展」があり、来たことがあります。ピラミッドの発掘物語などを読んでいた時期でもあり、教科書にも出ていたので大いに関心がありました。確か実物が展示されていたと思います。当時は美術館ではなく文化会館といっていました。
髙島野十郎は明治23年、久留米市の酒造家に生まれました。長兄が青木繁と友人であり、野十郎は旧制中学の時から画家志望でしたが、親の反対で東京帝国大学農学部に進学します。水産学科を首席で卒業しますが、親の思いとは異なり画家への道を歩みます。
野十郎は孤高の画家ともいわれ、既存の画壇に背を向けて独学で絵を学びます。ポストカードから何点か紹介します。
「りんごを手にした自画像」
私が彼の絵を最初に見たのは、30年ほど前地元のデパートで里帰り展があった時です。彼は蝋燭の画家といわれるほど蝋燭を主題にした絵を多く描いています。その時の印象は、何だか辛気臭いなというものでした。
それから何度か鑑賞する機会がありましたが、だんだん彼の絵に惹かれていきました。彼の絵は写実画ですがデフォルメされており、見ていると力を感じます。また細密画のようでもあります。
「洋梨とブドウ」
「御苑の春」
「境内の桜」
「蝋燭」
今回の展覧会では20点の蝋燭の絵が展示されています。蝋燭の絵は展覧会には出品せず、友人等に贈ったそうです。
彼の絵は暗い色調のものが多く、空や雪でさえ茶色っぽく描かれています。色彩の明快なコントラストはありません。ただ私は好きな画家の一人ですね。個人的には太陽や月の連作が気に入っています。
今回の展覧会には150点が出品されています。福岡では1月31日まで開催。その後、東京目黒と足利市で開催されます。
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