キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

『回転木馬のデッド・ヒート』 村上春樹

2022-05-23 13:53:58 | 
これは小説ではない、 と作者は前書きで述べている。 すべて友人等の語った事実を 原稿用紙に書き写したもので、 フィクションは混じっていないと。。。 でも、読者にしてみれば 事実かフィクションかはさしたる問題ではない。 僕にとっては、 いつもの春樹節が聴ける 優れた短編小説集だった。 楽しませてもらいましたお。。 . . . 本文を読む
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『ガラスの動物園』 T・ウィリアムズ

2022-05-19 16:31:54 | 
新潮文庫のこの版は上演用のテキストだそうで、 やたらとト書きがうるさかった。 役者の立ち位置や照明や効果音楽まで 詳しく書いてありいささかうんざりしたが、 戯曲そのものはとても良かった。 こころがほんわかとなりました。 母:アマンダ、姉:ローラ、弟:トムの3人暮らし。 父親は16年前に蒸発したっきり。 アマンダが雑誌のセールス、トムが倉庫で働いているが、 一家の家 . . . 本文を読む
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『かわいい女・犬を連れた奥さん』 チェーホフ

2022-05-15 12:15:16 | 
チェーホフ晩年の中・短編7編を収めたもの。 いずれも素晴らしい作品だった。 「中二階のある家」 T県のある田舎の村で 貴族の屋敷に居候している 風景画家の主人公は、 近くに住むリーダとミシュスの美人姉妹と知り合う。 姉リーダとは意見が合わず嫌われた主人公だったが、 妹ミシュスとは気持ちが通じ ほのかな恋心を抱くが、 ある日突然ミシュスは 外国へと旅立ってしまう。 チェー . . . 本文を読む
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『村上T』 村上春樹

2022-05-12 20:44:44 | 
村上春樹のTシャツコレクションのごく一部の 写真とそれにまつわるエッセイ。 まあ、毒にも薬にもならない本。 これで1,800円は高いと思うが、 写真集としてみれば仕方ないのか、、、。 Tシャツのデザインを見ているのは楽しいし、 それぞれの写真も アスファルトの上に拡げて撮ったり、 本棚の前に掛けて撮ったりして 工夫を凝らしていて 目を楽しませてくれる。 エッセイの . . . 本文を読む
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『ノルウェイの森』 村上春樹

2022-05-07 13:06:38 | 
僕の心の奥底に響いた。 まったく優れた小説。 人物描写も情景描写もストーリーも 全てが完璧だ。 読めば読むほど村上春樹は素晴らしい。 大ベストセラーになったのも道理だ。 実は若い頃、この小説を読んだときには 少しもいいと思わなかった。 今にして思えば 僕の感性が未発達だったのだ。 奥手なのもたいがいだなあ。 63才になってようやく人並みになれたと感じている。 . . . 本文を読む
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『恋するハンバーグ』 山口恵以子

2022-04-26 19:24:04 | 
楽しませてもらった。 これは前作①『食堂のおばちゃん』の主人公: 二三(ふみ)の姑:一子の若い頃を綴った物語である。 東京オリンピック、ウルトラマン、 ミニスカート、大阪万博などが 背景として物語を彩り、 同時代を生きたQPは共感しきりだった。 登場人物も魅力的で ネタバレは控えるがストーリー展開も面白く 一気に読み終えてしまった。 素敵な小説と出会えて本当に良かった。 . . . 本文を読む
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『食堂のおばちゃん』 山口恵以子

2022-04-14 15:27:05 | 
東京の佃島で義母と食堂を営む一二三。 (は?なにそれ?) 「一」と書いて「にのまえ」と読む。 にのまえふみというヘンな名前のおばちゃんが主人公。 個性豊かな食堂の常連客や家族と織りなす 下町人情溢れる物語プラス美味しい料理が描かれています。 山口恵以子さんの飾らない文章がいいです。 楽しませてもらいました。 作家になる前は社員食堂のおばちゃんをしていたという山口さん。 . . . 本文を読む
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『国境の南、太陽の西』 村上春樹

2022-04-03 10:52:54 | 
妻と二人の娘と幸せに暮らしていた始(ハジメ)。 経営しているジャズバーにある日初恋の人が現れる。 煩悩について考えさせられたな。 主人公は恋を成就するために 家庭も仕事もすべて捨ててしまっていい と思うんだよ。 僕はそんな恋とは無縁だった。 でも、性欲には随分と悩まされた。 あんなものないほうがよっぽどよかった、、、 ゲスな僕にとって、恋とは 性欲の先にあるものだっ . . . 本文を読む
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『はじめてのブルーノート』 小川隆夫

2022-03-30 20:33:59 | 
またまた素晴らしい本と出合った。 名門ジャズレーベル:ブルーノート設立の裏話、 創業者精神、数多くの名盤の紹介、参加ミュージシャンの紹介、 ブルーノートが作ったジャズの歴史、 経営の危機、甦った現在のブルーノート などが100話のコラムによってわかりやすく書かれている。 なかでも特に ジャズを深く愛し、 ミュージシャンとファンのためだけに 一切の妥協を排除して 最先端のジ . . . 本文を読む
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『ブルーノート決定盤100』 宝島JAZZ BOOK

2022-03-12 13:39:40 | 
ジャズレーベル:ブルーノートの名盤100枚の解説書。 いい本とめぐりあえた。 執筆者が多いのにもかかわらず ハズレがなく、 いずれも親しみやすい文章で、 おまけにジャズ愛、ブルーノート愛に溢れていて、 これも聴いてみたい、あれも聴いてみたい という気持ちにさせられた。 ジャズファン必携の書である。 . . . 本文を読む
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『ねじまき鳥クロニクル』第3部 村上春樹

2021-11-28 11:40:23 | 
僕の通っていた高校は浄土真宗の学校だった。 週に一時間、現国や化学といっしょに仏教の授業があった。 1年生のときに宗教全般について、 2年生のときには仏教について、 3年生では浄土真宗の教えについて学んだ。 まだ純粋だった僕はとても影響され、 それがその後の人生を左右した。 キリスト教では「汝の敵を愛せよ」という。 浄土真宗でも「恩讐を越えて」という。 僕は社会人になって数年 . . . 本文を読む
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『面白いほどわかる!クラシック入門』 松本大輔

2021-09-28 15:55:05 | 
著者の松本大輔という人はアリアCDの店主で、 クラシック関係の本を数冊書いている人だ。 本書はその大輔さんの中学一年生からの クラシック体験を面白おかしく綴りながら、 クラシック音楽全体を俯瞰し、 有名な曲はどんな感じの曲か解説までしている、 わずか1か月前からにわかクラシックファンになった僕には まったくうってつけの入門書だった。 ほんとにいい本と巡り会えたと 神に感謝する . . . 本文を読む
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『ベートーヴェンの生涯』 青木やよひ

2021-09-22 20:29:38 | 
ベートーヴェンの最晩年の数か月、 シントラーという人物が秘書を務めた。 このシントラーが実に奸智に長けた人物で、 ベートーヴェンの死後、 すべて自分の都合のいいように脚色して ベートーヴェンの伝記を書き上げ出版してしまった。 その後、あまたの伝記が出版されたが その多くがシントラーの書いた伝記に影響されていたため、 「気難しい変人」という偏ったイメージが ベートーヴェンに付与 . . . 本文を読む
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『ねじまき鳥クロニクル』第2部 村上春樹

2021-08-29 13:18:13 | 
第1部で仕掛けられた装置が 第2部で動き出した。 奥さんが失踪し、 「僕」は井戸の底に降り立った。 暗闇と静寂の中で 空腹と喉の渇きに苦しみ、 体は軋み始める。 異常な状況の中で空間に溶けていく意識。 なんで? なんで村上春樹は主人公にそんなことさせるの? 読んでる側もつらかった。 苦悶にあえいだ。 それが加納クレタによる救出で物語が明るくなった。 彼女だっていい女じゃな . . . 本文を読む
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『ねじまき鳥クロニクル』第1部 村上春樹

2021-08-08 20:38:49 | 
長い小説なので第1部:泥棒かささぎ編を読み終えた時点で 一度記事をアップしておこうと思う。 力の入った長編小説だ。 村上春樹が自分の持てる力のすべてを 注ぎ込んで書いたといった印象だ。 前半はいつもの春樹ワールド。 失業中の主人公「僕」30才。 むずかしい奥さん。 奇妙な登場人物たち。 物語のアクセサリーとしての料理と音楽。 「僕」はのんびりと失業ライフを送っている。 そ . . . 本文を読む
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