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翌日の職員会議で、良子は自分の心情をみんなの前でぶちまけた。
自分は巻き込まれている。
スーパーヴァイズされる必要がある。
今の自己不一致な自分では、他人の心のケアにあたれない。
プロとして客観的にそう判断したからだ。
一ヶ月前に周君から告白されたこと。
自分の中で周君に対する愛情が芽生えたこと。
周君と優子が付き合い始めたこと。
それに対して心の動揺を抑えることが出来ないこと。 . . . 本文を読む
良子と周君の間に何の進展も無いまま、日々が過ぎていった。
良子は周君を充分意識していた。
でも、周君からは何のお誘いも無い。
それもそうだ、良子は自分の携帯の番号もメールアドレスも教えていなかった。
それは、規則なのだ。
職員が当事者のかかえる問題に巻き込まれないための、必要不可欠な規則だ。
それを守らなかったら、職を辞さねばならない。
良子は最近、変わったとよく言われる。
実際 . . . 本文を読む
「あ、僕、料理の出来ない女はパスです。」
周君は間発を容れずに答えた。
ええっ?周君はそんなところに女の子を評価する基準を設けていたの?
そういえば、こないだの調理実習のとき優子は
「玉ねぎの皮の剥きかたを教えてください。」
と、職員に聞いていた。
はたして周君は本心から言っているのだろうか?
「料理くらい教えてあげればいいじゃない。」
「そんなことより、僕、良子さんのことが好きで . . . 本文を読む