キューピーヘアーのたらたら日記

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ドンファン (その2)

2008-06-10 18:09:52 | 私が作者です
また一人、今日も施設の見学者が病院のケースワーカーさんに連れられてやって来た。

20才代の女の子、上玉だ。(おっと、失言)

萌え系でおっとりした可愛い子。

CGの世界から抜け出してきたかのような整った顔立ちと見事なプロポーション。

名前を山口優子という。

所長が外出していたので良子が面接にあたった。

「ここは何をしていても自由なのよ。

 眠たかったらお昼寝しててもいいの。

 スポーツの日とか、絵画・書道の日とかあるんだけど、

 活動内容はメンバーさんがミーティングをして自分たちで決めてるの。

 春は花見に行ったり、夏は海水浴、秋は芋掘りに小旅行。

 去年はUSJに行ったのよ。

 とにかく、いつもみんなでワイワイやってるの。

 よかったら、今日から参加しない?」

今日からと聞いて優子は少しひるんだ様子だった。

「だいじょうぶよ。ケースワーカーさんも付いていることだし、

 みんな2階にいるわ。今日はフリーの日だから…。」

良子は立ち上がって優子を手で招いた。

2階の集会室の扉を開けると、カラオケが2名、麻雀が3名(?)

パソコンが1名、コミックを読んでるのが1名、昼寝が2名という状況だった。

「みなさん、山口優子さんです。今日からスマイルのメンバーさんです。」

よどんでいた空気が一変した。

ダメ男どもが色めきたった。

いっせいに

「僕、渡辺です!よろしく!」

「僕、中田です!」

「趣味は何ですか?」

「好きなミュージシャンは誰ですか?」

「彼氏いますか?」

と、うるさい。

「私、森下と申します。」

と森下智恵美も挨拶してくれた。

智恵美ちゃんはみんなをまとめるのが上手だ。

この子を味方につけておけば心配は無い。

ただ一人の例外を除いては…。

「あの赤いシャツを着てるのがピアノが上手な○○さんです。

 その左にいるのがXXさんです。野球チームのエースです。」

智恵美ちゃんの他己紹介は続く。

「その隣にいる黒いズボンの人が周君です。

 キャベツの千切りが得意です。」

みんなが笑った。周君は照れて頭をかいている。

「あの人には注意するのよ。」

良子は声を押し殺して優子にそう言った。

「カラオケしよっか?」

良子が誘うと、優子は「あ、はい。」

と小さく頷いた。

「これがリモコンで、この本が2008年の春号の本。

 あっちに向かってボタンを押すと予約できる。」

と智恵美ちゃんが世話をやいてくれる。

良子は他に用事があったので、優子とケースワーカーさんを残しその場を後にした。

あとはみんながよろしくやってくれる。


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2 コメント

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こちらにも・・・ (ミチ)
2008-06-11 09:37:03
まだまだ続くんですね?

「クワイエットルームへようこそ」をみているような気分になりました。
かなりリアルですよね~。
返信する
ミチさん♪ (キューピー)
2008-06-11 12:47:12
うれしいっ!
ありがとうございます。
読んでくださる方がいることは、なによりの励みです。
まだまだつづきますよぉー。
せっせとアップしていきます。
返信する

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