キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

OJ (その1)

2008-06-20 18:24:22 | 私が作者です
キューピーは、精神障害者地域活動支援センター「スマイル」を舞台に

繰り広げられる人間模様を描いた短編小説の連作を、2008年6月から

2009年1月にわたって自分のブログ「キューピーのたらたら日記」に連載した。

そしてなんと運のいいことか、それが映画関係者の目に留まり、

マイナーだが実績のある映画制作会社で映画化の運びとなった。

F市に住むキューピーの元に映画会社の社員が訪れ、

30万円の原作料でどうか、と打診してきた。

いくら何でも30万円は安すぎるんじゃないですか~?

せめて100万はいただかないと、とキューピーは言ったが、

精神障害者であることや、福祉工場で月給4万円に甘んじていること等を

ブログで公表していたため足元を見られた。

「フツー、原作料はこんなもんですよ。」

と、担当者は白々と嘘をつき通した。

まあ、1円もくれないよりはマシだ。

それに自分の作品が映画化されるのはうれしい。

気の弱いキューピーは30万円で折れてハンコを押してしまった。

ただし、主役にオカザキジローを起用することを条件に入れた。


担当者は意外にも、すでにキャストの候補の中に

オカザキジローが含まれていることをほのめかした。


オカザキジローと言ったら日本映画界を代表する若手俳優であり、

最近は韓国映画やブラジル映画にも主演している。

日本アカデミー主演男優賞だって受賞している。

自分の作品の主人公をオカザキジローが演じてくれる、

それだけで小躍りしたいくらいで、実際部屋の中をぴょんぴょん飛び跳ねた。


映画化はキューピーの知らないところで着々と進んでいった。

タイトルは『スマイル通信』に決まった。

キューピーの懐にも30万円が入ってきた。

そして、キューピーが気が付いたころには、もう撮影が始まっていたのだ。

なんで気が付いたか?というと、

キューピーが世話になってる障害者施設Aの職員が教えてくれたのだ。


これはいかん、とキューピーは急いで映画会社に電話した。

原作者として一度撮影風景を見ておきたい、と言った。

「いいですよ。」

電話口に出た例の担当者は簡単に応じてくれた。

担当者が言うには、なんとF市の障害者施設Aで日曜日にロケをやる、と言うのだ。

コケにされた。

施設職員にまで緘口令をしきキューピーをのけもんにしていたとは…。

でもそこは気の小さいキューピーである。

自分の不満は表に出さず、

「行きます、行きます。ぜひ、オカザキジローに会わせてください。」

と懇願した。

担当者は笑いながら、

「オカザキさんサイドにも伝えて、スケジュールを調整しておきますよ。」

と言ってくれた。

キューピーは「女性を一人連れて行きたいんですが。」

と尋ねてみた。

担当者はそれにも「いいですよ。」と気安く答えてくれた。


キューピーは一計を案じていたのだ。

『マチの映画日記』のマチさんをオカザキジローに会わせてやろう。

マチさんはオカザキジローの大大大大大ファンとして

映画ブログの世界ではチョー有名なのだ。

マチさん、オカザキジローに会えると知ったら、どんなに喜ぶだろう。

キューピーもそれを考えると、胸がワクワクした。

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