スサノヲは自分の勝ちを知ると「清明」どころの話ではありません。それこそ幼稚園の園児でもしないような、誠に、無邪気と云おうか悪たれ坊主のごとき無道な行いをします。田圃の畔を壊したと思うと、何かまだ,自己満足がいかないのかもしれません。次に、これも子供でなくてはしないような幼稚な悪たれを行います。悪逆な行為とは異なります。それが
“其於聞看大嘗之殿屎麻理散<ソノオホニヘ キコシメストノニ クソマリ チラシ>”
「聞看<キコシメス>」とは「お食べになる」という意味です。「大嘗<オホニヘ>」とは新しくその年に出来た米を炊いて初めて天皇がお食べになるお祭りです。それを整えるために造られた場所に、あろうことか、スサノヲは「屎<クソ>」や「麻理<マリ>」(小便)をしてまわったと言うのです。
何と幼稚な悪たれでしょうかね。物を壊し暴力行為に及ぶでも無しの、それが精一杯のスサノヲができる姉に対する誠に可愛らしいとすら言えるような理由なき反抗だったのです。スサノヲが、最初に、この高天原に来た時の姉アアテラスの物々しい警戒をして出迎えたことに対する弟らしい無言の精一杯の行為でもあったのだと思います。だからこそ、そのような弟の行為に対して姉のアマテラスは、何も
“登賀米受<トガメヅ>”
という大様な態度がとれたのだと思います。さ