弟「スサノヲ」を愛しいと思い、その狼藉に対して寛容な態度でその行為を
“登賀米受<トガメズ>”
していたのですが、スサノヲは
“詔雖直<ノリ ナホシ タマヘドモ>”
「姉の心、弟知らず」で、
“猶其悪態不止而転<ナホ ソノパシキワザ ヤマズテ ウタテアリ>”
「転<ウタテ>」とは、今、行われていることが、愈々益々、激しくなることを意味します。
この「転<ウタテ>という言葉に付いて、宣長は古今集の
“あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひはなれぬ ほだしなりけれ”
”散るとみて あるべきものを 梅の花 うたてにおいの 袖にとまれる”
などの「うたて」と同じ意味だと言っております。