天児屋命や五伴緒<イツトモノヲ>達を連れて天降った「邇邇藝命」かと思ったのですが、アマテラスはやはり女性の神様です。孫が葦原中国でも安心して統治ができるようにと、更に、配慮して、次のような物も持たしたのです。それを古事記では
“於是副賜其遠岐斯八尺勾璁鏡及草那藝剣・・・”
と書いております。
これを宣長は<ココニ カノ オキシ ヤサカノマガタマ、ガガミ マタ クサナギノツルギ ヲ ソエテ>と読んでおります。「カノ」は「其」で、「遠斯」は<オキ>で「招禱(おき)」、だから、「ものを招き寄せる」という意味があり、例のアマテラスが天岩戸にお隠れになった時、その戸外へ誘う時に使った「八尺勾璁・鏡・草那藝剣」も一緒に副えて持って行かせたのです。なお。「斯<シ>」ですが、これは「過ぎ往し事を云う時の辞」だと・・・