「あち~。」サトミは、コンビニの前で地べたに座り込んだ。茶色の長い髪がパーマでボサボサしていた。遠くから見たら、サイババの様な感じだった。
今日は登校日という事で早く帰れたので、コンビニでお気に入りの雑誌を立ち読みして、アイスクリームを買った。チェックの制服のミニスカートからはピンクのパンツがチラチラと見えていた。
サトミはお構いなしに買ったばかりのアイスを袋から取り出すとペロペロと舐めだした。
「なんか楽しい事ねぇかな。」アイスを左手にもちかえ、右ポケットから携帯電話を無造作に取り出すとアミに電話をした。アミとは、高校で同じクラスで、何かあるとすぐにでも遊ぶ一番の仲良しだ。電話をする時、無数にあるストラップが目立っていた。プッシュホンが五回なって出た。
「アミ暇?今コンビニの前にいるんだけどさ。チョット出てこれね?暇すぎでさ。」
「別にいいけど。外暑くね?」適当な言葉を並べた後、ガチャと電話が切れた。 電話が切れるとアイスの続きを更にペロペロと舐めた。
照りつける太陽の光を眺めているとおでこからジワッと汗が流れ出してきた。入道雲のモクモク感が嫌になって、蝉の鳴き声もウンザリだった。
蝉も一生懸命夏だけの命と知って鳴いているのかもしれない。
一時待っていると、アミがダルそうに歩いて来た。私よりも体の線が細いアミは制服が似合っていて、ルーズソックスを綺麗に履きこなしていた。
「待った?やっぱ外超暑いよね。」アミは、私の隣に同じように座った。
「超あち~。今からなにすっか。」
「そうだね。いい男探しにいく?」
「それいいね。行くべ。」二人でガッツポーズをした後、男がいそうな公園へと行くことにした。近くのナンパスポットで有名な公園へと着いた。
私たちがブランコに乗っていると、早速二人のオヤジが声をかけてきた。
「君達何してるの?今から暇?」頭がハゲたオヤジが聞いて来た。ヨレヨレのスーツを着て、ネクタイも曲がっていた。どこかのサラリーマンなのだろうか。
「見ての通り超ひま。」
「どこか遊びに行かないかな?」一緒にいたもう一人の背が小さいオヤジが聞いた。
「別にいいけど。金持ってねぇ。」
「そりゃおじさん達が出すからさ。」
「それっていい感じじゃね。それじゃ~カラオケにでも行くべ。」公園を4人で出て、カラオケ屋に行くことになった。
カラオケ屋の中は、クーラーがガンガン寒いくらいにきいていて、二人でホッとタメ息が漏れた。
ボックスに入り、アミが勢いよくソファに座ると白いパンツがスカートから覗いていた。オヤジ達は、唾を飲み込み陰気な横目で見ていた。
私はアミにパンツ見えているよと小声で言ってスカートを直させた。
「ヤッホー。それじゃ~なに歌おうかな。」アミが、カラオケの分厚い本を捲ってお気に入りの歌手を探した。
オヤジ達は、適当にジュースやビールを注文していた。
最初は、アミが浜崎アユミの歌を熱唱した。おじさん達は首をかしげて聞いていた。私も合わせる様にノリノリで口ずさんでいた。
ハゲたオヤジが私にいきなりジュースをすすめた。少し飲むとショッパイ味がした。可笑しいなと思ったら、酒が少し入っているみたいだった。
高校生に飲ませちゃまずいだろうと思ったが、クーラーのある部屋で、歌も歌えるしいいかなと思った。
次は、背が小さいオヤジがスマップを歌っていた。見かけとは違って結構うまかった。それから私たちは盛り上がって3時間くらいカラオケ屋にいた。
終わりに近づくにつれて、酒の酔いで段々と部屋が揺れて見えた。
アミを呼ぼうとするとロレツがよくまわらなかった。
アミをよく見たら目の前でハゲたオヤジと濃厚なキスをしていた。
どうしてあんな変なオヤジとキスをしているのだろうと考えたが、うまく伝わらない。自分の体を起こそうとすると、フラッとソファに倒れた。
体が重力がかかっているみたいに重かった。
私は、隣にいる背が小さいオヤジからキスを攻められた。
「ちょっとやめてよ。」私は、力を振り絞ってオヤジを突き飛ばした。
オヤジは急に怒った様な口調で「お金やるからいいだろ。」と言った。
私はその一言で目が覚めた。冗談じゃない。金とこれとは別のものだ。
「おっさんみたいなチビでデブの奴としたくねぇよ。」大声で叫んでアミの手を引っ張り出し、急いでカラオケ屋の外に出た。
外はすでに暗かった。蝉の声も聞こえず、変わりにジジジィという変な鳥の声が聞こえていた。三日月がボンヤリと出ていた。
「本当超ムカつく。」さっきのオヤジの変な顔を想像しただけでも、鳥肌が立った。
「アミ。しっかりしろよ。」抱き起こすがうまく立てない様子だった。ダランとして、細い腕が私の肩に巻きついていた。
「う、気持ちわる。」アミが近くの溝でゲロを吐いた。
「きたね~。酒飲みすぎ。」今回は相手が悪かった。せめてギャル男にするべきだった。
いくらなんでも中年オヤジに体を売るわけにはいかない。しかもハゲとチビのオヤジに考えただけでもぞっとした。
だけど、少し惜しいことをしたと思った自分もいた。お金があればシャネルのバッグが買えるし、部屋のクーラーの設置も出来るだろう。
相場はいくらなのだろう。検討もつかなかった。
お金と体。どっちが重いものなんだろう。学校の先生は、体が大事だと答えるに違いない。
しかし、お金があれば何でも買える。
無い頭でいくら考えても答えなど出るハズもなかった。
私も気持ち悪くなって、さっき飲んだもの全部吐き出した。こんなに気持ち悪い思いをするんだったら、カラオケなんかついていくんじゃなかった。
それにしても、嫌なオヤジ達だった。
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今日は登校日という事で早く帰れたので、コンビニでお気に入りの雑誌を立ち読みして、アイスクリームを買った。チェックの制服のミニスカートからはピンクのパンツがチラチラと見えていた。
サトミはお構いなしに買ったばかりのアイスを袋から取り出すとペロペロと舐めだした。
「なんか楽しい事ねぇかな。」アイスを左手にもちかえ、右ポケットから携帯電話を無造作に取り出すとアミに電話をした。アミとは、高校で同じクラスで、何かあるとすぐにでも遊ぶ一番の仲良しだ。電話をする時、無数にあるストラップが目立っていた。プッシュホンが五回なって出た。
「アミ暇?今コンビニの前にいるんだけどさ。チョット出てこれね?暇すぎでさ。」
「別にいいけど。外暑くね?」適当な言葉を並べた後、ガチャと電話が切れた。 電話が切れるとアイスの続きを更にペロペロと舐めた。
照りつける太陽の光を眺めているとおでこからジワッと汗が流れ出してきた。入道雲のモクモク感が嫌になって、蝉の鳴き声もウンザリだった。
蝉も一生懸命夏だけの命と知って鳴いているのかもしれない。
一時待っていると、アミがダルそうに歩いて来た。私よりも体の線が細いアミは制服が似合っていて、ルーズソックスを綺麗に履きこなしていた。
「待った?やっぱ外超暑いよね。」アミは、私の隣に同じように座った。
「超あち~。今からなにすっか。」
「そうだね。いい男探しにいく?」
「それいいね。行くべ。」二人でガッツポーズをした後、男がいそうな公園へと行くことにした。近くのナンパスポットで有名な公園へと着いた。
私たちがブランコに乗っていると、早速二人のオヤジが声をかけてきた。
「君達何してるの?今から暇?」頭がハゲたオヤジが聞いて来た。ヨレヨレのスーツを着て、ネクタイも曲がっていた。どこかのサラリーマンなのだろうか。
「見ての通り超ひま。」
「どこか遊びに行かないかな?」一緒にいたもう一人の背が小さいオヤジが聞いた。
「別にいいけど。金持ってねぇ。」
「そりゃおじさん達が出すからさ。」
「それっていい感じじゃね。それじゃ~カラオケにでも行くべ。」公園を4人で出て、カラオケ屋に行くことになった。
カラオケ屋の中は、クーラーがガンガン寒いくらいにきいていて、二人でホッとタメ息が漏れた。
ボックスに入り、アミが勢いよくソファに座ると白いパンツがスカートから覗いていた。オヤジ達は、唾を飲み込み陰気な横目で見ていた。
私はアミにパンツ見えているよと小声で言ってスカートを直させた。
「ヤッホー。それじゃ~なに歌おうかな。」アミが、カラオケの分厚い本を捲ってお気に入りの歌手を探した。
オヤジ達は、適当にジュースやビールを注文していた。
最初は、アミが浜崎アユミの歌を熱唱した。おじさん達は首をかしげて聞いていた。私も合わせる様にノリノリで口ずさんでいた。
ハゲたオヤジが私にいきなりジュースをすすめた。少し飲むとショッパイ味がした。可笑しいなと思ったら、酒が少し入っているみたいだった。
高校生に飲ませちゃまずいだろうと思ったが、クーラーのある部屋で、歌も歌えるしいいかなと思った。
次は、背が小さいオヤジがスマップを歌っていた。見かけとは違って結構うまかった。それから私たちは盛り上がって3時間くらいカラオケ屋にいた。
終わりに近づくにつれて、酒の酔いで段々と部屋が揺れて見えた。
アミを呼ぼうとするとロレツがよくまわらなかった。
アミをよく見たら目の前でハゲたオヤジと濃厚なキスをしていた。
どうしてあんな変なオヤジとキスをしているのだろうと考えたが、うまく伝わらない。自分の体を起こそうとすると、フラッとソファに倒れた。
体が重力がかかっているみたいに重かった。
私は、隣にいる背が小さいオヤジからキスを攻められた。
「ちょっとやめてよ。」私は、力を振り絞ってオヤジを突き飛ばした。
オヤジは急に怒った様な口調で「お金やるからいいだろ。」と言った。
私はその一言で目が覚めた。冗談じゃない。金とこれとは別のものだ。
「おっさんみたいなチビでデブの奴としたくねぇよ。」大声で叫んでアミの手を引っ張り出し、急いでカラオケ屋の外に出た。
外はすでに暗かった。蝉の声も聞こえず、変わりにジジジィという変な鳥の声が聞こえていた。三日月がボンヤリと出ていた。
「本当超ムカつく。」さっきのオヤジの変な顔を想像しただけでも、鳥肌が立った。
「アミ。しっかりしろよ。」抱き起こすがうまく立てない様子だった。ダランとして、細い腕が私の肩に巻きついていた。
「う、気持ちわる。」アミが近くの溝でゲロを吐いた。
「きたね~。酒飲みすぎ。」今回は相手が悪かった。せめてギャル男にするべきだった。
いくらなんでも中年オヤジに体を売るわけにはいかない。しかもハゲとチビのオヤジに考えただけでもぞっとした。
だけど、少し惜しいことをしたと思った自分もいた。お金があればシャネルのバッグが買えるし、部屋のクーラーの設置も出来るだろう。
相場はいくらなのだろう。検討もつかなかった。
お金と体。どっちが重いものなんだろう。学校の先生は、体が大事だと答えるに違いない。
しかし、お金があれば何でも買える。
無い頭でいくら考えても答えなど出るハズもなかった。
私も気持ち悪くなって、さっき飲んだもの全部吐き出した。こんなに気持ち悪い思いをするんだったら、カラオケなんかついていくんじゃなかった。
それにしても、嫌なオヤジ達だった。
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