ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

布袋

2019-06-16 20:30:09 | アート
 布袋だって遊びをせんとや毬を蹴る

光琳の燕子花絵図が好きかと言えば今のところ何も感じないというのが正直な感想。我が菜園のアヤメの群生とよく似てるなぐらいにしか思わない。本物を観るとどうなんだろう。自分の鑑賞力や感性が不足な時は何年か期間をおいてみるといいと思う。

光琳の絵で好きなのは「蹴鞠布袋図」。最初目にした時、布袋さんが月明かりの冴えた夜、袋を風船にして玉乗りしお月様をおちょくってるのかと思いました。それにしてはお月様の形が胡桃みたいでおかしいなと。違いました。地上に袋ほっぽり投げて蹴鞠して遊んでる絵なんです。それにしても布袋さんも袋も軽々として重力感じさせません。布袋袋の丸い形に太鼓腹+お月様の楕円形、大中小3つの丸が縦に並び、「せーのワンツースリー」と毬を蹴上げてるような躍動感があります。よく見ると布袋様、目をひんむき鼻の穴を見せ歯をむきだし笑ってるんですよ。そんなに何が楽しいの布袋さん?

光琳40才の絵です。放蕩で借金まみれになった光琳は屋敷を売り払い町娘と結婚し、この年、人生のリセットに奮起したのか生活費のため画業に精を出し始めます。住み慣れた家屋敷を売り払うって断捨離の最たるものですよね。でもなぜか捨て切るとさっぱり晴れやかな気分がするのは断捨離した方ならわかります。

いまだに断捨離続いてる私はこの蹴鞠布袋図に、重荷を下ろしたような、「やれやれ晴れ晴れ、いい気分」ポーンと毬を蹴ってるように見えます。もちろん我田引水、絵画は一人で勝手解釈し楽しむ世界でもあります。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿