監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 パトリック・キャロル
ロブ・デヴァニー
イジー・ディアス
この日は朝から雷がゴロゴロと鳴り響くという悪天候・・・しかし今日はこんな天候でも行かないと見逃してしまう作品。
前売りを買ってるというのもあるけど、翌日から上映時間変更で見に行き辛くなるからだ。
そんなことで降りしきる雨の中久々の梅田へ・・・目指す劇場はこれまた久しぶりであるテアトル梅田。
「リダクテッド 真実の価値」というイラク戦争をテーマにした作品で早朝から見るような映画ではないけど・・・それも客層も中年男性をがほとんどでした。
(あらすじ)
戦場をビデオ撮影し、映画学校入学のアピール材料にするというもくろみから、イラクでの兵役に志願した19歳のサラサール(イジー・ディアス)。
検問所の任務に就いていたものの、大した映像が撮れないことに不満を感じていたサラサールは、ある夜、戦争遂行に役立つ証拠を捜索するという名目で、仲間とともに1軒の家に踏み込む。

ブライアンデバルマ監督の最新作はイラク戦争をテーマにしたドキュメンタリータッチの映画。
最近流行りのHDカメラによる兵士が撮ったビデオ映像がこの映画になるんですが一応はフィクションで、出てるのは全て役者が演じるフェイクドキュメント。
しかし実際にあった兵士によるイラク人少女レイプ事件をモデルにしてるストーリーはなかなかフィクションと言われても生々しいです。
この映画はいろんな視点からの映像が出てきます 一つは兵士が撮影するビデオ日誌。
ここでは兵士たちがカメラに向かって言いたいこと言ったり不平や不満などを愚痴ったりする、ありふれた若者の姿が映し出されます。
もう一つは基地の監視カメラの映像。
ここでは我々観客が覗き見してるかのような第三者的視点から彼らを見つめることになります
そしてもうひとつはドキュメンタリー番組の映像。
ここは普段の兵士たち戦場でありながら検問という退屈な仕事に明け暮れる風景が出てきます。

大きく分けてこの三つの視点が物語の中心ですが、それ以外にもTV電話、反米組織によるインターネット映像、ニュース映像・・・あらゆる映像でこの作品が構成され、いつものようなデ・パルママジックのようなカメラワークは出てきません
でもこの映画は全てフィクション・・・という意味ではすべてがデ・パルマ監督の視点でもあるのですが、ここでは直接のカメラで語らず、発達した様々な映像メディアを積み重ねることにより、フィクションでありながらも現実的にこのイラク戦争のさなか彼ら兵士たちがあのような行為に走ったか?というのを我々の前で見せることに成功しています。
「カジュアリティーズ」でもベトナム戦争での少女レイプ事件を扱ったデ・パルマ監督だが、今回の映画では無名の俳優を使うことでリアル感が出て、ある意味見ていて気分が重たくなります。
退屈そうにしてる兵士たちの日常を見てるとホント無駄な戦争なんだな~と思ってしまう・・・そういうフラストレーションと自爆テロに合いやすい検問所勤務という最前線とまた違った緊張感が彼らを狂気に駆り立てる。
事件を告発した兵士を取り調べする上官が出来るだけ事件をウヤムヤにするような方向に兵士を誘導していく場面はまさに隠蔽がどれほどこう言う戦争に行われてるのだろうか?と思ってしまった

リダクテッド=編集済みという意味らしいけど、この映画のエンドロールにイラクで犠牲になった民間人の死体写真が多数出てくるが、ある意味この場面こそ胸に迫るものがありますね。
そしてこの遺体の目や顔の部分が黒く塗りつぶされている・・・訴訟問題などを恐れた映画会社がデ・パルマ監督に強制してさせたらしいが、この映画もリダクテッドされているとパンフに書かれてたが、もしあの黒く塗りつぶさずスクリーンに写したら・・・この映画の中で語られるどの場面よりもインパクトがあるだろうし、それまでの映画が吹っ飛んだんではないでしょうかね~
★★★ 2008.12.5(金) テアトル梅田2 10:00 最後列橋
出演 パトリック・キャロル
ロブ・デヴァニー
イジー・ディアス
この日は朝から雷がゴロゴロと鳴り響くという悪天候・・・しかし今日はこんな天候でも行かないと見逃してしまう作品。
前売りを買ってるというのもあるけど、翌日から上映時間変更で見に行き辛くなるからだ。
そんなことで降りしきる雨の中久々の梅田へ・・・目指す劇場はこれまた久しぶりであるテアトル梅田。
「リダクテッド 真実の価値」というイラク戦争をテーマにした作品で早朝から見るような映画ではないけど・・・それも客層も中年男性をがほとんどでした。
(あらすじ)
戦場をビデオ撮影し、映画学校入学のアピール材料にするというもくろみから、イラクでの兵役に志願した19歳のサラサール(イジー・ディアス)。
検問所の任務に就いていたものの、大した映像が撮れないことに不満を感じていたサラサールは、ある夜、戦争遂行に役立つ証拠を捜索するという名目で、仲間とともに1軒の家に踏み込む。

ブライアンデバルマ監督の最新作はイラク戦争をテーマにしたドキュメンタリータッチの映画。
最近流行りのHDカメラによる兵士が撮ったビデオ映像がこの映画になるんですが一応はフィクションで、出てるのは全て役者が演じるフェイクドキュメント。
しかし実際にあった兵士によるイラク人少女レイプ事件をモデルにしてるストーリーはなかなかフィクションと言われても生々しいです。
この映画はいろんな視点からの映像が出てきます 一つは兵士が撮影するビデオ日誌。
ここでは兵士たちがカメラに向かって言いたいこと言ったり不平や不満などを愚痴ったりする、ありふれた若者の姿が映し出されます。
もう一つは基地の監視カメラの映像。
ここでは我々観客が覗き見してるかのような第三者的視点から彼らを見つめることになります
そしてもうひとつはドキュメンタリー番組の映像。
ここは普段の兵士たち戦場でありながら検問という退屈な仕事に明け暮れる風景が出てきます。

大きく分けてこの三つの視点が物語の中心ですが、それ以外にもTV電話、反米組織によるインターネット映像、ニュース映像・・・あらゆる映像でこの作品が構成され、いつものようなデ・パルママジックのようなカメラワークは出てきません
でもこの映画は全てフィクション・・・という意味ではすべてがデ・パルマ監督の視点でもあるのですが、ここでは直接のカメラで語らず、発達した様々な映像メディアを積み重ねることにより、フィクションでありながらも現実的にこのイラク戦争のさなか彼ら兵士たちがあのような行為に走ったか?というのを我々の前で見せることに成功しています。
「カジュアリティーズ」でもベトナム戦争での少女レイプ事件を扱ったデ・パルマ監督だが、今回の映画では無名の俳優を使うことでリアル感が出て、ある意味見ていて気分が重たくなります。
退屈そうにしてる兵士たちの日常を見てるとホント無駄な戦争なんだな~と思ってしまう・・・そういうフラストレーションと自爆テロに合いやすい検問所勤務という最前線とまた違った緊張感が彼らを狂気に駆り立てる。
事件を告発した兵士を取り調べする上官が出来るだけ事件をウヤムヤにするような方向に兵士を誘導していく場面はまさに隠蔽がどれほどこう言う戦争に行われてるのだろうか?と思ってしまった

リダクテッド=編集済みという意味らしいけど、この映画のエンドロールにイラクで犠牲になった民間人の死体写真が多数出てくるが、ある意味この場面こそ胸に迫るものがありますね。
そしてこの遺体の目や顔の部分が黒く塗りつぶされている・・・訴訟問題などを恐れた映画会社がデ・パルマ監督に強制してさせたらしいが、この映画もリダクテッドされているとパンフに書かれてたが、もしあの黒く塗りつぶさずスクリーンに写したら・・・この映画の中で語られるどの場面よりもインパクトがあるだろうし、それまでの映画が吹っ飛んだんではないでしょうかね~
★★★ 2008.12.5(金) テアトル梅田2 10:00 最後列橋