中古カメラ展に行ってきた。たまに百貨店で行われるものである。別に目的のカメラやレンズがあるわけではなく、ただ単に「ブラッ」と行くのであるが、それはそれとして、内心は淡い期待を抱いているものだ。
フロアの中に、全国からいくつかのカメラ店が出品している。店によりそれぞれ特徴があり、几帳面に並べているところもあれば、わりと雑然とした印象のところもある。ライカやハッセルブラッドなど、名だたる超有名・超高級(超高価でもあるが)が所狭しと並んでいるガラスケースもあるが、私の興味は名前も聞いたことがないようなヨーロッパのマイナーなメーカーや、または日本のメーカーの古いカメラなど、とくに二眼レフや中判カメラの出物がないか、もしくはハーフサイズのオリンパスペンFシリーズなどに見入っていた。
今でこそデジタル一色になってしまったが、幼少の頃、最初に家族のカメラとして手にしたのは、間違いなくハーフサイズのコンパクトカメラであり、郷愁を誘う。
ハーフサイズカメラといえば、オリンパスが有名なので、自然にオリンパスの一眼レフである、OMシリーズも陳列されていた。かつて1970年代初頭、ニコンなど大型の一眼レフが主流だった時代に、オリンパスの米谷(マイタニ)氏が主導となって設計・開発された、あまりにも有名なシステム一眼レフだ。
当時は今と違い、なかなかカメラの実機を触る機械がなく、中学校の帰り道に毎日のように通った街のカメラ店のすすはらいのときに、気前のよい店主がカメラを触らせてくれた感触を今でもしっかり覚えている。
店主はニコン派だったので、そのヘリコイドや巻き上げの感触を雄弁に語ってくれていたし、事実そのとおりだったのだが、私はオリンパスの、いかにも精密機械然とした操作感にも憧れを感じていた。
結局、オリンパスの一眼レフとはその後の人生でも縁がなく、近くにユーザーもいなかったので、触れる機会はなく、私とオリンパス製デジタル一眼との接点は、デジタルのEシステムの出現を待たねばならなかった(約30年後の話しである)。
OMシステムのズイコーレンズの開発が1970年初頭として、販売終了の2003年まで、約30年間売られ続けたわけで、いまにして思えば、憧れの的だったOM-1、OM-2の直系であるところのOM-3Tiなどは、1993年に売り出されていたのだから、ぜひとも購入しておくべきだったのだが、今の仕事を始めたばかりで、経済的にも時間的にもまったく余裕がなかった私は、その頃の10年間は写真から離れていたのだった。
前置きがまた長くなったが、中古カメラ店のショーケースのオリンパスのコーナーを見ていた私は、その最下段で、いくつかの状態の良い、OMシステムのズイコーレンズを発見したのだった。もともと小型の単焦点レンズが好きな私は、ズイコーデジタルの時代になってから、ボディーはともかく、レンズは今のフォーサーズの大きさではちょっと不満だった。E-1購入時に最初はサービスとして、OMアダプタが貰えたので(現在は市販されている)、まだラインナップが揃っていないEシステムのズイコーデジタルでなく、OMシステムのズイコーレンズの単焦点広角レンズを、現在のフォーサーズのせめて小型標準レンズに使えないかと、何度か中古カメラ店を探してみたことがあった。だが、そういうときに限って、値段に見合う状態のよい中古品に出会うことができず、なかば諦めかけていたのだった。
しかし今回はそれらのレンズの数本は、非常に状態が良さそうだ。ご存知のようにフォーサーズしすてむは、従来の35mmフルサイズの1/2の画角になる。よって標準域として使えるのはせいぜい、20mm台のレンズが候補ということになる。
今回目が点になるほど驚いたのは、いまの私にとって一番ベストな画角の21mmで、しかもサイズが大きな大口径のF2でなく、超小型のF3.5に、なんと「新品」と書かれていたことであった!(あまり感嘆詞はつけないのだが、本当に驚いたのだった)。
店のひとに尋ねてみると、店に保管してあったそうで、あとで考えると最終製造が2003年として、それから3年ほどと考えればなるほど、新品があってもおかしくないのである。いわゆる新品同様というのとは、違うのである。触らせてもらうと、本当に未使用な様子であった。もちろん我慢が効かず、買ってしまったのであった。ちなみにマクロ50mm F2も新品があったようだが、後継レンズがズイコーデジタルで出ているので、まとめ買いしたかったのだが、断念した。他にそのタイプを探している方がいれば、私の同様な幸福感を得られるだろう。
帰宅して早速、E330に装着することにした。カメラとしてはこのくらいが手に馴染んでしっかりくるのと、小さなレンズを着けたときのバランスがいいのと、あとはライブビューが使えるので、少し絞ればパンフォーカスとして、スナップに使い安いという理由からであった。デジタルなのでカメラは移り変わりが激しいのだが、レンズは大切に使えば、とくに昔の金属鏡胴のレンズは、末永く愛用できる可能性が高い。
さっそく試し撮りしたかったのだが、数日は本業が多忙で、今日の夕方に少しだが、外で撮影できた。それを2枚ほどアップしたい。いずれもJPEG Large Fineで、ノーレタッチ、ノートリミングだ。21mmという超広角なのに、1970年代初頭で、国産レンズも、これだけ素晴らしい域にすでに達していたことがわかる。その魅力は、デジタルの時代になっても、まったく色褪せないどころか、さらに輝きを増しているように思えてならない。
フロアの中に、全国からいくつかのカメラ店が出品している。店によりそれぞれ特徴があり、几帳面に並べているところもあれば、わりと雑然とした印象のところもある。ライカやハッセルブラッドなど、名だたる超有名・超高級(超高価でもあるが)が所狭しと並んでいるガラスケースもあるが、私の興味は名前も聞いたことがないようなヨーロッパのマイナーなメーカーや、または日本のメーカーの古いカメラなど、とくに二眼レフや中判カメラの出物がないか、もしくはハーフサイズのオリンパスペンFシリーズなどに見入っていた。
今でこそデジタル一色になってしまったが、幼少の頃、最初に家族のカメラとして手にしたのは、間違いなくハーフサイズのコンパクトカメラであり、郷愁を誘う。
ハーフサイズカメラといえば、オリンパスが有名なので、自然にオリンパスの一眼レフである、OMシリーズも陳列されていた。かつて1970年代初頭、ニコンなど大型の一眼レフが主流だった時代に、オリンパスの米谷(マイタニ)氏が主導となって設計・開発された、あまりにも有名なシステム一眼レフだ。
当時は今と違い、なかなかカメラの実機を触る機械がなく、中学校の帰り道に毎日のように通った街のカメラ店のすすはらいのときに、気前のよい店主がカメラを触らせてくれた感触を今でもしっかり覚えている。
店主はニコン派だったので、そのヘリコイドや巻き上げの感触を雄弁に語ってくれていたし、事実そのとおりだったのだが、私はオリンパスの、いかにも精密機械然とした操作感にも憧れを感じていた。
結局、オリンパスの一眼レフとはその後の人生でも縁がなく、近くにユーザーもいなかったので、触れる機会はなく、私とオリンパス製デジタル一眼との接点は、デジタルのEシステムの出現を待たねばならなかった(約30年後の話しである)。
OMシステムのズイコーレンズの開発が1970年初頭として、販売終了の2003年まで、約30年間売られ続けたわけで、いまにして思えば、憧れの的だったOM-1、OM-2の直系であるところのOM-3Tiなどは、1993年に売り出されていたのだから、ぜひとも購入しておくべきだったのだが、今の仕事を始めたばかりで、経済的にも時間的にもまったく余裕がなかった私は、その頃の10年間は写真から離れていたのだった。
前置きがまた長くなったが、中古カメラ店のショーケースのオリンパスのコーナーを見ていた私は、その最下段で、いくつかの状態の良い、OMシステムのズイコーレンズを発見したのだった。もともと小型の単焦点レンズが好きな私は、ズイコーデジタルの時代になってから、ボディーはともかく、レンズは今のフォーサーズの大きさではちょっと不満だった。E-1購入時に最初はサービスとして、OMアダプタが貰えたので(現在は市販されている)、まだラインナップが揃っていないEシステムのズイコーデジタルでなく、OMシステムのズイコーレンズの単焦点広角レンズを、現在のフォーサーズのせめて小型標準レンズに使えないかと、何度か中古カメラ店を探してみたことがあった。だが、そういうときに限って、値段に見合う状態のよい中古品に出会うことができず、なかば諦めかけていたのだった。
しかし今回はそれらのレンズの数本は、非常に状態が良さそうだ。ご存知のようにフォーサーズしすてむは、従来の35mmフルサイズの1/2の画角になる。よって標準域として使えるのはせいぜい、20mm台のレンズが候補ということになる。
今回目が点になるほど驚いたのは、いまの私にとって一番ベストな画角の21mmで、しかもサイズが大きな大口径のF2でなく、超小型のF3.5に、なんと「新品」と書かれていたことであった!(あまり感嘆詞はつけないのだが、本当に驚いたのだった)。
店のひとに尋ねてみると、店に保管してあったそうで、あとで考えると最終製造が2003年として、それから3年ほどと考えればなるほど、新品があってもおかしくないのである。いわゆる新品同様というのとは、違うのである。触らせてもらうと、本当に未使用な様子であった。もちろん我慢が効かず、買ってしまったのであった。ちなみにマクロ50mm F2も新品があったようだが、後継レンズがズイコーデジタルで出ているので、まとめ買いしたかったのだが、断念した。他にそのタイプを探している方がいれば、私の同様な幸福感を得られるだろう。
帰宅して早速、E330に装着することにした。カメラとしてはこのくらいが手に馴染んでしっかりくるのと、小さなレンズを着けたときのバランスがいいのと、あとはライブビューが使えるので、少し絞ればパンフォーカスとして、スナップに使い安いという理由からであった。デジタルなのでカメラは移り変わりが激しいのだが、レンズは大切に使えば、とくに昔の金属鏡胴のレンズは、末永く愛用できる可能性が高い。
さっそく試し撮りしたかったのだが、数日は本業が多忙で、今日の夕方に少しだが、外で撮影できた。それを2枚ほどアップしたい。いずれもJPEG Large Fineで、ノーレタッチ、ノートリミングだ。21mmという超広角なのに、1970年代初頭で、国産レンズも、これだけ素晴らしい域にすでに達していたことがわかる。その魅力は、デジタルの時代になっても、まったく色褪せないどころか、さらに輝きを増しているように思えてならない。