2013/9/19:房総南部の棚田の撮影にでかけた。その帰り道に君津市の山あいの県道24号を走り、片倉ダム近くの清水渓流広場にある「濃溝洞窟の滝」に立ち寄った。この滝は普通の滝とは姿が違っていて、その名のとおり洞窟の中を水が流れ落ちている。実はこの洞窟は自然の造形ではない。その昔、農業・林業が盛んだった頃、用地を拡大するために崖を掘りぬいて山あいを流れる蛇行した川をまっすぐに流したものだ。
房総半島中部・南部の山あいにはこの「川廻し」の滝が多く残っていて今では周りの自然に溶け込んでいる。
これまで何度か撮影に訪れたことがあるが、この滝を正面から撮影する時には長靴を携帯して沢の中に入って三脚を立てることに決めていた。ところがこの日は、崖の下からにぎやかな子どもたちの歓声が聞こえてきた。県内の小学校の遠足で子どもたちが大勢滝前の沢に入っているのが崖の上から見えた。こんなことはこれまでになく、めずらしい光景なので急いでシャッターを切った。
*[参考] この滝への道はわかりにくいため君津市笹にある「道の駅ふれあいパークきみつ」電話0439-39-3940にナビセットして向かい、久留里街道R24を走るのがよい。道の駅の1.5km先に立ち寄り湯「濃溝温泉千寿の湯」の看板が見えるとその隣が「清水渓流広場・濃溝の滝」入り口駐車場となっている。そこからは平坦な林道を5分も歩けば滝の水音が響いてくる。