「千貫門 (せんがんもん)」・・・ 地表に姿を現した「火山の根」
海辺に下りて「千貫門」を真正面の海岸線から撮影した一枚
太古の昔マグマからこの姿になるまでの激しい地殻変動により
全面に見られる「柱状節理」 も滝などでよく見られる姿とは異なり
荒々しく、著しく変形した姿になっています。
*「千貫門」の近くに立てられているジオサイト案内板の説明文
西伊豆や南伊豆をはじめとする伊豆半島南部の広い地域は
伊豆が本州に衝突する前に噴火した海底火山や
火山島によってつくられています。
遊歩道先の千貫門や千貫門の右手に見える「烏帽子山」は
かつて海底火山の地下にあった「マグマの通り道」が地上に
姿を現した「火山の根」(火山岩頚)の一部です。
千貫門には岩の中央部分に波で削られできたトンネルがあり
巨大な門に見えるその姿は烏帽子山山頂にある雲見浅間神社
の門に見立てられて「浅間門」と呼ばれていましたが
「見る価値が千貫にも値する」という意味で
「千貫門」と呼ばれるようになりました。
千貫門の前からはなかなか去り難く、一枚目の写真に写しこんだ
岸辺に横たわる巨大な流木に腰掛けて
かつては「海底火山の根」であった巨大な岩礁を見つめながら
かなりの時間を過ごしていました。
その間にシャッターを切ったこの一枚は
一枚目の写真には写っていない千貫門の右端の部分に目がとまり
背後に隠れていた小さい岩礁も入れて撮影した一枚です。
じっと見つめていると・・・「地表に現れた海底火山の根」の
激しいマグマの動きが眼前に蘇るような気がしてきます。
荒々しく乱れた「柱状節理」がそれを物語っているかのようです。
一枚目の写真は海辺でジオサイト「千貫門」を正面から見た姿ですが
この写真は崖上で「千貫門」を北側から見下ろして撮影した一枚です。
「千貫門」北側海岸から見た断崖と伊豆半島最西端の「烏帽子山」
「烏帽子山(えぼし山)」伊豆半島南西部(静岡県賀茂郡松崎町雲見)
標高 162m で 「伊豆半島の最西端」 となる海岸に立つ岩山。
最西端で富士山がよく見える山頂には「浅間神社」があります。
中腹には「拝殿」「中の宮」もあり
山頂まではかなりきつい428段の急な石段があります。
この岩山も周辺の断崖や岩礁もすべて千貫門と同じく
「地表に現れた海底火山の根」です。
この海岸線一帯が貴重な「ジオサイト」となっています。