君津市「県立清和県民の森」谷間の春(4/15 撮影)
千葉県(房総半島)の南部君津市の深い山あい豊英(とよふさ)の地に「清和県民の森」がある。その奥の渓流にかかる「豊英大滝」にはこれまで何度となく撮影に通っている。秋景色の写真は数多く溜まっているが、不思議なことに春季の写真がないことに気づき出かけることにした。
同じ千葉県内でも北部にはまったく「〇〇山」と名の付く高地はないが、南部では標高はそれほどないものの「九十九谷」と呼ばれる多くの山々が連なった風景も楽しむことができる。千葉県は全国で最高地点の標高がもっとも低いことで知られ、南部の「愛宕山」の海抜408mが最高地点となっている。君津市の山あいにはそれほど高い山はないが、だんだんと奥地に入っていくとまるで秘境ともいえるような山深い景色が次々と目に入ってくる。
一枚目の写真は清和県民の森内部の渓流にかかる橋の上から撮影した。谷間を彩る芽吹きからまだ間もない萌黄色や、やわらかな新緑、見ごろの山桜の色彩など、しばらくカメラも構えず見とれてしまうほどの美しい景色が広がっていた。さらに上空にはこれまた目が離せないほどのめずらしい形の雲がかかっていた。
橋の上から移動して奥へと車を進め、「豊英大滝」付近の駐車スペースに入った。
この滝はこれまでにも何度もこのブログに投稿している。前回訪れた時よりも水量は少なめだったが、変化に富んだ岩盤が適度に露出していて楽しく撮影をすることができた。この写真の左上には紫色の岩ツツジも咲いていた。
この滝は普通の格好ででかけると写真を撮ることはできない。山道を沢沿いまで下る道はあるがそこから滝下までは道がない。素足では危険で歩けない。つまり、長靴を用意していないと滝の姿が見える位置まで行くことができない。およそ100mくらいは滑りやすい足元に気をつけながら沢歩きをすることになる。
夏にはキャンプ場などに訪れた家族連れなどで清和県民の森は特ににぎわう。実は県民の森の奥地にあるこの滝の滝つぼは広くて適度な深さがあり、子供連れの水遊びには適している。上流は山だけで民家などもまったくなく水は自然水で問題はない。
ただし夏場になると一つ注意を要することがある。特に房総の山あいは夏場は「ヤマビル(山蛭)」の繁殖地として知られている。沢までの山道では木の枝から落ちてきたり足元から這いあがるヤマビルの被害を防がなければいけない。だいたい5月から10月頃までがヤマビルの繁殖期といわる。「房総のヤマビル」でネット検索して詳しく調べることができる。