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前々から訪れたいと思っていた群馬県中之条町の四万温泉郷へでかけた。「四万ブルー」と呼ばれる目の覚めるようなきれいな青い水で人気の四万川が流れる山あいの温泉郷で、知名度の高い湯宿も多い。四万温泉は特に胃腸によいと言われる名泉で、旅館の中だけではなく温泉街の道脇などにも自由に立ち寄れる飲泉施設が設けられている。 老舗旅館の中でもこの写真の「積善館」は三百年余りも昔の江戸時代元禄七年開業で、現存する日本最古の湯宿として知られ群馬県重要文化財に指定されている。この湯宿と関わりの深い古今の名士も多い。本館前に通じるこの赤い橋の上でカメラを構えている間にも、多くの外国人を含む宿泊客や見物客が通り過ぎていった。特に若い人たちの数が多いのにも驚いた。
正面玄関から入ると昔の番台を思わせるようなフロントがあり、見物客はここで受付を済ませて広い館内を見物することができる。また名湯「四万の湯」(写真右側三階建ての一階部分)に立ち寄りで入浴することもできる。内部の展示物を見学しながらいろいろと学ぶことも多い。ここで映画のロケも行われたことがあり、1984年の東映映画吉永小百合主演の「天国の駅」のポスターや出演者の記念写真も掲示されていた。共演者は西田敏行、三浦友和、津川雅彦など人気俳優が揃っている。吉永小百合ファンといわれる宮崎駿氏がこの宿を訪れた時、「天国の駅」ロケ現場を巡り感じたことも多かったのではないだろうか。実は「天国の駅」から17年後の2001年に、「千と千尋の神隠し」が公開されたいへんな人気作品となった。そのアニメ映像の中で、この写真の赤い橋や館内各所のイメージが活かされている。映画のロケ現場というわけではないが、その直後からこの山あいの湯宿には多くの若者たちも押し寄せるようになったという。
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四万温泉は清流四万川が流れる深い山中の豊かな自然に恵まれている。雪景色の中の滝とコバルトブルーの滝つぼを撮影するのがいちばんの目的だったが、天気予報どおりに雪が降らず写真のように温泉街に近い「小泉ノ滝」写真にはまったく雪が見えない。おそらく今日から週末にかけて関東北部山沿いはほぼ間違いなく雪が積もるだろう。残念ながらほんのわずかの差で雪景色を撮影することはできなかった。この滝は新緑、紅葉の季節に撮影すればきれいな写真になりそうだ。
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この写真も宿付近の四万川沿いの散歩コースで早朝撮影した。「渓流瀑」に分類できる滝の姿をしているが滝の名はついていない。夜間にわずかに降った雪が岸辺にすこしだけ積もっていた。
*[参考] : 四万温泉郷周辺には滝が多い。その詳しい情報を得るのも今回の旅の目的の一つだった。ウェブサイトなどで調べてもなかなか位置などよくわからない滝がけっこうある。散歩しながら地元の人との立ち話でとても役立つ情報を得ることができる。特に最近では確かなクマ(熊)の出没情報を得ることがいちばんで、これはネット検索ではほとんどわからない。いろいろ調べた結果、悪天候でなければ二日間で以下の滝を巡ることができることがわかった。
① 「小倉ノ滝」 ② 「摩耶の滝」 ③ 「しゃくなげの滝」 ④ 「不動ノ滝」 ⑤ 「小泉ノ滝」 ⑥ 「バラ岩の滝」
厳冬期の山奥はきびしいので、新緑の季節か紅葉の季節にはぜひまたでかけたいと思っている。