晩秋の早朝、山梨県清里高原で撮影。山道を歩いていてふと林の奥の朝霧にかすむ大木が目に入った。踏み跡もないやぶのなかに入り込んで三脚をセットし、ゆっくりと時間をかけて撮影した一枚。奥の大木も見事だがその手前にまた不自然な角度で高く伸びている樹木がありしばらくじっと眺めていた。
その今にも倒れそうに傾いている木も根元を見るとしっかりと大地に根を張っていた。朝霧、たくましく生きる原始林の樹木、美しい紅葉、その傾いた木の角度・・・これを一枚できれいに撮影したいと思い、何度か慎重にシャッターを切った。
この季節は山道を歩くだけでも楽しいが、カメラを持っているとまたその楽しみが何倍にもなるものだ。