「シモバシラ」(霜柱):シソ科シモバシラ属の山野草。別名「雪寄草」。瞬間的に純白の花を霜柱に見立てたのかと思ったが実はそうではなくて、冬に入り枯れてしまったこの草の茎の根元から霜柱ができて氷の華のような美しい姿になることからこの名がつけられたという。
東京都墨田区東向島にある都立庭園「向島百花園」内を散策中に見つけたのだが、初めて見る花でその白さが際立っていてとてもきれいに見えたので低い姿勢で何枚も撮り続けた。そのうちに小さなセセリ蝶が飛んできて花に止まって蜜を吸い始めたので更に夢中で花と蝶を連写した。小さなセセリ蝶にはいろいろな種類があってひと目で見分けることはなかなか難しい。普段よく見かけるセセリ蝶は「チャバネセセリ」で、体色は明るい茶色で黒い斑点が見られるが、この蝶は黒に近い濃い茶色で白色の帯と斑点が鮮明で美しく、これまで一度も見たことがない種類の蝶だった。
帰宅後、ウェブサイトの「セセリ蝶図鑑」を何種類も調べた結果、この蝶は「ダイミョウセセリ」ということでほぼ間違いないのではないかと思う。「大名セセリ」の名は、その白い模様が戦国大名の家紋のように見えることからだということである。初めて見る花と蝶を一度に撮影することができたのはとても幸運だったと思う。