たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

戦場ヶ原-I(奥日光)

2015年10月31日 | 写真




 栃木県奥日光「戦場ヶ原」入り口の赤沼車庫に車を入れて、雲ひとつない晴天で秋色に染まる戦場ヶ原「青木橋」までの約2kmのコースを往復することにした。今年は6月にも奥日光を訪れているが、その時は雨の中を「赤沼車庫」から「湯滝」まで4kmのコースを歩き通した。6月にはズミの花や蓮華ツツジが咲き、湿原はワタスゲで白一色に染まる美しい景色が楽しめることもあって毎年カメラを持って散策することに決めている。

 戦場ヶ原湿原は見渡す限りの草紅葉で、白樺の木肌だけがアクセントになっていた。昨年度大改修された木道は広くきれいで安心して散策できる。木道脇のあちこちに手付かずの大自然の営みを感じさせる光景が見られる。写真に映っている倒木はもう長い年月このままの姿でここに横たわっているのだろう。日当たりがよい場所なのでそれほど朽ち果てたり苔むしたりはせずまるで芸術作品でもあるかのように見える。戦場ヶ原を歩くたびにふと立ち止まるいくつものポイントのうちの一箇所である。
                               (2015/10/19 撮影)

湖畔の朝

2015年10月29日 | 写真



                   栃木県奥日光湯ノ湖畔にて 午前6:31 撮影

 2015/10/19: 直前の記事の写真「湯の湖畔の朝焼け」は午前6:06の撮影で、それからまたゆっくりと移動しながら撮影を続けた。刻々と辺りが明るくなり視界が開けてきた。風もまったくなく湖畔の紅葉がきれいに湖面に映りこんでいる。

すでに葉が落ちてしまった形のよいダケカンバの木々もよいアクセントになっていた。もうすでに晩秋の雰囲気が漂っている。

一ヶ月もするとこの辺りはすっかり冬景色になっていることだろう。

 時々どこからか動物の鳴き声が響いてくる。すべての雑念は消えてひたすらシャッターを切り続ける。

かけがえのない貴重な時間を過ごすことができた。

 


湯ノ湖畔の朝焼け (栃木県)

2015年10月28日 | 写真



                     栃木県奥日光湯ノ湖畔にて午前6:06 撮影


 日本語の表現はとても豊かで使い分けがいろいろあり迷うことがある。たとえば、「黎明」「曙」「夜明け」の三つの言葉の使い分けはなかなか難しい。

 直前の記事の全体に青みがかった写真は「夜明け前」「夜明け」「黎明」「曙」などどれを使ってもよいように思う。それではこの記事の写真にはどんなことばを使ったらいいかしばらくは迷ってしまう。やはりどれを使ってもよいとは思うのだが、まるで全体の色合いがまったく違う写真で同じ「夜明け」のことばを二つ続けて使うのはなんとなく「表現力不足」という気がしてくるので、雲ひとつない好天の夜明けで空が赤く染まっていることから「朝焼け」というわかりやすいまったく別の表現を使うことにした。

 前の写真は午前5:33に撮影したが、この写真は50mくらい右方向へ移動して午前6:06にシャッターを切っていた。時間的にはかなりの差がある。それなら別のことばを充てるとすれば、前の写真が「黎明」又は「曙」で、この写真が「夜明け」でも間違いにはならないと思う。日本語を勉強している外国人にたずねられたら、とっさにはうまく説明してあげられないような気がしてくる。やはり日本語は難しい。


湯ノ湖畔の夜明け(栃木県)

2015年10月26日 | 写真



                      栃木県奥日光湯ノ湖畔にて午前5:33 撮影


2015/10/19: 群馬県内の赤城山や利根郡片品村での撮影を終えて栃木県との県境になる標高2,024mの「金精峠」へ上がった。そこから一気に周辺の紅葉がすばらしい夕暮れ時の迫る金精道路の急坂を下り奥日光最深部の湯ノ湖畔(標高約1,480m)に到着した。もう黄昏時であったが湖畔の紅葉はちょうど最盛期の美しさであることがわかり、翌朝からの撮影を楽しみにして湖畔に広がる日光湯元スキー場にも近い温泉宿に入った。

2015/10/19:未明に起きて午前5時ごろに撮影準備を整えて湖畔へ向かった。位置を決めて三脚をセットし夜明けを待った。やがて東の空が少しずつ明るくなってきた。前景にボートを配して数秒おきに連続してシャッターを切り続けた。3年前に福島県裏磐梯の秋元湖畔で夜明けに撮影をしたことがあったのがずいぶん役にたったと思う。

アップした写真は午前5:33にシャッターを切っていた。刻々と空の色合いや辺りの明るさが変わっていく美しい夜明けの風景撮影はとても楽しい。夜明け前のほんの短い時間帯にシャッターを切ると、「色温度」の関係で肉眼で見た色合いとはまったく異なるブルーの色合いの強い画像がモニター画面に現れることがある。すこし時間が経つともう肉眼で見る色合いとほぼ同じような写真になる。デジタル一眼レフカメラの楽しみの一つでもある。


丸沼高原の思い出(群馬県)

2015年10月25日 | 写真




 群馬県の東端丸沼高原には昔よく通った思い出がある。関越自動車道で沼田から入ろうか・・・それとも東北自動車道で栃木県奥日光から金精峠を越えて行こうか・・・などと考えながら、その日気の向くままに車を走らせて北へ向かったものだった。夏場は沼田から入り尾瀬への道にも入っていった。冬場は群馬県側にスキー場が多いので自然に関越道を走っていたものだ。水上周辺や川場、そして片品の奥の丸沼高原スキー場へもよく通った。

 片品村はとても広くて奥が深い。尾瀬はいうまでもないが、秋の丸沼や菅沼の紅葉は目を見張るような美しさだった。いつも丸沼の湖畔ではゆったりと時間を過ごしたものだ。丸沼高原のロープウェイで日光白根山にもよく登った。つきない思い出がよみがえる。

 赤城山覚満淵での撮影を終えてから川場へと向かい、窓の外の紅葉を楽しみながら日光と軽井沢を結ぶ「日本ロマンチック街道」を走ってなつかしい丸沼に立ち寄り、湖畔でしばらくの間撮影しながら時間を過ごした。写真の湖畔風景の前景に入れた樹木は昔の記憶よりもさらに成長したように見えた。この木はとても種類の多い「ヤナギ(柳)」の一種としか覚えていないが、丸沼のシンボルにもなっている。小学生などの団体がやってくると必ずといっていいほどここで記念撮影をしていた。片品村の紅葉は盛りの季節だったがここはおよそ1400mもの標高があり、すでに晩秋の雰囲気が感じられた。
                                 2015/10/18 撮影


「マユミ」の実

2015年10月24日 | 写真





 「マユミ(真弓)」:ニシキギ(錦木)科ニシキギ属の落葉低木。よく庭園で見かけるニシキギの真紅の紅葉もきれいだが、同属のマユミの黄葉も長く枝についていて楽しめる。初夏には小さな可憐な花をたくさん咲かせ、秋にはとてもきれいなピンク色の実をつける。

 赤城山「覚満淵」の木道とは反対側の周遊道脇によく成長した樹高5mくらいのマユミの木がある。二年前に訪れた時にピンクの実がついているのを見つけたのだが今回も青空を背景にピンク色の実が鮮やかに目に映った。よく見るとピンク色の実が熟して中から真っ赤な種子が顔を出しているのも見ることができた。

 「マユミ(真弓)」という名は、樹脂がじょうぶで弾力性もあり、昔弓を作るのに使われたことに由来するという。「まゆみ・真弓」さんという名の女性はけっこう多いと思うが、「まゆみ」は響きもよくて「花も実もきれいで、木はじょうぶで弾力もある」と考えるととてもよい名前だと思う。


「雲」「霧」「靄」「ガス」

2015年10月23日 | 写真








 直前の記事の3枚の写真とあわせて、名峰赤城山覚満淵で撮影したこの記事の2枚の写真も見ながら「雲」・「霧」・「靄」・「ガス」という用語の正確な使い分けをここにまとめておきたいと思う。

「雲」:空気中の水分が凝縮した水滴が空中に漂っているものの総称。「十種雲形」に分類される。

「霧」と「靄」:「十種雲形」に分類された「雲」の中でいちばん下層にできるものが「層雲」で、
        これが地上に達したものを「霧」という。視程(視界)が約1km以下で、それより薄い
        ものは「もや(靄)」とされる。

「ガス」:霧などで視界がきかない状況の時に使う。「ガス」=「視界がきかないほど濃い霧」。
     登山家の間で「ガス」と呼ばれる白い霧は「十種雲形」分類では「層雲」に含まれる。

 下界から見たら快晴でも高山に雲がかかっているときはその場所に行けばこれらの写真のような状況だということがわかる。百名山「赤城山」には大沼、小沼、覚満淵があり、よく晴れた日でも水蒸気が立ち上ってこのような山肌にまつわりつく「霧」、「ガス」がひんぱんに発生するのだと思う。撮影旅では、「快晴」の時よりも同じアングルでいろいろ表情の異なる自然風景が楽しめてありがたい。
  


霧の覚満淵 (群馬県)

2015年10月22日 | 写真













 2015/10/18(日):群馬県の日本百名山「赤城山」(1828m)中腹の「覚満淵(かくまんぶち)」(1400m)は美しい景色が楽しめる高層湿原で四季折々に訪れる人が多い。地元では「小尾瀬」と呼ばれ、一周約1kmの周遊道も平坦で歩きやすく快適な散策が楽しめる。

 この日は紅葉も見ごろの日曜日ということもあって駐車場には車が入りきれないほどであった。周遊道にも多くの人影が見えてどこでカメラを構えても人物の入らない写真を撮ることは難しいほどであった。駐車場に入るまでは雲ひとつない快晴だったが、歩き始めると急に霧が立ち込めて紅葉も霞んでしまうほどの景色に変わった。これもまた「小尾瀬」の雰囲気を感じさせる眺めであちこちでシャッターを切り続けた。

 そういえば2年前の10月7日に訪れた時にもこのような写真を撮った記憶がある。二度続けて秋に訪れたので、次回は新緑の季節か湿原の植物を楽しむために夏にも来てみたいと思う。


思い出の写真- ⑥

2015年10月18日 | 写真




久しぶりに蔵出しの「思い出の写真」をアップします。

前回は4月7日の記事で栃木県奥日光「竜頭の滝」の雪景色で「足跡」という写真を載せてあります。

 今回は2014年2月14日の千葉県では何年に一回あるかないかの大雪の日の風景写真です。この日の天気予報は雨でしたが、夜中から気温がとても低くて場所によっては雪になるかもしれないという「勘」を働かせて早朝撮影に出かけました。場所は南房総鴨川市の山あいの「大山千枚田」でした。大山千枚田は関東地方に三つしかない「日本棚田百選」の一つになっています。

他の二つは、栃木県那須烏山市の「国見の棚田」と同じく栃木県芳賀郡茂木町の「石畑の棚田」です。

 朝7時ごろに棚田に着いたころには冷たい雨が降っていました。普通ならがっかりして引き上げるところですが、この日はなぜか期待が強くて車の中で根気よく雪に変わるのを待ち続けていたものです。そうしているうちになんと8時ごろから雪が降り始めだんだんと降り方が激しくなってみるみるうちに田んぼの畦道などの枯れ草の上に雪が積もり始めました。田んぼの中は雨水が溜まっていてなかなか白くはならず、そのコントラストが鮮やかできれいに目に映りました。

とても千葉県の風景とは思えない雪景色の写真を記録することができました。

 風も強く千葉県では何年も経験したことのない「猛吹雪」になってきました。その中で撮影場所をあちこち変えて夢中で撮り続けたものです。この写真は千枚田の一番下の部分ですが、民家の屋根が見えるのはこのアングルだけなので選んだものです。雪がカメラに向かって吹きつけてしばしばレンズを拭いて撮影を続けたのをよく覚えています。忘れられない貴重な記録写真です。この写真はモノクロ設定で撮影したものです。この日撮影した100枚以上のデータは大事にHDに保存してあります。
                                 (2014/2/14 撮影)


「くらしの植物苑」散策(佐倉市)

2015年10月17日 | 写真


「アイ(藍)」の花: 別名「アイタデ」(藍蓼)」タデ科タデ属。インドシナ地方原産で日本には奈良時代に渡来した。根や葉を発酵させて青(藍)色の染料(インディゴ)にする。このことから濃い青のことを「インディゴブルー"indigo blue"」と呼ぶようになった。ジーンズ等の染料になる。花は濃淡ピンク色で秋に咲く。「出藍の誉れ」ということわざは藍で染めた布が藍より鮮やかな青色になることから、弟子が師の技量・学識を超えることをたたえる意味で、「青は藍より出でて藍より青し」という学問の重要性をうたった「荀子」のことばに通じる。佐倉市国立歴史民俗博物館付属「くらしの植物苑」の中のビニールハウス沿いに写真のような淡いピンク色と紫がかった濃い色の花が今たくさん咲いている。




「サンザシ(山査子)」:バラ科サンザシ属の落葉低木。白い花と赤い実が美しく庭木としても使われる。秋の赤い実は生食用のほか、糖菓・蜜煮が好まれ、乾果は生薬として古くから用いられ健胃薬として知られている。



 
「シュウメイギク(秋明菊)」:さわやかな秋の空の下でよく見かける花。レンズを通して見ると、パッチリとした目で見つめられているような可憐な花だと感じる。




「くらしの植物苑」を訪れたのが昼過ぎで、この「酔芙蓉」の花は朝方の白色からもうすっかりピンク色に染まっていた。夕方には濃いピンク色になってしぼんでしまう一日花。




「ヘブンリーブルー」西洋朝顔の代表種。9月までの「伝統の朝顔展」の時にも訪れてめずらしい各種の朝顔をその頃の記事で投稿したことがある。この目が覚めるようなきれいなブルーの朝顔はまだ蕾もたくさんあり青空を背景にしてその名の通りの美しい姿を見せてくれた。




  「ツワブキ」:木陰にわずかに残って咲いていた花が木漏れ日を浴びて輝いていた。




「ボケ(木瓜)」:木瓜の花は真紅の花が代表的だが、もうほとんどが咲き終わってわずかに数箇所にぽつんぽつんとピンクの花が残っている。


 「国立歴史民族博物館」駐車場に入り、特別展を見学した後に佐倉城址公園とくらしの植物苑を散策した。城址公園内には今の時期は花がほとんど見当たらない。ほんのわずかにオレンジ色の「ヤマツツジ」が二株狂い咲きしていた。「姥ヶ池」へ下りる奥の道は土砂崩れの工事中で通行禁止となっていた。カメラ散歩でいちばん奥まったところにある「くらしの植物苑」へ向かった。春や夏と比べればやや寂しいが、それでもここでは訪ねるたびにいろいろな花や実などをみつけることができる。
(注)博物館の広い駐車場のほかにくらしの植物苑脇や前にも無料駐車場がある。 (10/15撮影)


「ふるさと広場」のコスモス(佐倉市)

2015年10月16日 | 写真



 千葉県佐倉市印旛沼の畔「ふるさと広場」のコスモスが見頃になっている。大勢の人たちがオランダ風車周辺で秋桜の眺めを楽しんでいた。今が花がいちばんきれいで蕾もまだ多くさわやかな秋の景色を満喫することができる。
                                 2015/10/15 撮影
                                   

「フジバカマ」の花

2015年10月13日 | 写真



 「フジバカマ」(藤袴):秋の七草の一つ。キク科フジバカマ属の多年草。奈良時代に中国から渡来したといわれる。湿気のある場所を好み自生する。
「秋の七草」は一般的に「ハギ(萩)」「ススキ(尾花)」「クズ(葛)」「ナデシコ(撫子)」「オミナエシ(女郎花)」「キキョウ(桔梗)」「フジバカマ(藤袴)」だが、「フジバカマ」は花の色は淡い藤色やほとんど白に近い色で秋の七草の中でも比較的目立たないが、生薬として古くから利用されてきた。

 蜜を求めてやってきた蝶は「ツマグロヒョウモン」のオス。漢字では「褄黒豹紋」と書き、羽の褄の部分が黒く、豹に似た紋様があることからその名がつけられた。メスの蝶は褄黒の模様が幅が広くてオスよりもよく目立つのですぐに見分けができる。
 

月と金星のランデブー

2015年10月09日 | 写真



 おはようございます。

 早朝ジョッギングに出かけようとしたら東の空にきれいな月と星が見えたので、急遽カメラを持ち出してジョギングは中止!今日9日と明日10日がチャンスの月と金星のランデブーの記録写真撮影に集中。天体写真はほとんど経験がなくて超望遠レンズ、三脚、リモコンシャッターを使っての撮影練習でした。めったに見られないので見たい人は明日の朝早く起きてください。なにかよいことがありそうな気持ちになります。
                      **撮影時刻:午前4:20~4:50ごろ (東の空)

「ホトトギス」の花

2015年10月08日 | 写真




 「ホトトギス」(杜鵑「草」):ユリ科ホトトギス属の多年草。花期は8月下旬ごろから11月中旬ごろまでと長い。花びらに見られる斑点模様が鳥のホトトギスの胸に見られる斑点とよく似ていることからこの名がつけられた。

 鳥の「ホトトギス」は漢字では「不如帰」と書く。

 *花言葉:「秘めた意思」*9月12日の誕生花 
 
 *花に止まっている小さな蝶は「チャバネセセリ」で、大きな黒い瞳がとてもかわいらしい。

「スイフヨウ」の花

2015年10月05日 | 写真








 千葉市中央区「都市緑化植物園」の「スイフヨウ」(酔芙蓉)が今いちばんの見頃になっている。バラ園脇の土手や池の脇に10株以上が並んでいる。午前中の早い時間に行くと純白の大きな花が開き午後に入るとだんだんと淡いピンク色に染まっていく。そして夕方が近づくと濃いピンク色に変わりしぼんでしまう一日花である。

 よく知られているように、お酒に酔って顔がほんのり赤くなり、酔いが進んで真っ赤になるのを連想させることから「酔芙蓉」の名がつけられた。

 二枚目の写真の白い花は中心部分からうっすらとピンク色に染まり始めている。すぐ隣の濃いピンク色にしぼんだ花は、朝いちばんに咲いた花が「酔いが早くて」真っ先にしぼんでしまったのだろう。写真でわかるようにまだ蕾もたくさんついていてもうしばらくの間は楽しめると思う。白い花には蜜を求めてやってきたかわいらしい「チャバネセセリ」蝶が止まっていた。     (2015/10/2 撮影)