たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

「白水の滝」 (群馬県)

2015年07月30日 | 写真





 「白水の滝」:群馬県多野郡神流(かんな)町神ヶ原の山中の滝。神流町から関越自動車道「本庄児玉IC」までは車で約70分かかる。この滝水は伏流水が全山石灰岩で知られる「叶山」の麓から湧出し、石灰岩を侵食して岩窟より白水沢に流れ落ちる「潜流瀑」である。この種の滝は水量が安定していて、繊細な水の流れと苔むす岩盤の眺めが美しい。

 数年前に滝の写真集で見つけて以来いつかは撮影に出かけたいとは思っていたが、山深い土地であるためなかなかその機会がなかった。今回は長野県からの旅路で隣接する上野村に向かった流れでこの土地に入ることができた。道の駅「万葉の里」で休憩して資料を入手しこの滝を目指した。

 実にありがたいことに、駐車場に着くともう滝前までほとんど時間はかからないという好条件に恵まれた。高速道からは相当に時間がかかる山深い土地ではあっても、駐車場からこんなにも楽に滝前へ行ける滝はとても珍しい。しかも滝の種類で言えば、関東甲信越でも数少ない「潜流瀑」だからなおさらであった。

 富士山西麓の「白糸の滝」、軽井沢の「白糸の滝」、山梨県清里高原東沢渓谷の「吐竜の滝」は潜流瀑としては特に有名で、これまで何度となく出かけていて四季折々の写真を撮り続けてきたが、この「白水の滝」は今回が初訪問であり時間をかけて撮影を楽しんだ。滝の写真集にまた一つ大事な記録を加えることができた。


上野村「慰霊の園」へ (群馬県)

2015年07月29日 | 写真













 7月の暑い一日、JR小海線(八ヶ岳高原線)が通る長野県南佐久郡佐久穂町から埼玉県秩父市へと伸びる長い長い国道299号線(武州街道・西上州やまびこ街道)を走った。長野県東端の北相木村の山中で「大禅の滝」を撮影した後、隣接する群馬県最南端の群馬県多野郡上野村へ入った。「道の駅上野」に立ち寄り地元の案内地図を入手して、前々からいつか一度は訪ねたいと思っていた日航ジャンボ機墜落事故犠牲者慰霊の園へ向かうことにした。

 事故現場の御巣鷹の尾根の方角に向かって合掌している形の慰霊塔の前に立ち手を合わせて目を閉じた。30年前の8月12日のあの凄まじい事故の様子、奇跡的に生存していた乗客の救助の様子など、まるでつい昨日のことのように脳裏をよぎる。手のひらも背筋も震えしばらく立ち尽くしていた。

 今年もまた8月12日には、慰霊の園から車で40分の登山口から事故現場の「昇魂の碑」が立つ御巣鷹の尾根まで約一時間の慰霊登山が行われる。お線香を供え深い祈りをささげて慰霊塔から離れ、広場の周辺に立てられている案内地図や「慰霊の園」創設趣意書などを丁寧に見て回りカメラに収めた。忘れられない旅の記録となった。                 (2015/7/14 撮影)
 [注] 2枚目、3枚目の写真はパソコン以外の小さな画面では文字が読み取れないと思います。
  


「大禅の滝」 (長野県)

2015年07月26日 | 写真

    







 「大禅の滝」:滝探しの旅の途中、群馬県との県境に近い長野県南佐久郡北相木村へ向かった。群馬県上野村の隣村になるこの山深い小さな村に、信仰の山「三滝山」があり、修行の場である山中の斜面に三つの滝がある。その中の主瀑である「大禅の滝」を目指して山道を上がっていった。猛暑の日であったが、深い森林の中を上る道は木陰が多くそれほど疲れることなく最上部の滝前に到着した。

 見上げるような高さの断崖の上から水がまっすぐに流れ落ちて中段の岩壁にあたって砕けている。岩壁に真夏の光が差込んでいてまぶしい。この滝は真冬には最上部落ち口から見事な氷瀑になることで知られている。直射日光のあたる滝のスローシャッターでの撮影はなかなか難しい。日陰になるのを待とうかとも思ったが、強い光があたってまぶしく光る滝水と、苔蒸した複雑な形状の岩壁のコントラストが美しい。これをシャッタースピード1秒前後で写しとることに決めた。

 撮影データの設定調整、C-PLフィルター、NDフィルターの使用など工夫を重ねながら撮影練習を続けた。そして最終的には滝の正面、側面からの二種類の写真を仕上げることができた。また新しい滝を一つ滝写真集に加えることができた。  (2015/7/14 撮影)


「不動滝」 (長野県)

2015年07月25日 | 写真













    



「不動滝」:長野県下伊那郡高森町にある南信州随一といわれる「不動滝」初訪問。県道15号線沿いにわかりやすい案内看板があり、そこから山へ向かう舗装道を15分ほど走って「不動滝駐車場」に入る。休憩所もありよく整備されている。そこから徒歩で5分程度で山奥の滝にしてはほとんど苦労することなく滝前に到着する。

 滝下の渓流に橋がかけられていて沢の両側から撮影ができる。落差は50mで滑らかで変化に富んだ岩壁の上を勢いよく水が流れ落ちていて水しぶきがはげしい。近寄って撮影しようとするとレンズがすぐに濡れてしまう。

 滝の手前に「ノリウツギ」(アジサイ科)の白い花がきれいに咲いていた。(写真一枚目) 岩壁は全体的に複雑な変化があり何箇所かで水が勢いよく跳ね上がっていて、部分的にいわゆる「ひょんぐり」のような姿も見られる。(写真二枚目・三枚目)






「隠山里」:橋を渡り対岸から撮影しようとした時、斜面に小さな白い「ガクアジサイ」の姿をした花が見えた。一枚目の「ノリウツギ」もそうだが、アジサイ科の種類はとても多くてその名はわからず、帰宅してからいろいろとしらべたところ「ヤマアジサイ」の一種で「隠山里」であることがわかった。全体が小さくてなんとも控えめな姿をしている。「ヤマアジサイ」は色鮮やかな種が多いが、装飾花も中の2輪だけ咲いている花もすべて白一色というのもめずらしい。

 だれが名づけたのだろうか「隠山里」という名がまたゆかしい。小さな装飾花の純白の花びらの上をアリが一匹動いていた。


南信州遠山郷「下栗の里」

2015年07月22日 | 写真



 

















2015/7/13(月): 木曽駒ケ岳に登った翌日の朝いちばんに、前々から一度は訪ねたいと思っていた南信州遠山郷へ向かうことに決めた。登山の疲れがひどいか悪天候ならまた次の機会にするつもりだったが、幸い天候は前日より雲が多い程度で疲れもそれほどではなかった。

 「南信州」も欲を出せば行きたいところは限りがないので、今回は「下栗の里」一箇所だけに絞ることにした。「天空の里」、「日本のチロル」と呼ばれ、南アルプスを望む深い山中の斜面にある集落で平成21年には「にほんの里100選」に指定されている。標高は1000mほどで最大斜度は38度もある急斜面に住宅と耕地が広がっている。沿革ははっきりとはしていないが近くで縄文土器が発掘されていることから相当古くからの集落であると推測されている。大型車両や観光バスは入れない山里でここを訪れる人は乗用車か自動二輪車でやってくる。急斜面の集落内の道は狭く、日曜日などはいったいどんな渋滞になるのか想像もできない。

 この里の最上部に「高原ロッジ下栗」と地元のおいしい蕎麦がいただける「はんば亭」がある。そこにだけ適度な広さの駐車場がある(写真1・2枚目)。そこに駐車してさっそく上方の山中にある「天空の里ビューポイント」(展望台)へ向かうことにした。駐車場管理人の方にとても親切に展望台までの道筋を教えていただいた。

 10分ほどゆったりとした道を上がっていくと道路の右脇にわかりやすい案内看板が出ている(写真3枚目)。そこから狭い山道に入る。静かなヒノキの林の中をゆっくりと約15分くらい歩くと展望台に着く。もし日曜日などで大勢の人がこの場所を目指したら狭い道のすれちがいも、展望台の上での場所とりも急がずゆずりあわないといけないような気がする。展望台には神奈川県から来たという先客が二人あった。挨拶を交わしてゆっくりと展望を楽しみ写真を撮ることができた。混雑していなければ展望台までの往復は一時間程度だと思う。

 (写真3枚目・4枚目)これまで何度となく写真集などで見てきた下栗の里が目の前に見える。この古くからの集落は戸数は減ることもなく安定しているという。最初のうちは霧がかかっていて霞んでいた。やがて霧雨が降り始めた。山の天気は変わりやすい。傘を差してしばらく撮影を続けていたら急に霧が晴れて明るくなった。幸いなことに印象の異なる二種類の写真を記録に残すことができた。できることならまた紅葉の季節にも訪れたいと思う。


中央アルプス木曽駒ケ岳へ - IV

2015年07月20日 | 写真

9:05  中岳から眼前に大きくそびえる木曽駒ケ岳を見上げながらゆっくりと下っていく。
    左奥に木曽御嶽山が姿を現した。 青い屋根の小屋は木曽駒ケ岳「頂上小屋」。



9:16   登山道脇にきれいな紫色の花が見えた。望遠ズームをいっぱいに伸ばして慎重に撮影した。
     
   「オヤマノエンドウ」:マメ科の高山植物。花の姿は「エンドウマメ」の白い花にそっくり。



9:25  いよいよ最後の登りに入る。しばらく登って振り向くと、多くの登山者が後に続いていた。



9:34  最後の急斜面を一歩一歩慎重に登る。岩が多くなかなか骨が折れる。



9:36   この急登でも足元の岩の合間に可憐に咲く「イワツメクサ」に元気づけられた。



9:45 ついに急坂を登り切った。左下に「頂上木曽小屋」の赤い屋根が見える。御嶽山が大きく見えてきた。噴煙はかなり収まっている。立ち止まって黙祷。



9:49 木曽駒ケ岳2956mの頂上に立つ。左に御嶽山、右に乗鞍岳を望む絶景が広がる。感激の一瞬。



9:50   反対側の空にはこんな雲が・・・

 木曽駒ケ岳頂上には地元の高等小学校の生徒11名が犠牲となった1913年8月26日(大正2年)の遭難事故の慰霊碑が立っている。その昔、新田次郎の山岳小説「聖職の碑」を読んでその悲しい遭難事故のことを知った。この慰霊碑にもお参りしてから帰り支度を整え、千畳敷カールに向けてまた歩き始めた。帰り道でも時間的には余裕があり天気も安定していたので、また違った角度から写真を撮り続け、高山植物も楽しみながら無事下山することができた。
                   *中央アルプス木曽駒ケ岳登山記録シリーズ [完]



中央アルプス木曽駒ケ岳へ - III

2015年07月19日 | 写真



8:27 宝剣岳・天狗岩を背にして駒ケ岳を目指しまた登り始める。前を行く親子の姿が目に入った。
   装備・服装がとてもよく行き届いている。女の子もしっかりとした足取り。 Nice family! 
 



8:30 右脇には「伊那前岳2883m」の岩峰が、遠く南アルプス稜線の彼方に富士山の頂上も見える。




8:41 振り返ると宝剣岳が目線の下に。その奥には中央アルプス連峰の名峰「空木岳2864m」。
   青い屋根が「宝剣山荘」で赤い屋根が「天駒荘」。携帯で問い合わせるとどちらも満室。
   常時細心の注意を払い、怪我もなくこのルートを往復し午前中に無事下山することが目標。




8:49   どんなに疲れたときも登山道足元のこのさわやかな白い花が元気づけてくれた。

  「イワツメクサ」:高山帯の砂礫地に咲くナデシコ科の多年草。花径は1cm未満の可憐な花。 




8:55 「中岳2925m」に到着!駒ケ岳への中間点で標高は駒ヶ岳より31m低いだけの見事な岩峰。
    多くの登山者が記念撮影・休息・軽食と思い思いに楽しんでいる。360度の絶景!




8:59   中岳頂上の小さな祠の前で若々しい登山者が夢中でシャッターを切り続けていた。
     これからまた急な斜面を下り、駒ケ岳への最後の急登が待ち受けている。


中央アルプス木曽駒ケ岳へ - II

2015年07月18日 | 写真



7:35 最後の急登。ここからがいちばん苦しい。それでも記録写真は残したい。立ち止まって一枚。
                                (2015/7/12 撮影)




8:07 ホテル千畳敷がはるか眼下に。3000m 峰が連なる南アルプスのレベルに近づく絶景。




8:10 ついに急坂を登りきって「乗越浄土2850m」に到着。ここはいわば下界から天空へ向かう
    「絶壁を乗り越えた浄土」。   天空のさわやかな風に汗も疲れも吹き飛ぶ。
  



8:15 ほんのわずかの時間絶景を見回して歩き始める。左←宝剣岳・右→駒ケ岳の分岐点を通過。
      



8:20 宝剣岳直下の奇岩「天狗岩」は中央アルプスの撮影スポット。しばし自然の造形の妙を楽しむ。


中央アルプス木曽駒ケ岳へ - I

2015年07月17日 | 写真



6:50    始発の駒ケ岳ロープウェイに乗り標高2612mの千畳敷頂上駅にて撮影。
     ロープウェイ千畳敷頂上駅は国内で最高地点の「駅」である。
     駒ケ岳ロープウェイは通年営業で真冬でもアルプスの雪景色が楽しめる。
     雲海の彼方は南アルプス連峰。中央やや右に小さく富士山の頂上も見える。
                              (2015/7/12 撮影)




6:55 ホテル千畳敷の前から「宝剣岳2931m」(左手)を見上げる。予想より残雪が多い。
    中央のくぼみの上が「乗越浄土2850m」でまずはその地点までの急登のスタート。




7:09  千畳敷カールの斜面は冬場はスキー場でにぎわう。登山者の姿が小さく見える。




7:15  いつもの撮影と違って荷物が重く肩に食い込む。カメラの重さがきびしい。




7:20  ところどころで残雪が登山道を覆っている。一歩一歩慎重に高度を稼いでいく。




7:26  雪渓を渡りきったところで振り向いて一枚。ホテル千畳敷がずいぶん遠くに見える。


「ヤマユリ」(山百合)

2015年07月15日 | 写真









 「ヤマユリ(山百合)」:日本原産。ユリ科の中では最大級の大きさで草丈は1~2mにもなり花径は20~25cmの大きさになる。花期は7月。暑い山野の道脇に白い山百合を見つけると涼やかな気持ちになれる。またとてもよい香りを放つ。東日本中心に主として本州に分布するが、九州、四国、北海道にも野生化した山百合が見られる。比較的日当たりのよい山野の斜面などに自生する。

 さらに面白い特徴としては、長い丈夫な茎の先に咲く花の数がその株の年数を表す。つまり一枚目の写真のように一本の茎に花が二つ咲いているのは二年生の株である。二枚目では花が一つだけでほかにつぼみも見当たらないので、この株はいちばん若い一年生の株ということになる。

 二枚目の写真の花の中に小さな蝶がとまっている。この蝶の名は「チャバネセセリ」で、その名のとおり羽の色は地味な茶色である。


役目を終えて

2015年07月11日 | 写真


 ガクアジサイ(額紫陽花)のガク(額=装飾花)は、内側のたくさんの花が小さすぎて目立たないために周りできれいに開いて虫たちを誘う。つまりその名のとおり「絵を引き立たせる額縁」の役目を持っている。観察していておもしろいのは、内側の花がほとんど咲き終わると役目を終えて揃って下向きに裏返しになり垂れ下がる。

 この一枚目の写真では、左奥と手前の花たちはもうほとんど咲き終わって、周りのガクはだんだんと下向きになり垂れ下がってきているのがわかる。木漏れ日が差している右側の花は内側にまだすこし青い色の花が残っていて、ガクも上向きのものが何枚か残って虫を誘う役目を果たし続けている。





 二枚目の写真では、右側の花はすべて咲き終わり種子が見え始めていて、周りのガクは完全に役目を終えて垂れ下がり裏返しになっている。左側の花はまだ内側に青い花がきれいに咲いて残っているのに、勘違いしたのかガクは役目を終えたかのように裏返しになり垂れ下がっている。そして真ん中の花はすこし日陰で成長が遅れたせいなのか、まだ若々しい。内側の花はほとんどがまだつぼみで三つくらい咲き始めたところなので、ガクたちはしっかりと上向きにきれいに開いて虫たちにアピールしている。三者三様で見ていてとても楽しい。
                  (2015/7/10 佐倉市DIC川村記念美術館庭園にて)






「フェンネル」の花

2015年07月09日 | 写真




 透明のビニール傘の向こうにぼんやりとこの黄色い花が見えてきたとき、オミナエシかな?・・・いやオミナエシはまだ咲かないなあ・・・などと考えたりしながら近づいていくと、花の位置は見上げるほどの高さで根元で小さな「フェンネル」と書かれた札が雨に濡れていた。

 「フェンネル」:セリ科 ウイキョウ属の多年草。草丈は1~2mで高い。葉は糸状で鮮やかな黄緑色をしている。花期は6~8月で枝先に黄色の小花をたくさん咲かせる。地中海沿岸原産で古代エジプトや古代ローマでも栽培されていた記録があり、歴史上最古の作物のひとつとされている。「ウイキョウ」の名のほうがわかりやすくて、日本には平安時代に中国から渡来し、長野県、岩手県、富山県などで多く栽培されている。香辛料やハーブとして、また食用、薬用、化粧品用など古くから広く利用されてきたという。    (2015/7/7 千葉市都市緑化植物園内で撮影)

「イワタバコ」(岩煙草)」

2015年07月07日 | 写真










  この写真で見ると「イワタバコ」の葉が「タバコ(煙草)」の葉によく似ていることがわかる。

 「イワタバコ」(岩煙草):イワタバコ科の多年草で湿った岸壁などに着生する山野草。花が美しいので園芸用に栽培もされている。葉の形が「煙草」の葉によく似ている。「岩に張り付くように生えている煙草に似た葉の植物」ということで「岩煙草」と名づけられた。若葉は食用にもなるという。

 近隣では鎌倉の多くの寺院で、裏手の日当たりのよくない石垣などに群生しているのがよく知られている。この季節では紫陽花と並んで鎌倉の寺院でもっともよく見かけられる花である。特に「東慶寺」、「円覚寺」、「建長寺」、「成就院」、「長谷寺」などで多く見られる。花期は6月から8月にかけてで、花の色はほとんどが紫色でまれに白花もあるというが、白花はまだ一度も見かけたことがない。また東京都内では御岳山や高尾山にも群生地がある。

 4枚の写真は前の記事と同じく、千葉県の鋸山「日本寺」境内の岩場や石仏の並ぶ石段に生えているのを見つけて撮影したものである。


祈りの道

2015年07月06日 | 写真







    







       急な坂を上がり木陰に咲いていた一輪だけの紫陽花を振り返って一枚。     










          





     石段の途中の木陰で一息。 木漏れ日で光る道脇の紫陽花に目がとまった。



 「乾坤山日本寺」:千葉県安房郡鋸南町の名勝「鋸山」(標高330m)の急峻な斜面十万坪余(約33万㎡)を境内地とする古刹。約1300年前(西暦725年)に高僧行基により開かれた関東最古の勅願所。鋸山頂上近くまで広がる境内斜面には延々と急な石段が続き、天然の岩窟や洞窟の中には「千五百羅漢」として有名な多くの石仏が見られる。明治維新前後の「廃仏毀釈」により多くの石仏は破壊されたがその修復が長い年月をかけて行われている。

 7枚目の写真の本尊「薬師瑠璃光如来」(通称鋸山日本寺大仏)は、本体の高さが21.3mで奈良東大寺の大仏(14.85m)をしのぎ「日本一の大仏」として知られる。その巨大な仏体は長い年月の間に風蝕などによる崩壊がかなり進んでいたため、昭和41年から4年間にわたる修復工事が行われ「世界平和・万世太平の大象徴」として復元された。正面からはその傷跡もほとんどわからないが、横位置から見上げるとその修復工事の大変さが想像できる。

 ロープウェイでまず頂上近くまで上がるか、有料道路・観光道路のどちらかを使って駐車場から境内を巡ることになるが、いずれにしても石段のアップダウンがとてもきびしい。とにかくゆっくり進まないと足が動かなくなる。遠い昔からここを訪れた人々は皆、一歩一歩石段を踏みしめながらたくさんの石仏の前で立ち止まり祈り続けたにちがいない。


「鋸山」にて (千葉県)

2015年07月04日 | 写真



        鋸山頂上(標高330m)から房総半島西岸南方を見渡して撮影。




  頂上から対岸の三浦半島遠望。手前右側は金谷の町と東京湾フェリー金谷港で左端は金谷漁港。




          紫陽花が盛りの「日本寺」境内から南房総西岸展望。


          

       頂上脇の「地獄のぞき」オーバーハングの展望スポット先端に立つと目がくらみ胃が痛む。 
   

「鋸山(のこぎりやま)」:房総半島西岸の東京湾に面する千葉県安房郡鋸南町金谷の海岸線からそびえ立つ「鋸山」は海抜330mの岩峰で、その岸壁がまるで鋸の歯のような姿に見えることからその名がつけられた。この山から切り出された岩石は「房州石」(別名「金谷石」)として名高く、室町時代から昭和57年に至る長い年月にわたり採石が続けられた。今でもその石切場跡が残されており、登山道やロープウェイからも間近に眺めることができる。

 房総半島(千葉県)の最高峰は南房総の「愛宕山(あたごやま)」(海抜408m)で、その他に標高300mクラスの山がいくつかある。鋸山は房総では有数の高山で東京湾や対岸の神奈川県三浦半島からもその姿がよく目立ちよい「目印」ともなっている。頂上からの眺めはすばらしく、360度の雄大な眺めを楽しむことができる。[注]:「地獄のぞき」特に先端は高所恐怖症でなくても目がくらむので要注意。
                                  (2015/6/29 撮影)