
「セイタカシギ」の親子連れ
千葉県習志野市「谷津干潟」の歴史は1898(明治31)にさかのぼる。
東京湾最深部の広大な干潟の一部が入浜式製塩場に整備されたが
1911年には度重なる暴風雨被害のため廃業となった。
1925年には京成電鉄により「谷津遊園地」として開業し
1980年の閉園までの長い間憩いの場として人気を博した。
その後の整備で1988年には「国指定鳥獣保護区」に指定され
1993年(平成5年)「ラムサール条約登録湿地」に指定された。
翌1994年には「谷津干潟公園」として再スタートし
今では約40 hrの広大な干潟が野鳥の楽園となっている。

セイタカシギの特徴はすらりと伸びた長い脚
この時はまだ潮が引いていなくて脚の半分が隠れていた。
脚はきれいな赤かピンク色で美しい。
くちばしも細くて長くすっきりとした姿をしている。
「水辺の貴婦人」とも呼ばれる。
適度な風が吹き夕焼け色と杭の映り込みが揺れていた。

この日は渡り鳥・野鳥の姿がとても少なかったが
幸いにもセイタカシギの親子連れを見つけた。
真ん中が父親、奥が母鳥、手前が若鳥だろうか。
この春生まれたヒナがもうすっかり大きくなっている。

日没寸前の赤い夕日が鮮やかに水面を照らしていた。
親子が順に一列になって巣に向かい始めた。