たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

「留春の滝」(栃木県)

2015年06月10日 | 写真
        



 「留春の滝」:栃木県那須塩原市塩原町にはたくさんの滝がある。この滝も前掲の「竜化の滝」と同じく、東北自動車道西那須野塩原ICから塩原温泉郷へ向かう国道400号線沿いに大きく滝の名を記したわかりやすい看板と駐車場がある。そこから山側ではなく「箒川(ほうきがわ)」の流れる深い渓谷の一番下まで約10分ほど急傾斜の道を下りると「留春の吊橋」が見える。橋を渡るとすぐ左手に滝の案内板があり、木製のベンチもいくつかあって休憩所になっている。

 滝の直下への道はないが、細い木の根などにつかまりながら慎重に下りて見上げると、写真のような黒々としたそそりたつ岩盤の上からわずかに水が流れ落ちていた。雨の後でないとこの滝は水量は少ないらしい。かつては冬の間は水が枯れていたという。あまりに水が少ないのでシャッタースピードは超スローで撮影した。落差は15mほどだが、岩盤に写真のような変化があり、もう少し水量が多ければきれいな滝の姿になるのではないかと感じる。   (2015/6/4 撮影)

「風挙の滝」 (栃木県)

2015年06月09日 | 写真

        











「風挙の滝」:前掲「竜化の滝」へ向かう山道の途中にある滝。いつも先ずは「竜化の滝」を見たくて素通りし、戻りにここでひと休みということにしている。この滝はこれまであまり時間をかけて撮影することはなかった。「竜化の滝」の前で時間を過ごしてすこし疲れていたのでこの場所でちょっと休むことにした。ここは谷間がすこし開けていて風通しもよく、腰掛ける岩もいくつかあり気持ちよく休憩できる。一枚目の写真は滝の正面よりやや左側沢沿いぎりぎりのアングルからの撮影。

 休憩しながら滝を眺めていると、いつもはあまり気にかけない中ほどのくぼみからの水の跳ね上がりが水量のせいもあるのかこれまでより勢いよく目に映った。いわゆる「ひょんぐり滝」(滝水が勢いよく急角度で跳ね上がる部分がある滝)と名づけるほどではないのだが、なんだかこれを強調して記録に残したくなってきた。「ひょんぐり滝」として知られる滝は全国的に見てもとても数が少なく、どれも深い山奥にあるのでなかなか近づき難くこれまで一枚も撮影したことがなかった。

 角度からして山道側から見たのではあまり「ひょんぐり」が感じられない。そこで足元に気をつけながら滝つぼ下の渓流を渡り対岸に三脚をセットした。ここからならスローシャッターである程度水の跳ね上がりがきれいに撮れるのではないかと期待しながらシャッタースピードを段階的に変えながら何枚かシャッターを切った。二枚目の写真がそのなかの一枚である。三枚目の写真は滝の落ち口あたりからその部分を覗き込んで見下ろして撮影した一枚。今回は時間に余裕もあったので、二つの滝の前でとても楽しい時間を過ごすことができた。                 (2015/6/4 撮影)


「竜化の滝」(栃木県)

2015年06月08日 | 写真
    



 「竜化の滝」:栃木県那須塩原市塩原町下塩原山中の箒川支流「寒沢」に落ちる滝。塩原十名瀑の一つに数えられ、落差60m、幅5mの段瀑で延長は130m。急峻な断崖を天に向かって昇る白竜にたとえて名づけられたという名瀑で、その迫力と美しい姿は十名瀑中随一と言われている。

 大震災などでがけ崩れなどの被害がでたが、狭い谷間の山道もきれいに整備されて安全に滝まで向かうことができる。この滝はこれまで何度となく訪れたが、いつもその美しさに見入ってしまい、長い時間滝の下で過ごすことが多い。出来ることなら最上段の滝つぼをこの目で見たいのだが、狭い谷間でそそり立つ断崖が迫り上に通じる道はまったくない。

 「龍化瀑二十五丈を若葉する ぶなのかこめりうへは岩山」(与謝野晶子 1878-1942)  
与謝野鉄幹・晶子夫妻は昭和9年5月に塩原温泉を訪れ竜化の滝まで上がった。その折に与謝野晶子がこの短歌を詠んだことを記した案内看板が山道入り口に立てられている。    (2015/6/4 撮影)

 

「アカミミガメ」

2015年06月06日 | 写真




 「アカミミガメ(赤耳亀)」:正式には「ミシシッピアカミミガメ」でアメリカからの外来種。写真のように頭の両脇に赤い縞模様があることですぐにそれとわかる。この種の小亀が「ミドリガメ」で甲羅がきれいな緑色で愛らしく、夏祭りの露店などで買って帰り自宅で育てた覚えのある人は多いと思う。ところが成長が早く、大きくなると育てるのがたいへんになってつい池や沼、川などに放してしまう人も多い。繁殖力が強くあっという間に各地に広まり、今や在来種の「イシガメ(石亀)」や「クサガメ(草亀)」よりもはるかに目立つ存在になっている。

 このような現象は亀だけに限ったことではないが、全国各地で生態系を守るための運動が活発化して外来種の駆除が始まっているところが多く見られる。アカミミガメの場合は、TVニュースでもよく取り上げられる「カミツキガメ」のように直接的に人間に危害を加える恐れはないのだが、あまりに繁殖が進んでいることもあって駆除を検討中、あるいは決定したところもかなりあるといわれている。「駆除」の中には「動物園」などとの提携で繁殖を抑える努力をするという対策も含まれている。

 この写真を撮影したのは佐倉城址公園内の「姥ケ池」だが、スイレン池としても知られ、特に小亀がたくさん見られるスイレンの咲く季節には人気のスポットになっている。ここでもやはりアカミミガメが相当繁殖していることはたしかなようだ。駆除検討の打診・要請などはあるということだが、今のところは来園者にとって癒しの場所にもなっているということでそのような動きはない。

「ツマグロヒョウモン」(褄黒豹紋)

2015年06月05日 | 写真



 初夏の頃咲き始めるウツギ(空木)の花[別名:卯の花]もすでに散り始めている。満開の卯の花に止まっている蝶は「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」で、この季節にいちばん目に付くアゲハチョウである。写真の蝶は雌で、雄のツマグロヒョウモンは、翅(羽)の褄(先端)の部分の黒と白縞の模様が大きくよく目立つのですぐに見分けがつく。

 この蝶は熱帯から温帯まで広く分布し、日本での分布域は1990年頃までは西日本までだったのが次第に生息域を広げ、今では関東地域、新潟県あたりまで見られるようになっている。温帯地域で生息域が広がっているのは一説によると地球温暖化が原因であるといわれている。特にこの季節では都市周辺の公園、花園などでもよく見かける。

「アブラギリ」の花

2015年06月02日 | 写真



 アブラギリ(油桐):トウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木で中国、台湾、西日本などに分布している。樹高は15mにもなる。葉は桐の葉に似ていて花が咲いていないとアブラギリだとはわかりにくい。日本で一般的によく知られる桐の花は薄紫のきれいな花で子どもの頃からの記憶があるが、アブラギリは初夏に写真のような白い花を咲かせる。かつてはその実から「桐油」と呼ばれる油が採取され、塗料、インキ、油紙の材料など大いに活用されていた。近年では桐油から「バイオ燃料」を精製する研究が進んでいるという。

 木が茂っているとまるで雪が積もっているかのように見えることから、台湾では「五月の雪」と呼ばれ、桜の季節が終わり5月に入ると各地の桐花の名所ではアブラギリの白い花びらが咲きそろい風に舞う「五月の雪」のシーズンが訪れる。各地では週末ごとに盛大なお花見イベントが開催されている。

 千葉県佐倉市「DIC川村記念美術館庭園」の休憩舎前に一株だけこのアブラギリがある。3年前に初めてこの花を見かけて「アブラギリ」だとわかって以来、見るのはこれで4度目になる。高さはまだ約6mほどの若木だが、毎年5月下旬ごろになると写真のように白い花が咲き始める。花が咲いているのは桜と同じように短い日数なので、うっかりすると見過ごしてしまう。なかなか近隣都県で実際には見ることが出来ない貴重な一本である。               (2015/5/28 撮影)

こもれび

2015年06月01日 | 写真
  







 連日真夏のような日照りが続いているが、週間天気予報では今週後半には雲が多くなり雨も混じって気温もやや下がる日もありそうだ。いよいよ梅雨入りも近づいているような気配だ。梅雨の時期にいちばんよく似合う紫陽花も色づき始め、見頃が近づいてきている。

 昨日、涼を求める人たちでにぎわう佐倉城址公園を散歩したがやはり日傘を差している人が多い。なんとなく木陰に入ってちょっと休みたくなる。木陰に咲き始めた紫陽花にこもれびが差していてじっとみつめてしまった。開いたばかりの淡い色合いの「装飾花」に囲まれた真ん中の「花」はすべてつぼみでまだ一輪も咲いていない。散歩用の軽いカメラを取り出して何枚か撮影した。

 姥ヶ池(スイレン池)にもギラギラと日が差していた。ふと見ると、奥の木陰の白いスイレンがこもれびを浴びて光っていた。そこまで移動してそのスイレンにピントを合わせシャッターを切った。

 きびしい暑さも忘れる静かなひとときの記録を残すことができた。