2018.6.26 撮影
栃木県那須塩原市と矢板市にまたがる深い山間のスッカン沢訪問はこれで6度目になる。いつも駐車場のある「雄飛の橋」のたもとから沢沿いの道を「雄飛の滝」目指して進む。最初に現れる道沿いの看板には、「素簾の滝⇒」と書かれていて、矢印が沢の対岸の森方向を指している。いつも立ち止まって対岸の深い森の奥を眺めると、たしかに幾筋か木々の合い間にわずかに水の流れが見える。望遠レンズでねらってもとても写真にはなりそうにない。沢の流れは勢いがあり、橋はどこにもない。沢歩きの装備を整えてこなければ対岸へは渡れそうもない。これまではそれであきらめて先へ進んでいた。
今回は初めて深めの長靴を履いて歩いた。看板の位置から沢沿いへ下りて辺りの流れの様子を慎重に調べた。一ヶ所だけなんとか注意深く歩けば渡れそうな場所をみつけて倒木の助けも借りながら無事に渡ることができた。ただし無謀ではなく、もしも上流で雷雨でもあれば鉄砲水に襲われて戻れなくなるのであらかじめ天気予報は下調べしておいた。
初めて対岸へ渡り、道はまったくない斜面を用心深く上がっていった。最初に目に入ったのがこの滝と滝下の渓流で、その美しさに目を奪われてしばし立ち尽くしていた。これは幾筋も「すだれ(簾)」のように流れ落ちているはずの「素簾(それん)の滝」のほんの一部分なのだろう。その左右の断崖や森林の中にもまだ見えない流れがあるにちがいない。
初訪問なので、まずはここだけでも時間をかけて撮影を楽しむことにした。