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スジウチワタケ

2018年11月11日 | きのこ情報
スジウチワタケ
Polyporus grammocephalus Berk.

先日の採集会でこう同定されていたきのこがあった.
※ 写真を載せるとどこの採集会かわかるので控えます.

Fungorumによると,
現在は,Polyporus hypomelanus Berk. ex Cookeということである.

Microporusではないため,管孔はそれほど細かくないはずであるのだが,上記のきのこはどう見ても,Microporusのように管孔が見えないほど細かい.

しかも,スジウチワタケは沖縄などかなり暖かい地域に発生する.
つまり,どう考えてもスジウチワタケではないと思う.
たぶん,個人的な見立てであるが,ツヤウチワタケが古くなってツヤがなくなっただけだろう.

どうも採集会では,なんとか名前をつけないといけないという使命感に追われている印象がある.
その結果,おかしな同定結果が記録として残ってしまうことになっている.

私は,名前をつけなければならないという状況を放棄しているので,まず誰も私に訊いてくることはない.
その方が助かるし,おかしな記録が残ることも回避できる.

したがって,採集会での同定法は次のようにしなければならないだろう.
#1 現場でつけた名前は暫定的なものである,
#2 名前をつけたきのこは持ち帰り,鑑定結果を後日報告する.
#3 報告のできない人は名前をつけない.

大勢が採集会に来ているのであるから,各人がひとつずつ持ち帰って鑑定してくれば,可能であろう.

ただし,ここでいう鑑定とは,顕微鏡やDNA鑑定ではなく,外観の特徴を図鑑と照らし合わせてくるだけでもいいのと思う.
採集会の現場では図鑑すら見ずに名前がつけられているのであるから.

ちなみにスジウチワタケは,大勢の人が持ち歩いている山渓のフィールドブックスきのこに載っているので,現場で確認すれば誤同定は避けられたはずである.


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