◆健康リーダー養成講座◆
こんにちは。今年度の市民レポーター、「かずさん」こと武田和巳(69才)です。
今回の街散歩は、甲府市広報誌2023年3月号の「とびだせ!市民レポーター!」で紹介した「“元気 City こうふ”を支える健康リーダー」の補足ブログです。2022年7月から2023年1月までの講座の様子をご紹介します。
これまでの甲府市31地区コースの街散歩ブログは以下にまとめて掲載されています。
是非ご覧ください。
****講座の紹介****
甲府市は、2019年に「健康都市宣言」を制定し、2022年度に“元気Cityこうふ”を支える「健康リーダー」の第2期養成講座(全5回)を開催したので、2022年7月から夫婦で受講し、2023年1月に無事修了しました。その様子をお伝えします。
****講座の目的と背景****
甲府市は平成30年3月に「健康都市こうふ基本構想」を策定、令和元年9月19日には、市民と地域・行政が一体となり健康づくりに取組み、健康寿命の延伸を図りながら活力ある甲府市を創っていくために「健康都市宣言」を制定しました。
「甲府市保健計画」の中では、「甲府市の年齢別人口構成は、令和25年には65歳以上が約37%を占めると予測されています。(平成31年から約7%増加)
一方、山梨県の健康寿命は男女ともに全国トップクラスですが、公益財団法人山梨総合研究所によると、山梨県の平均寿命と健康寿命の差が平成28年で男性8.84年、女性で12.35年あり、すなわち、この差の期間は介護・療養生活を送っている事になります。この差が拡大すれば、医療費や介護費用が増える事になり、差が少なくなれば抑制されることになります。
・平均寿命:0歳における平均余命
・健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
そのためには健康寿命を延ばす施策が必要で、その一つとして高齢者の健康促進する為の「健康リーダー」養成講座が「健康都市宣言」後の新規事業として開設されました。
- 表1の出典元:https://www.city.kofu.yamanashi.jp/fukushi-somu/shise/shisaku/kenko/documents/04hoken.pdf
- 表2の出典元:https://www.yafo.or.jp/2018/03/30/9517/
****健康リーダーとは****
「身近な地域の住民に、健康に関する正しい知識や情報を伝え、地域の「通いの場」などで健康に資する活動を住民とともに実践することで、住民一人ひとりの健康意識を高め、行動変容を促す役割を担う人材」とされています。
****講座の内容****
講師は山梨学院大学スポーツ科学部小山教授、三本木教授、矢部特任講師による、5回の講座で、時間は毎回2時間程度です。
・1回目:矢部先生、2022年7月8日
アイスブレイキング(自己紹介・グループワーク)、ストレッチ、運動前の注意点
・2回目:小山先生、2022年9月30日
フレイル、ロコモティブシンドローム対策
・3回目:三本木先生、2022年11月11日
認知症予防のための運動の役割
・4回目:小山先生、2022年12月16日
運動の評価・体力測定
・5回目:三本木先生、小山先生、矢部先生、2023年1月20日
栄養と運動、運動プログラムの組立て方、行動変容の考え方、
グループワークと発表、修了式
**** 第1回目の紹介 ****
28名の受講者が6グループに分かれて、自己紹介します。初対面の緊張感(アイス)を一気に壊す(ブレイク)自己紹介の手法(アイスブレイキング)を学び、それぞれ自己紹介をしました。
その後、ストレッチの方法やポイント、運動中の水分補給や安全管理の基礎を学びました。
まとめ:自己紹介に一工夫、適度な水分補給、運動はややきつい程度に!!
**** 第2回目の紹介 ****
フレイル・ロコモティブシンドローム対策です。
・フレイルとは、健康と要介護の間にある状態を差します。
・身体的フレイルの中心にある筋肉量の低下をサルコペニアといいます。
・ロコモティブシンドロームとは、筋肉や骨、関節、椎間板といった運動器の障害の為に、移動機能(立つ、座る、歩くなど)の低下をきたしている状態をいいます。
初めに「リアクションじゃんけん」でグループ内の緊張感をほぐし、フレイル・ロコモティブシンドロームに関する講義を受け、日常生活で行える下半身の運動、ながら筋トレを体験しました。
まとめ:フレイルの元凶は筋肉の萎縮、筋肉と骨はいくつになっても鍛えられる!!
寝たきりになりたくないなら5秒でいいから筋トレしなさい!!
**** 第3回目の紹介 ****
少子高齢化の時代になり、男女ともに平均寿命、健康寿命が延びています。高齢者の体力(6分間の歩行距離)も伸びていて、特に女性の体力は10年間で5歳若返っているそうです。
一方、加齢による認知機能の低下で介護が必要となる割合が多く占めていますが、①運動習慣のある方の発症率は低い、②地域活動参加有無による発症率の違い、③有酸素運動により記憶力の改善が期待できるなど、認知機能についての講義を受けた。
認知症予防の運動は、「運動課題+認知課題」が効果的とのことで、実際にいろいろな課題とスクエアステップを体験しました。
まとめ:認知予防には頭と体を同時に使う運動が効果的。方法はいろいろあるが、スクエアステップが使いやすい。
**** 第4回目の紹介 ****
初めにグループ内で簡単な自己紹介をしました。4回目なので顔見知りもでき、直ぐに打ち解けた雰囲気になりました。その後「体力とは何か?」についての講義を受け、頭の体操も交えながらリラックスした雰囲気を作り、文部科学省の「新体力テスト実施要領」による6種目の内5種目の体力測定とロコモティブシンドローム度(ロコモ度)テスト2種目を行いました。
体力には、筋力、筋パワー、筋持久力、全身持久力、バランス(平衡力)、敏捷性、柔軟性、巧緻性(協調性)、抵抗力(免疫力)があるそうです。
- 体力測定
・握力
・上体起こし
・長座体前屈
・開眼片足立ち
・10m障害物歩行
・6分間歩行(今回テストせず)
- ロコモ度テスト
・2ステップテスト
・立ち上がりテスト
まとめ:フレイル&ロコモ対策には、正しい「体力測定」で評価する。
評価される体力要素を理解する。
体力測定の結果から、体力改善目標が設定できる
←健康リーダーによる支援が効果的!!!
体力テストの時は鼓舞激励も!!
**** 第5回目の紹介 ****
最終回です。全員でストレッチから始め、身体を温めてからグループワークに移ります、「運動する」に関する行動変容が5ステージあることを理解して、「行動変容ステージを上げるため、どの様な支援や働きかけがあるか?」を課題に、グループディスカッションをして、KJ法を用いて意見を集約し、模造紙に結果をまとめてグループ毎に発表しました。
- 運動に関する行動変容ステージ
・5ステージ:維持期
・4ステージ:実行期
・3ステージ:準備期
・2ステージ:関心期
・1ステージ:無関心期
最後に、「健康づくりにおける“栄養”&“睡眠”の重要性」の講義を受けました。
・高齢者は「たんぱく質」と「カルシウム+ビタミンD」が不足がち
・運動後は出来るだけ早く食事する
・成長ホルモンは入眠後約90分間の「ノンレム睡眠時」に約70~80%が分泌される
まとめ:フレイル予防には、運動して、直ぐ食事し、2時間の熟睡が有効!!
**** 修了証書授与 ****
甲府市福祉保健部長より「健康リーダー養成講座修了証書」と「健康都市こうふのピンバッジ」が課程修了者全員に授与され、参加者全員で記念写真を撮影し、解散しました。
**** 受講後の感想 ****
何気なく応募してみた講座でしたが、先生方の明るく、分かりやすい説明とさまざまな頭を使う遊び感覚の体操、また、フレイル、ロコモティブシンドロームや体力測定など科学的な話も聞けて大変参考になりました。ますますの高齢化社会に向けて、自分自身の健康寿命を延ばす意識が高まり、地域の方々にも展開していく気持ちも芽生えました。
今後、高齢者健康増進の地域活動に参加したいと思います。