こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

大いなる命という懐に抱かれて

2008年06月21日 | 仏教
どうあがいても自分の思い通りにならないことを、
仏教は「苦しみ」という言葉で表す。
「四苦八苦」。
老い、病み、そしてやがては死にゆく。
人は皆、この事実を正面から見つめることをしない。
"生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、
 死に死に死に死に死んで死の終わりに冥し"
弘法大師は、人々が生と死の本質的な意味に目覚めようとしない
と警告する。
 道元禅師は、「修証義」に
"生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり"
と、生と死の根本問題を明らかにすることが私たちの
最大の課題だと述べている。
いつ訪れるかわからない我が身の死。
親しい人との死別。親、連れ合い、子供、孫等々。
二度と再び相会うことのできない自他の命。
いたたまれぬ恐怖と不安。
ただただ遣る瀬無い空しい思いにさいなまれる。

この過酷な運命から眼を背けず、
真正面からこれを乗り越えることのできる力こそ、
宗教であり、仏教であり、信仰生活。

「今をよく生きることは、よく死ぬこと」
と言う言葉には、そんな意味が込められる。

大いなる命に生かされて生きているこの命。
大いなる命という懐の中で、
生き死にを繰り返し、
そしてやがては、この大いなる命そのものにならんとす。
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こんな呼びかけがありました。・・・「からっぽの時間」

2008年06月21日 | つれづれ
キャンドルナイト


***以下呼びかけ文より引用

「でんきを消してスローな夜を」

私たちは100万人のキャンドルナイトを呼びかけます。
2008年の夏至の日、6月21日夜、8時から10時の2時間、
みんなでいっせいにでんきを消しましょう。

ロウソクのひかりで子どもに絵本を読んであげるのもいいでしょう。
しずかに恋人と食事をするのもいいでしょう。
ある人は省エネを、ある人は平和を、
ある人は世界のいろいろな場所で生きる人びとのことを思いながら。
プラグを抜くことは新たな世界の窓をひらくことです。
それは人間の自由と多様性を思いおこすことであり、
文明のもっと大きな可能性を発見する
プロセスであると私たちは考えます。
一人ひとりがそれぞれの考えを胸に、
ただ2時間、でんきを消すことで、
ゆるやかにつながって「くらやみのウェーブ」を
地球上にひろげていきませんか。

2008年、6月21日、夏至の日。よる8時から10時。
でんきを消して、スローな夜を。
100万人のキャンドルナイト。

   *   *   *   *   *

「家でキャンドルを灯して過ごす」

たとえば、
キャンドルのあかり一本だけともして、こどもたちに本を読んであげる。
たとえば、お風呂にアロマキャンドルつかれたカラダをやすめてみる。
たとえば、
とっておきのワインを開ける父(母)といつもはできない話をしてみる。
たとえば、ひとり静かに灯りを見つめる、遠くにいる大切な人を想う。
たとえば、
キャンドルの灯りでご飯をたべる。恋人と平和とか戦争とかの話してみる。
たとえば、ペットと晩酌する。ひとりじゃない幸せに乾杯する。

キャンドルを灯したその後の、「火の始末」もわすれずに。

    *   *   *   *   *

「からっぽの時間」

「100 万人のキャンドルナイト」は、無理して電気を消したり、
大声をあげて反対を叫ぶ運動ではありません。
みんなが電気を消すことが、地球温暖化の防止になるとい
うことが一番大切な目的でもないのです。
テレビや部屋の照明は落としても、ラジオ
は聴いていたいし、携帯電話で話したい、
そういう普段の暮らしの事情をやめてまで、
ろうそくの灯りで過ごしても、
無理をすることの先にあたたかい未来があるとは思え
ないのです。

普段の暮らしをしながらも、
過剰な電飾の明かりにまみれた日常から少しだけ、
自然の光だけで「過ごしてみる」。
1年のうちたった2時間、好きなろうそくの灯りをともしてみる。
この時間をどういう風に過ごすのかも、みなさんのアイディア次第です。

恋人と2人きりの時間。
久しぶりの友達と会ってお酒を飲みながら語る時間。
音楽を聴きながら1人きりで過ごす時間。
そうして1人1人が過ごす時間の先の未来にわたしたちが描いているのは、
自然であたたかい平和な地球の姿です。

普段から大量の電気をつかっているから参加できない、
なんてことはないのです。
そんなゆるやかな繋がりがつくる時間を私たちは
「からっぽの時間」と呼んでいます。

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