昨年12月29日に見た夢の内容の続きです…
これまでの内容はこちら…[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18]
*
船長「なんだ、ぜんぜん食べてないじゃないか」
「食べないと日本に着く前にくたばっちまうぜ。言葉が通じなくても、俺の言いたいことはわかるだろ?」
「ギギ…」
「よしよし、良い子だ」
「九時方向に船影! 軍艦のようです!」
船長「なに!?」
船長「アメリカ海軍か…」
船長「日本まであと少しだ、何事もなく通り過ぎてくれれば良いんだが…」
通信員「アメリカ海軍駆逐艦ジョン・レーダーより電信。『船名、国籍、目的地、航行目的を問う』」
船長「返信『こちらは貨物船マリーメル号。パナマ船籍。目的地は日本・トマコマイ。貨物の輸送中。積み荷はアンチョビの缶詰』」
「ジョン・レーダーより送信。『マリーメル号に停船を命ず。臨検を行う』」
船長「なんだと! 返信、『ここは公海上だ。命令に従う義務はない』」
「ジョン・レーダーより送信。『直ちに機関を停止せよ。命令に従わなければ攻撃する』」
船長「くそっ、逃げるぞ! 前進全速! 面舵30!」
「前進全速!」
「面舵30!」
「積み荷はどうしますか?」
船長「モミジを放すにはまだ陸地が遠すぎる。もっと近づかないと無理だろう。だが、いつでも出せるように貨物室は開放しておけ。ただしコンテナは開けるな」
「了解!」
「撃ってきました!」
船長「大丈夫だ。アメリカの映画じゃあるまいし、大砲の弾がそうそう当たるものか。速力はこっちの方が上だ。弾に当たらなければ逃げ切れる」
船体に衝撃。
船長「どうした!?」
「左舷後部に至近弾! 左舷スクリューが損傷したもよう!」
「速力低下、敵艦との距離が縮まります」
船長「なんてこった」
船長「機関前進一杯! 走れる限り突っ走れ。ぎりぎりまで粘るぞ! 総員、救命胴衣を着用しろ!」
「船尾に被弾! 船体に損傷。浸水しています!」
「操舵不能!」
「機関室で火災発生! エンジンはもう駄目です!」
船長「ええい、クソ、これまでか! 総員退船! 救命ボートを出せ!」
船長「モミジ、この船はもう駄目だ。俺たちが出来るのはここまでだ」
「ギ…」
「あとは自分の力で飛んで行け。日本はあの方角だ」
「ギギ…」
「ギー」
「俺たちのことは気にするな。全員無事だ。早く行け!」
「ギー」
アメリカ軍艦「怪鳥が出たぞ! 撃て!」
船長「日本はすぐそこだ。命がけでここまで来たんだ。死ぬなよ」
つづく…
これまでの内容はこちら…[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18]
*
船長「なんだ、ぜんぜん食べてないじゃないか」
「食べないと日本に着く前にくたばっちまうぜ。言葉が通じなくても、俺の言いたいことはわかるだろ?」
「ギギ…」
「よしよし、良い子だ」
「九時方向に船影! 軍艦のようです!」
船長「なに!?」
船長「アメリカ海軍か…」
船長「日本まであと少しだ、何事もなく通り過ぎてくれれば良いんだが…」
通信員「アメリカ海軍駆逐艦ジョン・レーダーより電信。『船名、国籍、目的地、航行目的を問う』」
船長「返信『こちらは貨物船マリーメル号。パナマ船籍。目的地は日本・トマコマイ。貨物の輸送中。積み荷はアンチョビの缶詰』」
「ジョン・レーダーより送信。『マリーメル号に停船を命ず。臨検を行う』」
船長「なんだと! 返信、『ここは公海上だ。命令に従う義務はない』」
「ジョン・レーダーより送信。『直ちに機関を停止せよ。命令に従わなければ攻撃する』」
船長「くそっ、逃げるぞ! 前進全速! 面舵30!」
「前進全速!」
「面舵30!」
「積み荷はどうしますか?」
船長「モミジを放すにはまだ陸地が遠すぎる。もっと近づかないと無理だろう。だが、いつでも出せるように貨物室は開放しておけ。ただしコンテナは開けるな」
「了解!」
「撃ってきました!」
船長「大丈夫だ。アメリカの映画じゃあるまいし、大砲の弾がそうそう当たるものか。速力はこっちの方が上だ。弾に当たらなければ逃げ切れる」
船体に衝撃。
船長「どうした!?」
「左舷後部に至近弾! 左舷スクリューが損傷したもよう!」
「速力低下、敵艦との距離が縮まります」
船長「なんてこった」
船長「機関前進一杯! 走れる限り突っ走れ。ぎりぎりまで粘るぞ! 総員、救命胴衣を着用しろ!」
「船尾に被弾! 船体に損傷。浸水しています!」
「操舵不能!」
「機関室で火災発生! エンジンはもう駄目です!」
船長「ええい、クソ、これまでか! 総員退船! 救命ボートを出せ!」
船長「モミジ、この船はもう駄目だ。俺たちが出来るのはここまでだ」
「ギ…」
「あとは自分の力で飛んで行け。日本はあの方角だ」
「ギギ…」
「ギー」
「俺たちのことは気にするな。全員無事だ。早く行け!」
「ギー」
アメリカ軍艦「怪鳥が出たぞ! 撃て!」
船長「日本はすぐそこだ。命がけでここまで来たんだ。死ぬなよ」
紅葉さん 本当に絵が素晴らしいです
このまま結末を描けるか自信がありません。