カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

グローバルに嫉妬している人に   なぜローカル経済から日本は甦るのか

2015-01-25 | 読書

なぜローカル経済から日本は甦るのか/冨山和彦著(PHP新書)

 副題は「GとLの経済成長戦略」。Gはグローバル、Lはローカルのこと。いろんな企業がある中、一部のG企業にも大いに頑張ってもらう政策整備はもちろん必要だけれど、日本の多くは当然のようにL企業ばかりなので、それはGと同じでよいわけが無い。話は分けて、それぞれに頑張ってもらおう、という極めて普通のことを説いている。まあ、普通に仕事をしているような人々は前々からそういうことは分かっていたはずのことなんだけど、しかしながらメディアの言動は、どんな企業でもグローバルが合言葉になってしまっているし、しかし国内の頭の固い企業の多くは、Lの視点でせっかくのG企業の足を引っ張ったりしている。議論がかみ合わないばかりか、弊害ばかりという感じだ。そういうことをきちんと整理して、それぞれに普通に頑張ってもらおうということを、言っている訳だ。わざわざこんなことになってしまうのは、やはりこの整理が皆上手く言ってない現実がある為なんだろう。
 現在からちょっと先を俯瞰してみると、日本全体もそうだけれど、特に地方はすぐに危機的な状況に陥っていくだろう。人口減少社会にあって、その未来はそう簡単には変えられない。ただし、それは現在のままの延長であるという正確な見立てによるものだ。今のままだとどうにもならないが、やり方によってはまだ手はある。要するに本気で気づくかどうかで初動に差がつく。そうして差があった状態で前を走った方が断然有利である。
 実は自然に様々なものは変わり始めている。それは僕も実感として日々感じていることだ。だから普通に手を打ってきたし、今後もその変化の方針に変わりはない。他人のことに何かを言うつもりもない。ただ、退場する人たちには速やかに出て行ってもらいたいだけのことだ。普通に競争して、普通に参入もできる自由さが、結局は自分自身を助けることにもなると思ってもいる。しかし大勢はまだその前の段階だというだけに過ぎない。そうして残念ながら、今の権力者が自ら退出する段階を経ないと、今の状況も変わらないだろう。だから既に僕は諦めてもいる。気を付けなければならないことは、そうでありながら、自分もそれに染まらないことだけだ。
 頑張る人が普通に頑張るにはどうするかの設計は、僕らだけの手にゆだねられてはいない。そういう現実にあってこのような当たり前の書物が、普通に普通の認識になることが必要なんだと思う。言葉遣いには多少の乱暴さも感じるかもしれないが、これは実は本当にずっと前から言われていることを現代訳にしただけのことかもしれないのだ。繰り返すが要は多くの人がそのことに気づくこと。そうして今を認めることだ。現実からしか未来の手は打てない。要するに読んでくれよ頭の固い人、という本である。
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