雑誌で知ったのだが、ハリガネアート(ワイヤーアートとも)というのがある。もともとぜんぜん知らなかったわけでもなさそうだが、まったく興味が無かった。石膏などを固める基礎などでも針金のようなもので形成することがあるだろうから、もともと芸術関係とは深いつながりがあるんじゃなかろうか。そうしてその骨組み自体がすでにアート作品として独立してしまったかのようなものが、ハリガネアートなのではなかろうか。適当な想像だが。
針金で動物やモノを造形するわけだが、確かにそれらしきものというのは、以前から見たことはあったようだ。懐かしむほどではないが、オブジェ的に作られた、針金だったか、糸のようなものであったか、あやふやな記憶ながら、見たことはある。しかしながら今回興味を持ったのは、他でもなく雑誌で紹介されていたからで、一瞬で見とれてしまった。
それはHayU(ハユ)という人の作品らしく、すでに超有名なんだとか。ハユという名前で作品は発表されているが、小川学さんという名前でも、著名なようだ。もともとバラ農園を営まれていたらしいが、バラ農園でたくさんの針金を使うことがあるようで、暇な時などにそれを使って造形していったという。これももともと芸術的な素養を積んだ人のようで、そういう作品群をためて展示会などをやって人気が出て、石田ゆり子などが部屋に飾ったインスタなんかも話題になり、ものすごい人気で、すでにバラ農園は休止しているのだそうだ。作品を買おうにもすぐに売り切れてしまい、予約がとんでもなく詰まっているのだという。もう本業だったかもしれないバラづくりはやれそうにないのではないか。
針金で作られた線で描かれる動物などの頭が多いようだが、針金なので立体である。そうして立体でありながら奥が透けて見える。そうすると線自体が何だかぼやけたような印象を残し、しかし遠近法で自分の目のレンズで行ったり来たりしてピントを合わせて作品を鑑賞することになる。僕は写真でしか拝見してなくて、実物であればこの作業が何度も行き来して楽しめるのではないかと思われる。そういうところがハリガネアートの面白さなのだろう。
実際に壁にひっかけてインテリアにして楽しみたい人が大勢いるのだろう。掃除はどうするのかよく分からないが(下手に触ると壊れそう?)、これはやっぱりかっこいいですね。また、実物がいいのは間違いなさそうだが、写真でもいい感じなんである。ブームとはいえ、こういう感じで皆が注目しだした可能性は、ちょっと何かありそうにも感じる。
さらにハユさんのものではないハリガネアートも当然たくさんあって、これがまたずいぶん個性が違うのである。線だけの勝負というのでかなり印象を変えるというのもあるし、そもそもの針金の使い方自体がまったくの異次元で、色を変えたり重ねたり太くしたりなど、かなりのバリエーションの広さが感じられる。みんなこの機会に、たくさん売れるといいですね。