モリアオガエルは水辺の樹上に産卵するという、奇妙な習性をもつ青蛙の一種。
ここ広島県安芸太田町加計、吉水園では、5月上旬から6月下旬にかけてが産卵期で主に深夜、池の上に
張り出した木の枝に体の大きな一匹の雌を数匹の雄が抱きかかえて、共同で直径10~15cmの真白い泡
状の塊をつくり、その中に約300~800個の卵を産みつける。約1週間でふ化したオタマジャクシは、泡とと
もに次々に池に流れ落ちるが、2か月後に森に入っていく幼蛙は、イモリなどの補食を免れたごく少数だ。
昔から「延命の小ぶくろ」と呼ばれる白い卵塊は、町内の水田などでも発見されている。しかし、吉水園のよう
に観察の容易な絶好の繁殖地はめったになく、昭和27年「吉水園のモリアオガエル」として県の天然記念物
に指定された。撮影は、6月1日「かえるまつり」で公開された吉水園でうつした。
PENTAX Kー5 ”雅”+ Sigma 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM で撮影した。