島根県益田市匹見町道川の国道191号沿いに見える、かやぶきの大屋根が美濃地屋敷。江戸時代の
1740年代に建設されたといい、1855(安政2)年に改築された母屋と米倉は当時のまま残っ
ている。美濃地家は、たたらをなりわいとして栄え、江戸時代後期には周辺の村々を管理する大庄屋
を命じられる家柄だったという。母屋には代官などを接待するための座敷もあり、大庄屋を務めてい
た風格を感じさせる。米倉には、鳳凰(ほうおう)の鏝絵(こてえ)が施され、美濃地家の富裕さが
伝わる。
美濃地屋敷は旧匹見町時代の2003年3月に所有者から寄託を受け町が管理。05年、母屋の前に
あった長屋門を復元するとともに、隣に民俗資料館も建設した。米倉も展示施設として利用しており、
美濃地家に保管されていた漆器などが並ぶ。さらに、屋敷を地域活性化につなげる活動も展開されて
いる。地元の女性グループが同家に伝わる約250年前の漆器を使い、精進料理の「美濃地邸食」を
要予約で定期的に提供する。
PENTAX K-3 ”雅”+Sigma 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM で撮影した。